半導体素子(はんどうたいそし)は、半導体の電気伝導の電子工学的な特性を利用した固体能動素子である。ソリッドステートデバイスとも呼ばれる。代表例としては、トランジスタや集積回路(IC・LSI)などが挙げられる。
半導体素子はテレビ受像機、携帯電話、コンピュータといった現代の電気製品(電子機器)には必ずといっていいほど組み込まれており、さらに自動車や各種産業機器などにもコンピュータなどの電子機器を組み込む場合が多く、その工学上の重要性は非常に大きい。また経済上の重要性も非常に大きく、半導体素子の市場規模は2006年現在、世界で20兆円を超えている。こうした半導体素子のもつ産業上の重要性のことを指して、「半導体は産業の米だ」などと言い表すことも多い。
半導体素子製作の大まかな流れ
クリーンルーム 半導体を利用した電子機器はホコリに弱いため、作業はこのような清浄な環境下で行われる。
シリコンインゴット(左の長い円柱)をスライスして、シリコンウェハー(下の薄い円盤)を作る。
回路の実装が済んだ様々なウェハー達。碁盤の目状に見えるのは同一の回路(ダイ)が並んでいるため。これをダイヤモンドカッターで切り分ける。
ウェハーから切り分けられたダイ(上の写真の碁盤の目ひとつ分に相当)。複雑に入り組んだ回路が見える。
最終的な状態。
これは中身の見えるチップの例。中心に見えるのが、ウェハーから切り分けられたダイ。
その後、パソコンやテレビといった様々な電子機器内部に搭載される。
目次
1 特徴
2 材料とその性質
3 半導体素子の構造
3.1 点接触形
3.2 結晶成長形
3.3 合金接合形(アロイ形)
3.4 メサ形
3.5 プレーナ形
3.6 プロセスによる分類
4 半導体素子の例
4.1 2端子素子(ダイオード)
4.2 3端子素子
5 主な半導体製造メーカー
5.1 日本
5.2 大韓民国
5.3 台湾
5.4 アメリカ
5.5 ヨーロッパ
6 主なファブレス半導体ベンダー
6.1 アメリカ
6.2 台湾
7 関連項目
//
半導体素子が一般的に使われる前には、電子機器内の能動素子としては真空や気体を利用した電子管(真空管など)が使われていた。しかし、半導体素子には次のような特徴があるため、殆どの応用分野で電子管を代替し、凌駕した。
ヒーターが不要なため消費電力が少なく、電源投入と同時に動作する。
低温で動作するため寿命が長い。
固体であるため振動や加速度に強く信頼性が高い。
同じ動作をさせるのに必要な体積・面積が小さい。
当初電子管に比べて不利とされていた弱点についても、それを補う方法が開発され、さらに広く普及した。
温度による特性の変化が大きいので、補償回路が必要である。→補償回路を含んだ集積回路の製作。
製造工程の少しの変化が大きな特性変化として現れる。→デジタル回路化し、特性のばらつきの影響を小さくする。または、製造工程の管理を厳しく行う。
電気的なストレス(過負荷、過電圧、過電流など)に弱い。→回路設計上の工夫や各種保護回路との併用。
殆どの半導体素子は、単結晶シリコンを使用するが、他に利用される材料としてゲルマニウム、ガリウム砒素 (GaAs)、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム (GaN)、炭化珪素 (SiC)、等がある。
半導体材料の伝導性は、結晶構造中の自由電子の過不足を生む不純物に依存する。通常多数キャリア(majority carrier)(N型半導体では電子、P型半導体では正孔)を通じて担われる。