口裂け女(くちさけおんな)は、1979年の春から夏にかけて日本で広まった都市伝説。
また2004年には韓国においても発生した[1]。
目次
1 概要
2 バリエーション
3 話の出所
4 江戸時代の口裂け女
5 メディア
6 脚注
7 関連項目
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マスクをした若い女性の姿で現れ、学校帰りの子供などに「わたし、きれい?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。その口は耳元まで大きく裂けているという。この時「きれいじゃない」と答えるとその場で鎌(切れ味のある鋏という場合もある)で斬り殺され、「きれい」と答えると家までついてきて玄関口で斬り殺される。殺されない為には「ふつう」と答えるしかないと言う(1978年頃に京都で流布したパターン)。2000年頃に再び小学生の間で噂になり、殺されない為には「まあまあです」と答え、口裂け女が考え込んでいるうちに逃げれば良いと言われた。後は「田中の友達」と言えば助かると言われる。
この都市伝説は全国各地の小学生・中学生に非常な恐怖を与え、パトカーの出動騒ぎ(福島県郡山市・神奈川県平塚市)や、連絡簿に注意事項として記入されたり(東京)、集団下校が行われたりした(北海道釧路市・埼玉県新座市)など、ヒステリー状態をもたらした。
マスコミに初めて登場したのは1979年1月29日の岐阜日日新聞とされる[2]。記事には岐阜県加茂郡八百津町で、農家の老婆が母屋から離れたトイレに立った際、口裂け女を見て腰を抜かしたとある[3]。
口裂け女の伝承にはさまざまなバリエーションが存在する。
彼女が所持している凶器は、長い鋏や、出刃包丁、鎌、鉈、斧、メスなど複数の刃物を持っているといわれている。都会では人が多いせいか、隠し持つことのできる鋏や鎌、メスなどが多く、田舎では都会に比べ人が少なく隠し持つ必要も低いため、出刃包丁や鉈、斧など破壊力のある凶器を好む傾向にあった。また(誰が数えたのかは不明だが)歯が130本生えており子供を噛み殺すことも容易にできるという噂もある。実は三姉妹であり、彼女達全員口が裂けていると言われている。あるいは口が両側裂けているのはひとり、片側だけ裂けているのがひとり、残るひとりはメイクで裂けている様にみせかけているというバリエーションもある。出遭った人が「3人の中で誰が綺麗?」と聞かれ、1人を選ぶと、他の2人に殺されるともいう[4]。
血の目立たない真っ赤な服をきている、血の目立つ真っ白い服を着ているなど服装に関する噂も多い。身体能力は100メートルを3秒で走る(6秒説もある)ほど高く、白バイを追い抜いたという噂もある。下駄を履いた状態でもこのスピードを出せるとも言われた。身長に関しては諸説あるが、2メートルを超えていたという情報もあった。
耳まで避けた口で通行人を食べてしまう、人をどこかへ連れ去ってしまう、といった噂話が立ったこともある[5]。
口裂け女から無事逃げるには様々な方法があると伝えられている。広く知られたものにべっこう飴とポマードがある。べっこう飴は口裂け女の好物であり、これを与えると口裂け女が夢中でなめている隙に逃げられるというもの。また「ポマード」と三回続けて唱える(6回という説もある)と口裂け女がひるむ(逃げると言われる地域もある)ので、その隙に逃げられるというものもあるが、この場合は身体能力からしてかなり怯ませてから、逃げなければならない。また、ポマード自体を投げ付けたり、それを振り掛けたりして退散させる方法もある。こちらは口裂け女となってしまった原因が、診療を受けた歯科医(一説に形成外科医や美容整形外科医とも)のポマードがあまりにも臭くて治療中に思わず顔を背けてしまい、口が裂ける受傷起点になってしまったというエピソードに由来するといわれている。しかし、足の裏にポマードと書くという方法や、娘の美しさをねたんだ母親が娘の口をはさみで切った、など口が裂けるほかの説があるため、整髪料とは無関係との意見もある。また、以前に口裂け女の付き合っていた彼氏がポマードをつけていたともいわれている。特にべっこう飴説は広く人口に膾炙し、当時のパソコンゲーム「平安京エイリアン」にもプレイヤーが敵を足止めするアイテムとして取り入れられた。また、口裂け女は建物の二階より上に上がることができないので、二階建て以上の建物に逃げ込むというものもある。三軒茶屋や三宮など地名に「三」のつく場所に多く現れると言われる。また右肩をたたかれたら左側へゆっくり、左肩をたたかれたら右側へゆっくり振り向けば助かると言われた。それと手のひらに「犬」と書いてあった時に見せたら逃げるとも言われている。
韓国では、「赤いマスクの女」として登場する。この赤の色には、血や性や生理を意味していると言われる。
埼玉では、「私きれい?」との問いかけに、「綺麗」と答えると「じゃ、あなたも私のようにしてあげる」と言って口を切られる。「醜い」と答えると形相がかわり怒って殺されてしまう。ちなみに「普通」という回答はなく他の答えは醜いに取り入れられる。逃げる方法はなく出会ったら最後、必ず殺されると言われていた。派生的に、「私きれい?」と問い掛けられた子供たちが陸上部員であった為に逃げ切れたとか、ランボルギーニに乗っていた所を声掛けられて難を逃れた。という話もあった。
また口裂け女に先駆け、1975年頃には大阪で「原爆少女」という噂が流れている。これは、原爆のケロイドで焼け爛れた少女の幽霊が現れ「私、きれい?」と尋ねるというものである。また1976年から1977年にかけてはこの話が発展したかのような「整形オバケ」という噂が広島に流れた。顔半分を長髪で隠した女が現れて「私、きれい?」と尋ね、「きれい」と答えると「これでも?」と言って髪をどけ、ケロイド状に醜い素顔を見せて追いかけてくるというものである。これらの噂は口裂け女のパターンに酷似していることから、これらが変化して口裂け女の噂が誕生したとの説もある[6]。
前述のべっこう飴やポマードの説については、口裂け女に遭遇した際にどうにかして逃げ場を作りたいという人間の心理から、後付けで口裂け女の弱点の噂が付加されたものともいう。