地震警報システム(じしんけいほう−) は、別称リアルタイム地震防災システムとも言い、「地震が起こった後、震源要素や地震動の分布を迅速に決めて、その情報をいろいろなユーザー(防災関係者、電気、ガス、水道、電話、交通、報道、個人)に伝えて防災に役立てること[1]」の事であり、地震の際に警報を発して被害を最小限に抑えるための安全管理システムである。
目次
1 各種の地震警報システム
2 仕組み
3 実用例
4 関連項目
5 出典
5.1 脚注
5.2 ウェブ
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地震警報システムには大きく分けて2種類あり、以下にリストしたシステムが稼働している。
早期警戒システム(地震早期警報システム、即時情報)
主要動到達前に警報を発し、未然に被害を抑える
JRのユレダス(UrEDAS):事前検知、機器制御を行う。
現在は、ユレダスとそれを進化させた「コンパクトユレダス」が新幹線など鉄道関係に於いて実用化されている。
メキシコの地震警報システム(SAS, Sistema de Alerta S?smica):地震動の警戒発令を行う。
気象庁の緊急地震速報[2]
早期地震警報システム:緊急地震速報を利用したもので、九州新幹線のほか各鉄道事業者でも導入されている。
フレックル(FREQL, Fast Response Equipment against Quake Load):ユレダスやコンパクトユレダスの機能を持つ。P波検知後1秒以内、最短0.2秒で警報を発信し、「世界最速」とされている。[3]
揺れの後(地震後情報、直後情報)
被害等を予測し、適切な防災活動を行えるようにするもの。
東京ガスSIGNAL(シグナル)、SUPREME(シュープリーム):被害把握、機器制御を行う。[4]
横浜高密度強震計ネットワーク(READY):地震後の被害把握を行う。[5]
川崎市震災対策支援システム:地震後の被害把握を行う。[6]
内閣府地震被害早期評価システム(EES):地震後の被害把握を行う。[7]
南カリフォルニアCUBE:地震動直後の情報発信を行う。
地震警報システムは、地震の初期微動を観測して、早い段階で対応をとることにより、被害を最小限に抑えようと開発されたシステムである。
地震が起こると、主に2つの地震波が周囲に広がることにより振動が発生する。地震波のうちS波は大きな揺れ(主要動)で被害を引き起こす地震波で、比較的ゆっくり伝わる波である。対するP波は小さな揺れ(初期微動)のため被害を起こす地震波ではないものの、S波の約2倍の速さで伝わるため、このP波を観測してすばやく情報を伝えることで、被害を未然に防ぐことができる。
鉄道総合技術研究所では、新しい手法を用いた早期警報用地震計の開発を行い、新幹線において運用された。新しいシステムは、P波初動から地震の発生位置やマグニチュードを推定し、大きく揺れはじめる前に警報を出すという点では従来のユレダスと同じだが、その推定方法が異なっている。新システムでは、近くで発生した地震ほどP波初動の傾きが急になるという特徴に注目して震源までの距離を先に推定する。そして、その推定値にもとづいてP波部分の最大振幅からマグニチュードを求める。この新手法によって震源までの距離やマグニチュードの推定精度が向上した。
実用例
新潟県中越地震(2004年)の際の新幹線停止(上越新幹線脱線事故)。
P波が検出された後、1秒で警報を出し、200km/hで進行中の新幹線に緊急ブレーキをかけた。結果的に脱線をしてしまったが、早期警報システムは計画通りに動いた。
仙台地域の小学校での避難訓練
発生がある程度切迫している宮城県沖地震について、緊急地震速報を利用して避難訓練を行っている。
脚注^ 菊池正幸(2003)リアルタイム地震学、東京大学出版会、pp.2022
^ ⇒「緊急地震速報の本運用開始に係る検討会」中間報告(気象庁)
^ ⇒新世代早期地震警報システム FREQL System and Data Research Co.,Ltd
^ ⇒技術概要(共同開発者による紹介)、 ⇒システムを利用した有料サービス(東京ガスの関連会社のサイト)
^ ⇒横浜市における地震システムについて(横浜市)