原級留置(げんきゅうりゅうち)とは、学校に在籍している児童・生徒・学生(在学生)が、何らかの理由で進級しないで同じ学年を繰り返して履修すること。落第(らくだい)や留年(りゅうねん)に対する公式の表現で、学校長の権限によって生徒、学生に対しこうした処分をすることを原級留置処置という。原級留め置き(げんきゅうとめおき)、又は留級(りゅうきゅう)と表記される場合もある。対義語は「及第」・「通常の進級」である。
類似のケースに当たるものに、小学校就学を標準よりも遅らせる「就学猶予」、学校卒業後の上級学校への進学時に期間が空く「過年度進学」がある。
目次
1 原級留置の例
2 学校制度
2.1 公的な表記
3 生活上の現役生との相違点
4 年齢基準の統計
5 学校種ごとの実態と統計
5.1 小学校・中学校
5.2 高等学校
5.3 高等専門学校
5.4 大学
6 原級留置の例
6.1 留年を経験した著名人
6.2 架空
7 関連項目
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原級留置処置になるケースには以下のような場合がある。
長期の病気療養(入院、加療)
成績不良
長期欠席
休学
その他生徒・学生としてふさわしくない行為があった場合
その他、本人が希望する場合。(一部の大学等では延長して在籍が認められている)
日本の学校制度では、飛び級経験者などの例外を除き、全ての留年経験者は通常に進級した児童・生徒・学生(就学猶予、原級留置、過年度進学などを経験しなかった人)より学齢で1歳以上高年齢であるが、高年齢の在学生には過年度進学者なども存在するため、高年齢の在学生の全てが留年経験者であるとは限らない。
幼稚園、小学校、中学校など、前期中等教育以前の学校では、下の学年を履修していなくても、所属できる最高学年(いわゆる年齢相当学年)に編入学できる。こういった、高年齢児童生徒の飛び級ができることが、学齢期(15歳以下)の学校に共通する特徴である。しかし、高等学校、高等専門学校、大学など、後期中等教育以降の学校では、年齢が高くても、以前に同等学校などで履修したことがない限り、1年生から履修しなければならない。
学校教育法などでは、諸学校の在学年齢/卒業年齢には上限は設けていないが、高等学校以上の課程において、留年できる回数の上限を設けている学校もある。日本では前期中等教育までは、就学猶予・原級留置・過年度進学などが数少ないため、外見上上限があるように見えるだけである。しかしながら、ほとんどの学齢児童が6歳から就学し、留年することなく15歳で中学校を卒業するということが常識の様になっており、学齢を過ぎた人の在学は通常の小中学校や関係機関などの現場ではほとんど想定されていない。
高等学校以上の課程における留年の場合、学校と校則によって差異はあるが、極めて厳格な校則だと「一度たりとも留年を認めず、即退学とする」場合もあり(大学院修士課程に多い)、続いて「留年は一度だけ認めるが、二度目の留年が決定した場合は、即退学とする」(二度の留年がない)場合もある。
公式用語は「原級留置」であるが、「留置」という言葉は留置場を連想させるとして、「原級留め置き」などと表記する人もいる。また、「留年」は単位制である学校、例えば大学などで使われる用語であり、「原級留置」、「落第」は学年制である学校、例えば小学校・中学校・高等学校などで使われる用語である。そのため、「原級留置」は「落第」と同じ意味であるが、「留年」とはやや意味が違う、という説もある。しかし一般的には三者は同じ意味で使われる。なお、養護学校の高等部では原級留置がない(ただし、病弱児養護学校の高等部は原級留置はある)。
原級留置者に代表される高年齢の在学生は、必ずしも一般の在学生と同様な学校生活を過ごせるわけではない。これについては、「過年度生#生活上の現役生との相違点」で詳述。
義務教育段階の原級留置については、公式の統計が発表されていない。しかし、国勢調査では小中学校の在学者と年齢を区分した統計を出しているので、学齢超過の小中学生の人数を知ることができる。この統計については、「過年度生#年齢基準の統計」で詳述しているが、結果のみ再掲すると、以下のようになる。
小学校・中学校とその同等学校に在学中の学齢超過児童生徒の総数は5万6462人よりやや多い
学齢超過の児童生徒は全児童生徒の0.49%よりやや多く存在する
学齢超過の児童生徒は全生徒の1.37%よりやや多く存在する
もっともこれは、単なる年齢基準の学齢超過者統計なので、学齢期の原級留置者の正確な数を知ることができるものではない。なお、後期中等教育以降での原級留置数は公表されている。
日本の学校制度では、小学校・中学校の学年は年齢主義を取っており、就学猶予者、帰国子女など特殊な事情がある場合を除き、年齢によって所属する学年が決まる。