原子力空母(げんしりょくくうぼ)とは、軍用航空機を海上で運用することを目的に作られた航空母艦(空母)のうち、原子炉を搭載し核反応による反応熱を熱源とする機関をもつ艦船。現在公表されているところでは、全てが原子炉=蒸気タービン艦である。長大な航続力を誇る。
原子力空母は英語では nuclear-powered aircraft carrier と表記されることが多い[1]。なお、米海軍で用いられている記号 ⇒CVN は、「原子力汎用航空母艦(Multi-purpose Aircraft Carrier (Nuclear-Propulsion) )」を意味する船体分類記号[2]であり、Carrier Vessel Nuclear の略称に由来する[3]。世界初の原子力空母エンタープライズ(左奥)と仏海軍のシャルル・ド・ゴール(右前)ニミッツ級原子力空母 ロナルド・レーガン
目次
1 概要
2 アメリカの原子力空母外交
3 空母の主機関を原子力化することによるメリット・デメリット
3.1 原子力化のメリット
3.2 原子力化のデメリット
4 大型空母のメリット・デメリット
4.1 大型空母のメリット
4.2 大型空母のデメリット
5 原子炉を使うコスト比較
6 原子力空母の原子炉
7 今後の原子力空母の計画
7.1 ジョージ・H・W・ブッシュ以後の米海軍の計画
7.2 米海軍次期原子力空母(フォード級)
7.2.1 設計諸元(計画)
7.3 イギリス次期原子力空母
8 世界の原子力空母
9 注釈
10 参考文献
11 関連項目
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最初に建造されたのは1960年進水のアメリカ海軍のエンタープライズである。移動できる兵器としては人類最大のものである原子力空母には多くの人や国が、その存在感に恐れと敬意をもって接する。そのため、多くの映画・小説・TV番組にも登場し、10隻も保有する米海軍の象徴的な存在である。
2007年現在、原子力空母を運用しているのはアメリカ海軍(エンタープライズとニミッツ級)とフランス海軍(シャルル・ド・ゴール)の合わせて11隻だけである。旧ソ連海軍も計画していたが、ソ連崩壊により中止された。
米海軍で90機、仏海軍のシャルル・ド・ゴールで40機ほどの各種航空機を艦内に収容して、海上戦闘、航空戦闘、陸上への戦力投射、輸送、軍事活動支援、人道援助、外交などの各種活動に多角的に対応できる柔軟性を持つ。
米海軍では空母打撃群(Carrier Strike Group、CSG)の中核となり、空母の船としての指揮は艦長である大佐が行い、空母上の航空団(Carrier Air Wing, 略記号ではCVW)の指揮官はCAG(キャグ、Commander, Air Group)とばれる別の大佐が行なう。空母打撃群を指揮する少将のもとに両大佐が直属する。なお、艦長を補佐する副長(XO)も、CAGを補佐する副CAG(DCAG)も共に大佐である。
一つの艦船に2,000人から5,500人もの人員が乗り込み、何ヶ月もの長期(多くが6ヶ月間)に渡り本国を離れた遠い洋上で生活するため、艦内に診療室、床屋、郵便局、売店、教会などを備えた小さな街を形成している。
2007年現在の時点で原子力空母を語ることは、多くの点で米海軍の原子力空母を語ることになる。イージス巡洋艦(上)とイージス駆逐艦(下)に護衛されるジョージ・ワシントン(中央)