動詞(どうし)とは、品詞の一つで、主に動作や状態を表し、項として主語や目的語などの名詞句をとる語である。時制がある言語では、一般に動詞が時制を示す。
目次
1 動詞の一般的性質
2 動詞の分類
2.1 結合価による分類
2.2 相による分類
2.3 意志による分類
2.4 視点による分類
3 日本語の動詞
3.1 分類
3.2 助動詞
3.3 国文法
3.4 動詞の活用形
3.5 複合動詞
4 英語の動詞
5 朝鮮語の動詞
6 関連書籍
7 関連項目
//
動詞は名詞とならんでほぼ全ての自然言語が持つとされる基本的な品詞である。「走る」「消える」のように動作や変化を表すほか、「ある」「違う」「匹敵する」のように静的な状態を表すものも含まれる。
通常、動詞は主語、目的語などの項を伴って文を形成する。多くの言語で動詞は態(ヴォイス)、相(アスペクト)、時制(テンス)などによって形態が変化する。また、主語の性・数・人称などとの一致現象を見せる言語も多い。
多くの言語で辞書形の語尾が決まっており、日本語ではウ段の文字で終わる。英語や中国語のように語尾が決まっていない言語は少ない。
結合価による分類
動詞はそれがとる項の数によって分類される。
自動詞: 主語のみをとる動詞。日本語では「立つ」「落ちる」など。
他動詞: 主語および目的語をとる動詞。「読む」「壊す」など。
二重他動詞: 主語、直接目的語、間接目的語の3つをとる動詞。「渡す」「入れる」など。
このほか項をまったく取らない動詞(たとえば「雨が降る」を意味するイタリア語の piove やスペイン語の llueve など)や、3 つ以上の項をとる動詞も考えられる。
再帰動詞: 本来他動詞または二重他動詞であるが、直接目的語または間接目的語が主語と同じである場合、項が1つ減ることになる(意味的にも自動詞と考えられるものも多い)。再帰代名詞(英語の -self)を動詞につけた形で、ロマンス語で特によく用いられる。
能格動詞: 他動詞と、他動詞の場合の目的語=内項を主語に据えた自動詞(他動詞の場合の主語=外項を消した表現)のいずれにも、同じ形のまま使える動詞。日本語の「開く」、英語の open など。
動詞の相(アスペクト)の特性から動詞を分類することができる。動作の持続する時間に基づいた継続動詞/瞬間動詞、ある状態への変化を意味するかどうかに基づいた目標動詞/非目標動詞などいくつかの観点からの分類が可能である。ヴェンドラーによる次の4分類がよく知られている。
状態動詞 (state): 原形のまま状態を表し、進行形をとらない。like,live,haveなど。
活動動詞 (action): 進行形で動作の継続を表し、着点や結果や動作の限界点をもたない。runなど。
到達動詞 (achievement): ある状態が実現される瞬間的な出来事を表す。動作の過程は表さない。arriveなど。
達成動詞 (accomplishment): 継続的な動作の結果、ある状態を実現することを表す。makeなど。
日本語に関しては、同様の視点による金田一春彦の4分類(状態動詞、継続動詞、瞬間動詞、第四種の動詞)がある。金田一とヴェンドラーの違いは、ヴェンドラーが進行形(V-ing)に基づいて分類しているのに対して、金田一は動詞を「〜ている」に基づいて分類している点である。なお、金田一の分類はヴェンドラーに先駆けて提案されており、また、ヴェンドラーと同様の分類はアリストテレスが行っているという。
意志による分類
意志動詞 (volitional verb) - 人間などの意志による動作を表す動詞。希望・可能・命令・禁止などの形をとれる。
無意志動詞 (non-volitional verb) - 意志によらない動作などを表す動詞。希望・可能・命令・禁止などの形態をもたない。
視点による分類
主体動作動詞 - 主体の動作をとらえている動詞。書く・食べる…など。自動詞も他動詞もある。「いる」をつけると動作の進行を表す。
主体変化動詞 - 主体の変化をとらえている動詞。立つ・結婚する・開く・壊れる…など。ほとんどが自動詞である。「いる」をつけると結果の持続を表す。
主体動作・客体変化動詞 - 主体からは動作を、客体からは変化をとらえている動詞。すべて他動詞である。開ける・壊す…など。能動態と受動態に対立があり、「いる」を能動態につけると動作の進行を表し、受動態につけると、結果の残存を表す。
言語学では、日本語の動詞を形態により 3 種類に分ける。