地衣類
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地衣類が付き、独特な模様を持つブナ

地衣類(ちいるい)は、菌類(主に子嚢菌類)と藻類シアノバクテリアあるいは緑藻)からなる共生生物である。地衣類の構造は菌糸からできている。

しばしば外見が似るコケ植物と混同されるが、地衣類は菌類であって植物ではない。
目次

1 特徴

1.1 葉状地衣類

1.2 痂状地衣類

1.3 樹状地衣類


2 生育環境

3 利用

4 コケ植物との見分け方

5 地衣類の種類

6 関連項目

7 外部リンク

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特徴

地衣類というのは、陸上性で、肉眼的ではあるがごく背の低い光合成生物である。その点でコケ植物に共通性があり、生育環境も共通している。一般には、この両者は混同される場合が多く、実際に地衣類の多くに○○ゴケの名が使われている。しかし、地衣類の場合、その構造を作っているのは菌類である。大部分は子のう菌に属するものであるが、それ以外の場合もある。菌類は光合成できないので、独り立ちできないのだが、地衣類の場合、菌糸で作られた構造の内部に藻類が共生しており、藻類の光合成産物によって菌類が生活するものである。藻類と菌類は融合しているわけではなく、それぞれ独立に培養することも不可能ではない。したがって、2種の生物が一緒にいるだけと見ることもできる。ただし、菌類単独では形成しない特殊な構造や菌・藻類単独では合成しない地衣成分がみられるなど共生が高度化していることから、独立の分類群として扱うことも多い。なお、国際植物命名規約では、地衣類に与えられた学名はそれを構成する菌類に与えられたものとみなすと定められている。地衣を構成する菌類は子嚢菌類のいくつかの分類群にまたがっており、独立して何度かの地衣類化が起こったのだと考えられている。。また、子嚢胞子の形性が見られないものもあり、そのようなものは不完全地衣と呼ばれる。

繁殖は菌の形成する子のう胞子による。子のう胞子は小さなキノコ状の子実体を作り、そこに形成される。子実体の形は、大きくは3通りあり、皿状の裸子器(らしき)、壺状の被子器(ひしき)、溝状に細長いリレラである。

また、無性生殖のための器官として、地衣体の一部を粒状や粉状の構造として、これを分離して散布するものがある。これを芽子という。

地衣類はその形態から、葉状地衣類、痂状地衣類、樹状地衣類に大別される。この分け方は必ずしも分類体系を反映するものではないが、同定する上では参考になる。


葉状地衣類ウメノキゴケの1種

薄い膜状の地衣類である。コケ植物の苔類に見られる葉状体に似ている。表面には菌糸による上皮層があり、その下には藻類を含む藻類層がある。藻類層の下には菌糸からなる髄層があり、下皮層によって下面が区切られる。基質上には下皮層から生じる偽根という根に似た構造で固着する。成長は地衣体の周辺から外に向かって伸びることで行われ、不規則な雲状の形になることが多い。子実体は地衣体表面に上向きに付くことが多い。


痂状地衣類多数の痂状地衣が樹皮についている。白っぽい斑紋に見えるのはほとんどが地衣類。左の大きいものはモジゴケの1種・黒い線は子実体痂状地衣類 チズゴケの一種で(フジヤマチズゴケ)高山の岩肌に張り付いている。地衣体が非常に硬いため乾燥状態では細かくひび割れている。

葉状地衣に似ているが、裏面に下皮層がなく、地衣体が基質に密着、あるいはとけ込んでいるように見えるものである。砂岩などの基質の上では、地衣体が基質と完全に一体化していることもある。多少色があることでその形がやっとわかる場合や、子実体だけが並んでいるように見えることもある。全体は円形で、外に向かって成長する。子実体は、表面に上向きに並ぶ。


樹状地衣類ヤマヒコノリの一種。吸盤のように見えるのは形成中の子実体ヒメレンゲゴケの一種。挙げた手のようにも見える

前記2つとは全く異なり、枝状になって基質から立ち上がるものである。垂れ下がったり、這い回るものもある。状の軸は皮層に囲まれ、その内側に藻類層がある。形は様々であるが、細かい枝に分かれたり、傘状になったりするものはあるが、コケ植物の茎葉体や高等植物のように、葉のような構造を作ることはない。子実体は枝先などにつく。


生育環境

見かけがコケと同じようなものであるのと同様、生育環境もコケと共通するものが多い。背の高いものが少ない点も共通である。

地表、岩の上、樹皮上などに着生するものが多い。霧のかかるような所では種類が多いことも同様である。日本の温帯林では、サルオガセが樹上から垂れ下がるのが、よく目立つ森林がある。

ただし、他の植物が生育できないような厳しい環境に進出できるのも地衣類である。極地など寒冷な地域や、火山周辺など有毒ガスの出る地域にも特殊なものが生育する。この点、地衣類は菌類と藻類の共生体だが、そのどちらよりも厳しい環境に耐えることができる。

他方、大気汚染に弱いことも指摘されている。樹皮上に着生するウメノキゴケなどの地衣類は、自動車の排気ガスに弱く、樹木に着生する地衣類は大気汚染の良い指標となることが知られている。たとえば公園の樹木を見ても、大通り側の樹木には地衣類が着生していない、といった現象がたやすく観察される。


利用

実用的価値のあるものは少ない。 数少ない地衣類の幅広い利用は、酸性アルカリ性の判定に使うリトマス紙は地衣類であるリトマスゴケから得られるものである。また、イワタケは食用にされる。極地ではハナゴケ類などがトナカイなど家畜の餌に利用されることもある。


コケ植物との見分け方

よくコケ植物と混同されるが、たいていの場合、見分けるのはさほど困難ではない。

色:緑藻を持つものは、銀色を帯びた白っぽい緑か薄い青緑をしている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki