光学顕微鏡
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研究・実習用光学顕微鏡の例 1:接眼レンズ、2:レボルバ、3:対物レンズ、4:粗動ハンドル、5:微動ハンドル、6:ステージ、7:鏡、8:コンデンサ、9:プレパラート微動装置1900年代初頭に用いられていた顕微鏡の模式図 1:接眼レンズ、2:レボルバ、3:対物レンズ、4:粗動ハンドル、5:微動ハンドル、6:ステージ、7:鏡、8:絞り双眼実体顕微鏡
(ズーム機構・写真撮影対応鏡筒つき)

光学顕微鏡(こうがくけんびきょう)は、可視光線および近傍の波長域の光を利用する、顕微鏡の一種。単に顕微鏡と言う場合、これを指す。
目次

1 概要

2 基本構成

3 可視光線の利点と制約

4 光学顕微鏡の種類

4.1 (普通の)顕微鏡

4.2 位相差顕微鏡

4.3 微分干渉顕微鏡

4.4 偏光顕微鏡

4.5 蛍光顕微鏡

4.6 共焦点レーザー顕微鏡

4.7 全反射照明蛍光顕微鏡

4.8 ラマン光顕微鏡


5 光学顕微鏡の使用方法

6 関連項目

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概要

光学顕微鏡は、ふつう試料にを照射して、透過光や反射光あるいは蛍光など試料が発する光をレンズによって結像させて観察する。観察可能な倍率は一般に数十倍?数百倍、最高で2千倍程度。

顕微鏡技術のことを顕微鏡法( ⇒microscopy)、検鏡法という。また、試料を顕微鏡で観察できる状態にしたものをプレパラートと呼び、通常はスライドグラスに貼り付けた試料を適当な屈折率の封入剤とともにカバーグラスの下に封じたものを用いる。

顕微鏡の中では最初に開発されたものであり、単一のレンズによる観察法の拡張として開発された。1群のレンズのみで構成された顕微鏡を単式顕微鏡(Simple optical microscope)、2群以上のレンズで構成された顕微鏡を複式顕微鏡(Compound optical microscope)と呼ぶ。前者ではオランダのレーウェンフックが自作の顕微鏡で様々な生物学的発見をしたことで知られる。以下では主として後者の複式顕微鏡について述べる。


基本構成
鏡台・鏡柱(ベース・アーム) 
顕微鏡の骨格であり、各要素を正確な位置に支える。
照明装置 
観察のための光を供給する。ランプや反射鏡、コンデンサなど。
ステージ 
プレパラートを固定する。
対物レンズ 
プレパラートに面するレンズで、中間実像を結ぶ。
レボルバ 
対物レンズを複数取り付けてあり、これを回転させることで使用する対物レンズを切り替える。
鏡筒 
対物レンズと接眼レンズとの正確な位置決めを行い光路を確保する。
接眼レンズ 
対物レンズが結んだ中間実像を拡大し観察できるようにする。
焦準装置 
プレパラートと対物レンズとの距離を変化させピントを合わせる。

顕微鏡の光学系は17世紀に発明されて以来長らく経験と試行錯誤に基づき設計制作されてきたが、19世紀後半に至りカール・ツァイス社のエルンスト・アッベによって理論的基礎が確立された。当時カール・ツァイス社で製作された顕微鏡のスタイルはひとつの標準となり、世界中のメーカーがそれに倣った顕微鏡を製作したほか、その基本的なデザインは21世紀に至っても学習用顕微鏡などに受け継がれている。

俗にカール・ツァイス型とも呼ばれる同社で20世紀初頭に製作していたタイプの顕微鏡では、対物レンズと接眼レンズが鏡筒の上下に一直線に配置されている。観察しやすくするために光学系全体を傾けられるようになっているが、試料を液体で封じた一時プレパラートなどでは傾けることができない場合もある。

現在ではプリズムを用いて光路を屈曲させ、対物レンズは垂直(プレパラートは水平)を保ちつつ接眼レンズは斜めとして観察しやすくしたものが一般的。観察者のさらなる負担軽減のため、対物レンズから入った光をプリズムで分割して左右の接眼レンズに振り分けるタイプが多い。このような顕微鏡は双眼顕微鏡(binocular microscope)と呼ばれることもあるが、業務用途ではむしろ単眼の方が特殊である。撮影装置用の鏡筒をもつ三眼式のものもあり、撮影時には光路を撮影装置側に切り替える。

焦準装置(ピント合わせ機構)は、かつては鏡柱とそこに固定されたステージに対して鏡筒を上下させる構造であったが、屈曲光学系の採用に伴い、鏡筒の方を鏡柱と一体化してステージおよびコンデンサを上下させる構造が一般化した。この構造は光学的付加部品や撮影装置などの取り付けに有利である。

上記の基本構成は有限遠補正光学系と呼ばれ、対物レンズと接眼レンズとの距離が固定されるなど設計の自由度が低く、また光路上に落射照明(後述)のためのハーフミラーなどを挿入すると像に悪影響が出た。これに対し1990年代から普及してきた無限遠補正光学系においては、対物レンズは中間像を結ばず平行光線を射出し、鏡筒内の結像レンズ(チューブレンズ)で中間像を結ぶ。平行光線となっている部分の長さは自由に変更でき、またハーフミラーなどを挿入してもゴーストや収差が発生することがない。なお、有限系と無限系の対物レンズはその機能が全く異なるため、互換性はない。


可視光線の利点と制約

光学顕微鏡は、観察したい物体のの透過率など、物体が光に及ぼすさまざまな効果を利用するものである。可視光線を使う利点は、他の電磁波よりも簡素な光源を用いる事ができる点、そして元々可視的である為に、観察者の眼に届く前に可視光へ変換する必要が無く、色の情報が直接得られる点である。

しかし一方で、光学顕微鏡の性能は光の物理的性質の制約を受ける。例えば、光学顕微鏡における分解能の限界は可視光線の波長に因る部分が大きい。このような制約から逃れる為に、より短波長域のX線の透過や反射を利用したX線顕微鏡や、電子線の加速電圧によって分解能が制御できる電子顕微鏡が開発された。また、トンネル効果を用いたトンネル顕微鏡や原子間力を用いた原子間力顕微鏡など、表面物理学を応用した顕微鏡も実用化されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki