『刑事コロンボ』(けいじコロンボ、原題:Columbo)アメリカで製作・放映された、ロスアンゼルス市警察殺人課のコロンボ警部補(日本語吹き替え版では警部)を主人公としたミステリテレビドラマである。
目次
1 概要
2 作品の特徴
3 コロンボのキャラクター
3.1 コロンボのコート
4 コロンボの名前(ファースト・ネーム)
5 その他
6 主要登場人物
7 サブタイトル&ゲストスター&スタッフ一覧
7.1 旧シリーズ(1971年から1978年まで) 2+43話
7.2 新シリーズ(1989年から2003年まで)
8 小説版
8.1 小説のみの作品
9 エミー賞受賞歴
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
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この警部補が登場する作品は、1968年から1978年まで45本がNBC放送で放送され(日本語版タイトル『刑事コロンボ』)、その後1989年から2003年まで24作品がABC放送にて放送された(日本語版タイトル『新刑事コロンボ』)。
製作はユニヴァーサル映画。主演のピーター・フォークにとって初めての本格的な刑事ドラマ。原作・原案はウィリアム・リンクとリチャード・レビンソン。
独特のテンポで進むストーリーで、知的な犯人が完全犯罪を目論むも、一見愚鈍で無害そうなコロンボ警部にアリバイを突き崩され、自ら破滅の道を転落する必罰的展開ながら、静かに・かつ確実に追い詰められて行く犯人の内面の葛藤や焦りといった激しい感情や、コロンボのユーモラスな台詞回しなど、そのいずれもが味わいのある一話完結の人間ドラマとなっている。
テレビミステリーには珍しく、まず最初に完全犯罪を企む犯人の周到な犯行を視聴者に見せた後、コロンボ警部が犯人の見落とした僅かな手がかりを元に犯行を突き止める構成となっている(一部例外作品もある)。ミステリー小説では倒叙物と呼ばれる形式である。視聴者はあらかじめ真犯人を知っているので、視聴者の興味は「犯人と視聴者は一体何を見落としていたのか」や「コロンボがどうやって犯人を追い詰めて尻尾をつかむか」に向けられる。この手法は日本の人気テレビドラマ『古畑任三郎シリーズ』でも使われた。テレビでは小説と異なり、犯人役は当然大物俳優が演じることになるので、「犯人が最後まで誰だかわからない」というストーリーは作りにくい。だが、この手法を取り入れることにより毎回犯人役に大物俳優を起用することができるので実にテレビ向きの演出といえるだろう。
しばしば視聴率重視のために短い時間で様々な要素が盛り込まれがちなテレビドラマでありながら、暴力や性的描写が(旧作においては)一切無く、ドラマは犯人とコロンボの間の心理的な駆け引きを中心に進められる。また、犯人は医者や弁護士、会社重役など地位や名声のある社会的成功者で知的な人物であることが多い。これら特権階級(エスタブリッシュメント)の世界をうかがわせること、そしてそれらの人々が作り上げた完全犯罪を覆していくことにこの作品の良さがあるといえよう。原案者のウィリアム・リンクとリチャード・レビンソンは、コロンボとのキャラクターの対比を鮮明にするため犯人を特権階級に設定したと語っている。
主人公であるコロンボはよれよれのレインコートと安葉巻がトレードマークで、さえない風貌という出で立ちで登場する。殺人課というおおよそ非日常的な事件を扱う部署にあって、極めて凡庸な人物として振る舞い、何かにつけて「ウチのカミさんが…」と妻の話を始めてしまうなど、事件の捜査に来ているのか雑談をしに来ているのかすら判らない。忘れ物が多く、同じ事を何度も聞き返すため、ときに周囲の人間を辟易とさせる。知的で社会的地位もある犯人の前では、自ら愚鈍だとへりくだる。
しかし油断をしていると突然に鋭い質問を投げかけ、犯人の証言や状況証拠の矛盾を突き、心理的な揺さぶりをかける。特に長話をしていて、帰りしなに思い出したように投げ掛ける何気ないことを装った質問は、事件の核心に大きく切り込む。
コロンボの捜査手法は、最初の作品である『殺人処方箋』においてすでに犯人の精神科医から指摘されているように、シリーズ当初からほぼ完成している。しかし外見はそうではなく、実は当初コロンボ警部は舞台用に作られた演劇『殺人処方箋』に登場する脇役に過ぎず、舞台版ではレインコートではなくトレンチコートを着た男性であった。コロンボを主人公とするパイロットフィルムとしてテレビ化された段階でもコロンボの髪はきっちり整髪されており、よれよれのレインコートを着ているわけでもなかった。よれよれの背広とレインコートは作品が継続して作られた中でピーター・フォークが作り上げたスタイルであり、レインコートと背広も彼の私物である。
コロンボのシンボルともいえる「レインコート」だが、乾燥しており、降雨が少ないロサンゼルスではレインコートはほとんど普及しておらず、砂よけのダスターコートが一般的である。しかし、ピーター・フォークは「 コロンボに強烈な個性と独特なキャラクターをもたせたかった。そこで、 (雨の少ない) カリフォルニアでレインコートを着せることにした 」(『隔週刊 刑事コロンボDVDコレクション』ディアゴスティーニ・ジャパン刊)として、コロンボを着るものに頓着しない個性的なキャラクターとして造形した。