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厳罰化(げんばつか)とは、一般には、罰を重く厳しくすることをいう。
目次
1 概要
2 日本における厳罰化・重罰化の背景
2.1 政府による施策
2.2 近年のハイペースな死刑言い渡しと死刑執行
2.3 被害者・被害関係者の感情
2.4 メディアの影響
2.5 警察・検察の思惑
3 厳罰化の事例
4 厳罰化への批判
5 厳罰化のジレンマ
6 厳罰化のメリット・デメリット
6.1 メリット
6.2 デメリット
7 刑罰の軽減化事例
8 脚注
9 関連項目
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広義に用いられる場合には、これまで制裁が明確に課されなかった行為を犯罪として処罰の対象とすることや、刑罰に限らない制裁に関する強化を含む用語として用いられ、狭義には、現行の刑罰をより重いものとする動向のことをいう。ルールを破った者・罪を犯した者への対応として、教育と処罰のバランスにおいて後者により重きを置くことと考えられる。
近年の日本では、少年犯罪や、殺人・強姦などの凶悪犯罪、そして交通事犯に関して厳罰化(2001年少年法改正、2004年刑法改正)が進められている。万引きなどの比較的軽度な窃盗についても、罰金刑の導入により起訴猶予などで処理した案件について罰金刑が課される余地ができた。
飲酒運転などに関しては、法的な制裁としての刑罰のみならず、勤務先からの懲戒処分などの社会的制裁が強化される場合が見られ、これらも厳罰化の一側面として捉えられている。
近年の厳罰化の事例として、飲酒運転の厳罰化においては、鮮やかな効果が見られたことが知られている。
海外でも、三振法やミーガン法の制定など、刑罰の厳罰化の傾向が強くなっている。
日本の刑法は、諸外国と比較して殺人などの凶悪犯罪の刑罰が軽すぎるという批判が根強かった。下記の表を見ても殺人で3年の量刑を定めているのは日本だけである。
各国の殺人罪量刑表国刑罰
日本3年以上の有期刑・無期刑・死刑
韓国5年以上の有期刑・無期刑・死刑
台湾10年以上の有期刑・無期刑・死刑
イギリス無期刑
フランス30年の有期刑・無期刑
ドイツ5年以上の有期刑・無期刑
2003年12月18日、日本政府は、犯罪対策閣僚会議において、「世界一安全な国、日本」の復活を目指すとして「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を策定した。この計画の中で、政府として、治安水準の悪化と国民の不安感の増大があることを認識しつつ、治安回復のための基盤整備の一環として、凶悪犯罪等に関する罰則について、法定刑・有期刑の上限の引上げを含めた整備を行うことを明らかにした。
2007年は高裁・最高裁が被告人に死刑を言い渡した回数は延べ47回であり、資料が残っている80年間の中で最も多い回数となっている[1]。また死刑囚に対する死刑執行も最近は再び多くなっている。
刑事司法手続きにおいて、これまで犯罪被害者・遺族などの関与が軽視ないしは無視されてきたといわれる。通常の場合、犯罪被害者または遺族が刑事裁判の過程ないしは判決に関して取り上げられる場合は、当該手続に対する不満または判決が軽いことに対する不満を述べることが見られる。被害者・関係者の司法手続きへの関与が重視される過程において、被害者の心理面からの要請は、被告人に対し極刑を要求する姿勢などが報道されるにつれて、世論を厳罰化を肯定する方向に誘導する効果をもたらしている。
被害者や被害者遺族に対する捜査情報の開示は未だにほとんどおこなわれておらず、また新設された保証金も適用が極めて限定的で、金額も自賠責保険にも満たない少額だとの批判が多い。このような被害者救済の不十分さは、被告人を厳しく処罰することで、一面でバランスが取られることとなる。
2001年、名古屋保険金連続殺人事件遺族の原田正治は犯人の死刑に反対する嘆願書を法務大臣に提出したが、死刑は執行された。
2006年、両親を殺害した15才の少年に14年の実刑判決(遺族は少年自身)。1980年、20才の成人が両親を金属バットで殺害した事件(神奈川金属バット両親殺害事件)では懲役13年の実刑判決だったので、同様の犯罪にもかかわらず、当時の成人よりも重い判決が言い渡されたことになる。
2008年、1999年に光市で起きた母子殺人事件の犯人である1999年当時18歳の元少年に対する広島高裁(差戻控訴審)での死刑判決。
刑事裁判はあくまでも法に則り司法が量刑を与えるものであり、遺族・被害者のための報復という考えは近代民主主義国家の刑事裁判としては受容できないという説も根強い。
厳罰化の背景として指摘される国民の治安に対する不安感の増大には犯罪報道の過熱化も要因とされている[2]。