台北経済文化代表処(タイペイけいざいぶんかだいひょうしょ、臺北經濟文化代表處、Taipei Economic and Cultural Representative Office※)は、中華民国(台湾)が国交を有しない国の首都に設置する実務関係処理のための窓口機関で、事実上の外交使節団。「一つの中国」をめぐる中華人民共和国との紛争(台湾問題)により公式な外交関係を有しない国との間で、経済を中心とする実務関係の維持・発展のために設置した非政府機関であるが、大使館と同様に査証業務も行っている。
※ 所在国・地域によって、名称が異なる場合もある。
目次
1 台北駐日経済文化代表処
2 中琉文化経済協会駐琉球弁事処
3 台湾正名運動
4 関連項目
5 外部リンク
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1972年に、日本国と中華人民共和国が日中共同声明に調印して以来、日本国と中華民国との間には公式な外交関係がない。そこで、外交関係のある国家双方が設置する大使館や領事館に代わり、中華民国側からは非政府組織「亜東関係協会」が台北駐日経済文化代表処(東京都港区白金台、1992年5月までは「亜東関係協会東京弁事処」と称した)を、日本側からはカウンターパートである「財団法人交流協会」が台北事務所(台北市松山區慶城街)を置くことで、中華民国政府が実際に統治している地域(台湾地区)と日本との間における経済や文化の交流(民間関係、非政府間の実務関係)を実現している。
そのような経緯から、日本側は代表処を駐日外国公館ではなく民間機関としか位置付けできないものの、事実上の中華民国代表部であり、大使館の役割を担っていると言える。横浜市・大阪市・福岡市・那覇市には、領事館に相当する弁事処・分処が設置されている。
2008年7月現在、駐日代表は許世楷の辞任により空席になっており、羅坤燦副代表が代表代理を務める。亜東関係協会会長は ⇒陳鴻基(元立法委員)。
沖縄がアメリカ施政権下にあった1958年3月、中華民国で沖縄との交流促進を目的とする中琉文化経済協会が発足した。1972年5月の沖縄返還と同年9月の日華国交断絶を経た後も、東京などと同じ亜東関係協会でなく「中琉文化経済協会」名義の駐「琉球」弁事処を維持した。
中華民国は、琉球王国が明朝及び清朝に朝貢していたことと、アメリカによる日本への沖縄返還が中華民国との協議を経ずに進められたことに対する不満を理由として、沖縄に対する日本の主権を認めるか否かについて態度を曖昧にし、「琉球」の名称を用いてきた。過去には中華民国外交部(外務省)の部長(外相)やスポークスマンによる沖縄に対する日本の主権を認めない旨の発言もあった。台湾で日本と「琉球」を区別した例としては、世界地図で別の色で塗り分けられていたことや、今日でも政府の貿易統計で別に集計されている場合があることがあげられる。
『沖縄タイムス』2006年6月2日付夕刊が報ずるところによると、2006年5月30日に中華民国外交部は、「中琉文化経済協会駐琉球弁事処」の名称を、「台北駐日経済文化代表処駐琉球弁事処」に変更すると発表した。駐琉球弁事処の陳桎宏(ちん しこう)代表は、外交部出先機関の存在をもって琉球(沖縄)の日本帰属を否定していないことを示していると説明した。一方「琉球」という名称を公式使用することに関して、「歴史的、文化的な背景」と述べるにとどめ明言を避けたという。
その後、正式名称を ⇒「台北駐日経済文化代表処那覇分処」に変更し、県庁所在地名を入れることによって同代表処が他地域と同等の立場であることを発表した。
中華人民共和国と国交のある国は、同国の「一つの中国」に関する主張について何らかの形で肯定的な態度を表明している。それに抵触することによる問題を避けるため、一般に代表処の名称には「中華民国」「台湾」といった用語を用いていない。李登輝政権時代の1992年までは、駐日事務所の名称に「台北」の文字すらも含まれなかった。日本側の「交流協会」の名称に固有名詞が全く含まれないのも同様の理由である。
民主進歩党の陳水扁政権下では、国民の台湾人意識の昂揚に伴い、国号の中華民国を台湾へと変更するよう求める「台湾正名運動」が活発化した。陳総統は「中華民国すなわち台湾」「中華民国は台湾」という認識を表明し、中華民国を中国大陸とモンゴルを含む「中国」全土とした従来の国民党政権による主張を否定した。これらを背景として在外公館・窓口機構の名称も「台湾大使館」あるいは「台湾代表弁事処」へと変更する動きが台湾の政府内外にある。その流れの中で、「台北駐日経済文化代表処」も、台湾全体の代表機関と認識しにくいとの指摘もあり、「台湾駐日代表処」へと名称変更するよう運動が起きている。
関連項目
中華民国の政治
中華民国外交部
中華民国在外機構
交流協会
チャイニーズタイペイ - 中華民国が国際スポーツ競技大会や国際組織等に参加する際の名義。代表処同様に「台北」が使われている。
外部リンク
⇒台北駐日経済文化代表処
⇒Taipei Economic and Cultural Representative Office in the U. S. 駐美國台北經濟文化代表處