特殊相対性理論(とくしゅそうたいせいりろん、ドイツ語: Spezielle Relativitatstheorie)は、アルベルト・アインシュタインが1905年に発表した物理学の理論である。光速度不変の原理(こうそくどふへんのげんり)と相対性を仮定した場合の物体の運動を記述する。ニュートン力学で仮定されていなかった光速度不変の原理を導入する妥当性については本節で述べる。特殊相対論または特殊相対性原理とも呼ばれる。
この理論を提唱した最初の論文は ⇒Zur Elektrodynamik bewegter Korper (動いている物体の電気力学)で、1905年にドイツの学術誌・Annalen der Physik 第17巻 pp.891?921 に掲載された。特殊相対性理論自体は、これを含めた数編の論文からなる。この理論を「特殊」と呼ぶのは、相対性理論で慣性系にのみ言及していることによる。また、発表から10年後にアインシュタインは、一般座標系を含む理論である「一般相対性理論」を発表した。
目次
1 量子力学と特殊相対性理論の関係
2 特殊相対性理論の誕生
2.1 ガリレオ変換とローレンツ変換の矛盾
2.2 相対性原理の導入
3 特殊相対性理論から導かれる帰結
3.1 相対性と光速度の不変
3.2 ローレンツ変換
3.2.1 同時刻の相対性
3.2.2 時間の遅れ
3.2.3 ローレンツ収縮
3.2.4 速度の合成
3.2.5 光円錐と固有時
3.3 相対論的物理学
3.3.1 相対論的運動方程式
3.3.2 相対論的エネルギー
3.3.3 相対論的流束
3.3.4 相対論的電磁気学
3.3.5 エネルギー・運動量テンソル
3.3.6 相対論的波動
3.3.7 相対論的解析力学
3.3.8 相対論的質量
3.4 相対論における「光速」
4 特殊相対性理論の幾何
5 特殊相対論の実験的検証
6 一般相対性理論へ
7 関連項目
8 参考文献
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量子力学や相対性理論の登場する以前の物理学は、ニュートン力学によって物体の運動が、また、マクスウェルの方程式によって電磁波の振る舞いが記述されていた。
量子力学が発展する過程で1905年にアルバート・アインシュタインは、電磁波に粒子としての性質があることを仮定しなければ光電効果などの物理現象を説明できないことを見出した(光量子仮説)。この光量子仮説は、アーサー・コンプトンが電子によるX線の散乱にコンプトン効果を見出したなど複数の有力な証拠により支持された。