労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)は厚生労働省の各都道府県労働局の管内に複数設置される出先機関で、都道府県労働局では厚生労働省の内局である労働基準局の指揮監督を主に受けつつ管内の労働基準監督署を指揮監督する。労働基準法に定められた監督行政機関として、労働条件及び労働者の保護に関する監督を行う。略して労基署あるいは監督署と呼ばれる。大阪府泉大津市池浦町1-5-4にある
『 ⇒泉大津労働基準監督署』
写真の労働基準監督署は、泉大津市の他、隣接する和泉市、高石市、泉北郡忠岡町の計3市1町を管轄している。
目次
1 概説
1.1 組織
2 労働基準監督署の序列
3 労働基準監督署内の序列
4 関連項目
5 外部リンク
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名称のとおり最低労働基準の遵守について事業者等を監督することを主たる業務とする機関である。その他、労働災害防止の指導や労働者災害補償保険の給付、労働保険(労働者災害補償保険及び雇用保険の総称である。)の適用及び労働保険料等の徴収、個別労働紛争の調停斡旋、未払賃金の立替払事業に関する認定などを行っている。
労働基準監督署長は労働基準法により、労働基準監督官試験に合格した労働基準監督官が務めることとされている。また例外として、国家公務員II・III種試験に合格して都道府県労働局に採用された、概ね50歳以上の厚生労働事務官・厚生労働技官が労働基準監督官に任命されて(政令監督官という。)、労基署長を務めることも稀にある。
労基署長には、警察署長、税務署長のようにキャリアが就任することはない。その理由は、労基署長は管理者であると共に労基署の筆頭労働基準監督官でもあることから高度の専門的知識と経験が必要であること、組織が少人数であり多忙であるため「お客さん」としてキャリアを配置する余裕がないためである。
各労基署の職員数は相当の差があり、最大の労基署では職員数が100名以上、最少の労基署では職員数が6名である。
署長
次長
全ての方面制署と一部の課制署に置かれる。労働基準監督官が就任する。また一部の大規模署には2人の次長が置かれ(「複数次長制署」という。)、監督・安全衛生・業務担当には労働基準監督官が、労災補償担当には厚生労働事務官が就任する(労働基準監督官の就任も可能である。)。
【方面制署(中〜大規模の労基署)】 第○方面 (○は一から六の漢数字)
労基署の規模によって3〜6人の方面主任監督官(課長級、全員労働基準監督官である)が置かれ、職名は第○方面主任監督官である。各方面主任監督官には部下の副主任監督官・監督係長・役職を持たない労働基準監督官などが配置される。各労働基準監督官は労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの労働基準関係法令を事業場が遵守しているか監督し、法令違反があり是正勧告に応じない、告訴・告発がある、あるいは違反態様が重大・悪質な場合は刑事訴訟法に基づき捜査を行う。それぞれの各方面は課に相当し、各方面主任監督官の格付けは対等ではあるものの、第一方面主任監督官は監督・取締部門である各方面の指導・総合調整を行い、署長、次長に次ぐナンバー3の役職であり、事実上は次席以下の方面主任監督官の上司にあたる。
安全衛生課
労働災害、職業性疾病の防止、クレーン・ボイラーなどの検査を行う。課長は厚生労働技官あるいは労働基準監督官が就任する。中規模署では安全衛生課が置かれないこともあり、その場合は次席の方面主任監督官が安全衛生課長の業務を行う。課長以外に産業安全専門官・労働衛生専門官・放射線管理専門官・係長・主任・係員などが配置される。
業務課
庶務、庁舎管理、賃金構造基本統計調査、会計、労働者災害補償保険の保険金支払を行う。課長は厚生労働事務官が就任する。課長以外に係長・主任・係員が配置される。
労災課(注)
労働者災害補償保険の給付事務、労働保険料の徴収を行う。課長は厚生労働事務官が就任する。課長以外に労災保険給付調査官・労働保険適用指導官・係長・主任・係員などが配置される。また常勤職員以外にも多数の非常勤職員・臨時職員が配置されており、労基署の各方面・課の中では最も人数が多い。(注)複数次長制署では「労災第一課」、「労災第二課」の2つの課に分かれている。
各方面・課の業務は分かれているが、各方面と安全衛生課は密に連携をとりながら業務を行う。
【課制署(小〜中規模の労基署)】
課制署は2あるいは3の課が置かれている。
3の課が置かれている労基署は
第一課
方面制署の各方面、業務課の所掌事務を行う。課長は労働基準監督官が就任する。ほとんどの3課制署には次長が置かれておらず、第一課長は、署長に次ぐナンバー2の役職である。
第二課
方面制署の安全衛生課の所掌事務を行う。課長は厚生労働技官あるいは労働基準監督官が就任する。
第三課
方面制署の労災課の所掌事務を行う。課長は厚生労働事務官が就任する。
2の課が置かれている労基署は
第一課
方面制署の各方面、安全衛生課(注)、業務課の所掌事務を行う。課長は労働基準監督官が就任する。2課制署には次長が置かれておらず、第一課長は、署長に次ぐナンバー2の役職である。
第二課
方面制署の労災課の所掌事務を行う。課長は厚生労働事務官あるいは厚生労働技官が就任する。
(注)各都道府県労働局によっては、第二課が方面制署の安全衛生課の所掌事務を行う労基署も存在する。
年々、厚生労働事務官・厚生労働技官は減員され、労働基準監督官だけは着実に増員されている状況である。しかし労基署の現場では増員されたはずの労働基準監督官が監督・取締部門の増員にあてられることはほとんどなく、主として事務部門の減員の補充にあてられているのが現状である。
労基署には、労働基準監督官、厚生労働事務官、厚生労働技官の3つの官名の職員が混在して配置され、これを三官制度と称している。労働基準監督官は労働基準監督官のまま厚生労働事務官及び厚生労働技官の職務を行うことは可能であるが、厚生労働事務官または厚生労働技官が転官せずに労働基準監督官たる職務を行うことはできない。
労働基準監督官は、国家公務員II・III種試験より上位に位置づけられている労働基準監督官試験を合格し、特別司法警察職員たる身分である。最終的に労基署長に就任することはほぼ約束されている。また昇進・昇任も厚生労働事務官・厚生労働技官に比べて相当早く、最短では29歳で労基署主任監督官・課長に就任する。局総務課の総務・人事係長、局企画室の企画係長、局監督課の監督係長の経験者は将来を嘱望されている労働基準監督官のエース的存在であり、その後局監察監督官や労基署長などのポストを務め、最終的には筆頭署長へ昇進していく。労基署内で厚生労働事務官・厚生労働技官と同一業務に就くことは少なく、検察官と検察事務官のような主従関係にあるわけではない。しかしながら労働基準監督官と厚生労働事務官・厚生労働技官はその処遇が明らかに異なるので、本音の部分では互いに距離を置いた関係のようである。[要出典]また、上意下達の職場風土はなく部内では「独任官」とも称されているように、捜査を含めて業務は基本的に単独で行い上司からの命令を受けることは少ない。