原子炉(げんしろ、Nuclear Reactor)は安全に原子核反応を持続させる装置である。多くは原子力発電所や、航空母艦や潜水艦の原子力機関として使用される。核種変換による核物質生産や研究などの中性子源などにも使用される。
目次
1 概要
2 原子炉の基本構成
3 原子炉の分類
3.1 減速材による分類
3.2 冷却材の種類による分類
3.3 冷却材の状態による分類
3.4 中性子の性状による分類
3.5 使用目的による分類
3.6 開発段階による分類
4 5重の壁
5 オクロの天然原子炉
6 核融合炉
7 関連項目
8 外部リンク
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原子炉は核反応の種類から、核分裂炉と核融合炉とに分けられるが、核融合炉は研究段階のみで実在していないため、一般には核分裂炉を指す。核分裂炉は、発電や移動動力のエネルギを得るために作られた動力炉と、プルトニウム生産を目的とした軍事用のプルトニウム生産炉に分けられる。これ以外にも核物理学研究に使われる研究炉もある。
以下、この項では核分裂炉について述べる。核融合炉については最後に記述する。
日本に初めて導入された原子炉は英国製のガス冷却炉である。 原子炉で発生する事故として最も深刻なものは、冷却材喪失事故であり、蒸気爆発や炉心溶融を引き起こす。
原子炉の基本構成加圧水型原子炉
炉心
核燃料(燃料棒)
天然ウラン
低濃縮ウラン燃料
高濃縮ウラン燃料
MOX燃料
制御棒
冷却材、減速材
反射体
炉壁・容器
圧力容器
格納容器
減速材による分類
軽水炉:軽水
通常の水である軽水は中性子減速能が大きいが中性子吸収能も大きい。通常は減速材が冷却材を兼ねる。軽水は安価で大量に入手することができ、火力発電で使用されているため性状が良くわかっている。反面、吸収能が大きいため軽水冷却炉では濃縮されたウラン燃料を用いて発生する中性子の数を増やす必要がある。
重水炉:重水
水素の同位体である重水素からなる水である重水は軽水に次ぐ減速能を持ち吸収能が小さい。従って重水炉では天然ウランを始めとして多用な物質を核燃料として用いることができる。ただし、重水は高価である。
黒鉛炉:黒鉛
炭素からなる黒鉛は水に次ぐ減速能を持ち常温で固体である。黒鉛は減速能を持たない物質を冷却材として用いる設計の原子炉で使用されており構造が比較的簡単な為、原子力開発能力の低い国でも使用されている。しかし発電効率が悪い反面プルトニウム239の生成効率が高い事から核兵器用プルトニウム製造に良く使用された。現在では主にガス炉の減速剤として使用されている。
高速中性子炉、高速増殖炉:無し
高速炉とも呼ばれるこの型の原子炉は、減速材を利用せず、核分裂に伴なって発生する高速中性子をそのまま利用する。これは燃料増殖に有利である。
冷却材の種類による分類
軽水冷却炉:軽水
軽水が減速材と冷却材を兼ねる炉と、軽水は燃料の冷却のみに用いられて減速材には黒鉛等を用いる炉がある。
重水冷却炉:重水
重水が減速材を兼ねていることが多い。
ガス冷却炉:ガス(二酸化炭素、ヘリウム)
水蒸気と異なりガスは圧力を高めなくとも高温にすることができるため初期の原子炉では二酸化炭素が冷却材として用いられた。反面、密度が小さく熱運搬能力に乏しいためガス炉による商用発電は経済性に劣り商用発電炉の主流は軽水炉に替わった。ヘリウムは現在研究・開発が進められている1,000度を越える高温を原子炉から得る高温ガス炉の冷却材として用いることが研究されている。また高速増殖炉の冷却材としてヘリウムガス冷却も検討されている。
溶融金属冷却炉:溶融金属(ナトリウム、鉛・ビスマス合金)
溶融金属は常圧で高温を得られる熱運搬能力に優れた流体であるため、配管を耐圧とする必要が無く原子炉全体を小型軽量化できる。このため艦船の動力として採用されていたが、金属を流体の状態に保つための高温の維持に苦労が多く採用はごく少数に留まった。