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走査型電子顕微鏡(SEM)による画像。Tリンパ球(右)、血小板(中央)、赤血球(左)フレデリック国立癌研究所癌細胞を認識するマクロファージ。 癌細胞と融合し、細胞を殺す毒素を注入する。左下?中央の仮足を持つ不定形の細胞が癌細胞、それに付着する凸凹の球状細胞がマクロファージ。
免疫系(Immune system)は、病原性の生物による感染を防ぐ生体の機構である。細胞・臓器・組織の各レベルから成る複雑な系で、それらが精緻で動的な相互の連携を保っている。免疫系は簡単に言えば探知と順応の連鎖であり、系全体として非常に効果的に機能するものとなっている。
目次
1 概要
2 生体表面での防御
3 先天性免疫
3.1 液性・化学バリア
3.1.1 炎症
3.1.2 補体系
3.2 先天系の細胞バリア
4 特異・適応免疫
4.1 リンパ球
4.1.1 細胞傷害性T細胞
4.1.2 ヘルパーT細胞
4.1.3 γδ T細胞
4.1.4 Bリンパ球と抗体産生
4.1.5 その他の適応免疫系
5 免疫記憶
5.1 受動記憶
5.2 能動記憶
5.2.1 免疫付与
6 ヒト免疫系異常
6.1 免疫不全症
6.2 自己免疫
6.3 過敏症
7 免疫応答操作
8 関連項目
8.1 他のホスト防御機序
9 参考文献
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免疫系は先天性免疫(自然免疫、基本免疫)と後天性免疫(獲得免疫、適応免疫)とに大別される。先天性免疫系は、細菌やウイルスの侵入を阻む障壁を作り維持する事によって、生体を感染から守る。病原体がこの障壁を突破して体内に侵入した場合に備え、先天性免疫系はそれを感知・排除する特別な細胞を持っている。これにより、病原体が体内で増殖して宿主に深刻な害を及ぼす前に対処する事ができる。
病原体が先天性免疫の追捕を逃れると、生体は後天性免疫による防御を行う。後天性免疫系は病原体を認識して攻撃するが、この機構は同一(あるいは非常に似通った)の病原体に遭遇する度に強化される仕組みになっている。
免疫系の特徴項目先天性免疫系後天性免疫系
病原体と抗体の反応非特異的特異的
応答時間短い長い(病原体に適応するための遅延)
反応成分細胞性・体液性細胞性・体液性
細胞の名称白血球リンパ球
免疫記憶なしあり
病原体に曝露された生体は、幾つかの障壁によって感染から守られる。機械的、化学的、生物学的な障壁である。
皮膚は機械的な障壁であり、多くの場合、感染に対する防御の第一線を担う。皮膚は上皮、外層、真皮から構成され、ほとんどの感染因子を物理的に遮断する。また気管においては、咳やくしゃみの上昇気流によって繊毛が動き、生物やその他の刺激物を気道から排除している。唾液や涙、尿なども病原体の機械的な排除に寄与する。また、呼吸器や消化器から分泌される粘液は、微生物などをここで捕捉する事により、病原体が生体の奥深くに侵入する事を防いでいる。