危険運転致死罪
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  本項の記述は最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

危険運転致死傷罪(きけんうんてんちししょうざい)は自動車の危険な運転によって人を死傷させた際に適用される刑法第208条の2で規定している犯罪

当初は「四輪以上の自動車」と限定されていたが、2007年(平成19年)5月17日成立の法改正(刑法の一部を改正する法律、平成19年5月23日法律第54号)により「四輪以上の」の文言が削除された結果、原動機付自転車自動二輪を運転して人を死傷させた場合にも危険運転致死傷罪が適用されることになった(同年6月12日施行)。

過失致死傷業務上過失致死傷罪等の過失傷害の罪を規定した刑法第2編第28章ではなく、故意犯たる傷害罪等について規定している同編第27章「傷害の罪」の中に規定が置かれており、準故意犯として扱われている。
目次

1 条文

2 経緯・経過

2.1 従来の処理と改正運動

2.2 刑法等の改正

2.3 改正による影響と今後の問題点


3 構成要件

4 国外での事例

5 脚注

6 関連項目

7 外部リンク

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条文
(危険運転致死傷)

刑法第208条の2
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。2 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

業務上過失致死傷罪については、同項目を参照のこと。


経緯・経過


従来の処理と改正運動

従来、交通事故加害者故意がないことを前提として刑法第211条の業務上過失致死傷罪によって処理されてきた。

2000年(平成12年)4月に神奈川県座間市の座間南林間線小池大橋で、検問から猛スピードで逃走していた建設作業員の男性が運転する自動車が歩道に突っ込み、歩道を歩いていた大学生2名を死亡させた事件が発生。

この男性は酒酔い運転だけでなく無免許運転で、乗っていた車は車検を受けておらず、また無保険運行の、極めて悪質な状態であった。

この事故で息子を失った女性が「そもそも業務上過失致死傷罪モータリゼーションが発達していない時代(明治後期)にできた古い法律で、自動車事故を想定して作られたものではない。人命を奪っておきながら、5年以下の懲役禁錮または50万円以下の罰金という窃盗罪よりも軽い刑罰は、悪質な運転者が死亡事故を起こしている現状にそぐわないのではないか」と法改正運動を始めた。運動の趣旨に賛同する被害者遺族たちとともに全国各地で街頭署名を重ね(協力者の中には、東名高速飲酒運転事故で幼い娘たちを失った両親もいた)、2001年(平成13年)10月に法務大臣へ最後の署名簿を提出した時には合計で37万4,339名の署名が集まった。

ちなみに業務上過失致死罪は、1968年(昭和43年)に、それまで最高刑が「禁錮3年」だったものを「懲役5年」に引き上げる法改正(昭和43年法律第61号)がされている。

これは、モータリーゼーションの進行により、1959年(昭和34年)に交通死者が初めて1万人を突破し、1960年(昭和35年)に呼気に一定以上のアルコール分を含む酒気帯びでの運転禁止を定めた道路交通法の規定が制定されるという流れの中で、悪質な交通違反には刑が低すぎるとの理由により改正されたものである[1][2]


刑法等の改正

署名運動の結果、2001年(平成13年)11月28日に危険運転致死傷罪を新設する刑法改正案が国会で可決され、「平成13年12月5日法律第138号」として成立し、刑法に導入されることとなった。公布の日から起算して20日を経過した日、すなわち同年12月25日に施行された。この結果、法定刑は致傷に対して15年以下の懲役、致死に対しては1年以上の有期懲役(最高20年、併合加重の場合は最高30年)となった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki