前田 雅英(まえだ まさひで、1949年7月23日 - )は、日本の法学者。専門は刑事法。首都大学東京教授。東京都目黒区出身。
目次
1 人物
2 学説
3 社会的活動
4 略歴
4.1 学歴
4.2 職歴
4.3 学外における役職
5 著書・編著
6 脚注
7 門下生
8 関連項目
9 外部リンク
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司法試験委員を長年務め、東京大学出版会から出版された著書 『刑法総論講義』と『刑法各論講義』は、実務家を始め司法試験受験生や大学生に至るまで広く用いられている。
助教授時代の論文である後掲『可罰的違法性論の研究』が出世作であり、1400件あまりの裁判例を詳細に検討した上で、佐伯千仭によって提唱され、藤木英雄によって発展させられた可罰的違法性の概念は曖昧であると批判し、次のように理論構成することによって不要になると主張した。前田は、結果無価値論の立場から、法益侵害が軽微であるがゆえに犯罪が成立しない場合を絶対的軽微型とし、他の法益との比較衡量によって犯罪の成立が否定される場合を相対的軽微型して二つの類型に分けた。そして、前者においては、従来形式的に判断されるものとされていた構成要件を実質的に縮小解釈し、「処罰に値する程度の結果」が発生していないとして端的に構成要件該当性を否定し、後者においては、従来可罰的違法性論によって超法規的違法性阻却事由とされてきた理論構成を否定し、端的に刑法35条によって違法性を阻却するとすれば足りるとした。
前田説は理論上は可罰的違法性論不要説であるが、その採用する判断枠組みの実質は可罰的違法性論そのものである。かかる見地から、前田は藤木と同様に実質的犯罪論者とされていたが、後に藤木が提唱した社会相当性という枠組みを超えて、国民の規範意識に基づく政策的判断と結論の具体的妥当性を重視する独自の「実質的犯罪論」を展開することになる[1]。
その刑法学説の基本的な立場は、師である平野龍一と同じく結果無価値論に立つが[2]、国民の規範意識と結論の具体的妥当性を重視する実質的犯罪論から理論を修正して、未遂犯と不能犯の区別において客観説をとりつつその判断時を行為時とするなど、行為無価値論に近い結論に至ることが多い[3]。
東京都青少年健全育成審議会委員や警察庁バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会座長を務めた。刑事政策における犯罪抑止という観点から社会的な規範意識、また規範意識を醸成するための教育や躾の重要性を唱えており、その根拠となるのは戦後日本の犯罪統計を中心とする社会統計の分析であり、たとえば少年犯罪について深刻化(増加・凶悪化)しているとの認識を持ち、厳罰化を主張している[4]。だが、その手法と解釈については評価が分かれており、特に統計の分析について不正確な点があるという批判が多い[5]。
以上のように、刑法学あるいは刑事政策としての前田説において、重要な位置を占めている概念が規範意識である。ただし、前田の主張によると、規範意識の内容は絶対不変のものではなく、時代や社会状況によって変化しうるとされており、その細則は定められていない。それよりも、前田説で重要視されているのは規範意識の強弱であり、規範意識が弱くなった社会状況においては、個人が必ずしも自由な選択権を有しているとは限らず、かえって不安定な精神状況に陥ることによって、犯罪行為にはしりやすくなる危険性を憂慮している点に特徴がある[要出典]。
学歴
1968年3月 東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業
1972年3月 東京大学法学部卒業
職歴
1972年4月 東京大学法学部助手(指導教授平野龍一)
1975年9月 東京都立大学法学部助教授
1988年7月 東京都立大学法学部教授
2003年4月 東京都立大学法学部長・大学院社会科学研究科長
2005年4月 首都大学東京都市教養学部長・大学院社会科学研究科長
学外における役職
日本刑法学会理事
司法試験考査委員(2001年まで)
警察大学校特別捜査幹部研修所講師
警察庁政策評価研究会委員長
警察庁総合セキュリティ対策会議委員長
警察庁「少年非行防止法制の在り方に関する研究会」座長
内閣官房情報セキュリティ専門調査会委員
カード犯罪総合対策検討委員会委員長
最高裁判所一般規則制定諮問委員
法と精神医療学会理事
法務省政策評価委員
出入国管理政策懇談会委員
東京都治安対策専門家会議委員
財団法人警察育英会理事