毒物及び劇物取締法
通称・略称毒劇法
法令番号昭和25年法律第303号
効力現行法
種類社会法(公衆衛生法)
主な内容毒物及び劇物の取扱規制など
関連法令ダイオキシン類対策特別措置法、化学物質審査規制法、労働安全衛生法、薬事法、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法、大麻取締法、あへん法、刑法など
条文リンク ⇒総務省・法令データ提供システム
表・話・編・歴
毒物及び劇物取締法(どくぶつおよびげきぶつとりしまりほう;昭和25年12月28日法律第303号、最近改正:平成13年6月29日)は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的とする法律である。
毒物及び劇物は、法律で指定されているもの及び薬事・食品衛生審議会の答申を基に政令で指定されているものがある。毒物及び劇物に指定されると、製造、輸入、販売、取扱等が厳しく規制される。また、毒物及び劇物を販売する場合には、化学物質安全性データシート(MSDS)の添付が義務付けられている。
なお、一般的な毒の概念は記事 毒に詳しい。
目次
1 分類
2 表示方法
3 判定基準
4 資格
5 主務官庁
6 関連項目
7 外部リンク
8 主要な関連法令等
9 参考文献
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分類は厚生労働省の諮問委員会で決定されるが、判定基準によりを参考に決定される。 以下に目安を示すが、化学物質ごとに個別判断されるのでこの範囲に適合しないものもある。
毒物
判定基準を大人で換算すると、たとえば誤飲した場合の致死量が、2g程度以下のもの。〈個別には日本の毒物一覧に詳しい〉
劇物
判定基準を大人で換算すると、たとえば誤飲した場合の致死量が、2?20g程度のもの。あるいは刺激性が著しく大きいもの。〈個別には日本の劇物一覧に詳しい〉
特定毒物
毒物のうちで極めて毒性が強く、且つ広く一般に使用されるもの〈個別には日本の特定毒物一覧に詳しい〉
普通物
上記に該当しないもの
ただし、医薬品及び医薬部外品は、毒物や劇物に分類されている物質であっても毒物及び劇物には含まない(毒物及び劇物取締法 第二条)。また混同されやすいが『薬事法における毒薬、劇薬』と『毒物及び劇物取締法における毒物、 劇物』は全く異なる分類である。すなわち、毒薬や劇薬は医薬品として承認されていることが前提となっている。
毒物または劇物の容器及び被包には、以下の項目の表示が義務付けられている
「毒物」又は「劇物」である旨を定められた通りに表示
毒物 「医薬用外」の文字と、赤地に白文字で「毒物」の文字
劇物 「医薬用外」の文字と、白地に赤文字で「劇物」の文字
毒物又は劇物の名称
毒物又は劇物の成分及びその含量
厚生労働省令で定める毒物又は劇物については、同省令で定める解毒剤の名称
毒物又は劇物の取扱い及び使用上特に必要と認めて、厚生労働省令で定める事項
公開されている ⇒判定基準(NIHS Homepage内)の要約を次に示す。 毒物及び劇物の判定は次に示す動物またはヒトにおける知見(急性毒性、刺激性)に基づき、当該物質の物性、化学製品としての特質等も勘案する。
経路毒物基準劇物基準
経口LD50が50mg/kg以下LD50が50mg/kgを超え300mg/Kg以下
経皮LD50が200mg/Kg以下LD50が200mg/Kgを超え1000mg/Kg以下
吸入(ガス)LC50が500ppm(4hr)以下LC50が500ppm(4hr)を超え2,500ppm(4hr)以下
吸入(蒸気)LC50が2.0mg/L(4hr)以下LC50が2.0mg/L(4hr)を超え10mg/L(4hr)以下
吸入(ダスト・ミスト)LC50が0.5mg/L(4hr)以下LC50が0.5mg/L(4hr)を超え1.0mg/L(4hr)以下
皮膚・粘膜刺激性硫酸、水酸化ナトリウム、フェノールなどと同等の刺激性を有する
(注:原則として、毒物基準を1つ以上満たす場合は毒物、毒物基準は該当せず劇物基準を1つ以上満たすものは劇物とする。)
また、(特定毒物は除いて)政令で指定されている場合、毒物あるいは劇物を希釈した製品(例えば殺虫剤)が当該政令でそれぞれ指定した濃度基準以下の場合については、毒物から劇物、あるいは無指定へと除外される場合もある。
あるいは、例外的に実際の毒物・劇物の基準を満たさなくとも、これらに指定される場合がある。シンナーなど有機溶剤に用いられていたトルエンやキシレンは比較的毒性が低いため汎用されていたが、いわゆる「シンナー遊び」の横行が社会問題となったため劇物に指定された。またアジ化ナトリウムの毒性は低く、従来は劇物にも指定されていなかったが、飲食物への混入事件を契機として毒物に指定され、より厳しい管理下におかれることになった。これらは、社会的影響の大きさから下された判断であると考えられている。
逆に、社会的影響の小ささから指定されていないものも多く存在する。金属セシウムは非常に反応性が大きく、空気や水との反応で発火・爆発を起こしやすいが、より反応性が低い金属ナトリウム・カリウム、およびナトリウム・カリウム合金などが指定されているのにも関わらず、取締りの対象となっていない。