元帥(げんすい)は、アメリカ軍において軍人に与えられる最高位の階級である。
アメリカ軍には元帥そのものに相当する語はなく、階級名称に大将より上位であることを表す修飾語句を付け加え、階級章を変更することで元帥位にあることを表す。但し2008年現在、アメリカで元帥に叙されている現役将軍は居ない。
目次
1 種類
2 四つ星元帥
3 五つ星元帥
4 六つ星元帥
4.1 陸軍大元帥
4.1.1 ジョン・パーシング
4.1.2 ダグラス・マッカーサー(見送り)
4.1.3 ジョージ・ワシントン
4.2 海軍大元帥
4.2.1 ジョージ・デューイ
4.3 海軍旗旒提督
4.3.1 チェスター・ニミッツ(見送り)
//
アメリカ軍の元帥というと、一般には1944年に導入された General of the Army(陸軍元帥)および Fleet Admiral(海軍元帥)を指すことが多いが、歴史上この他にもいくつか「元帥」と訳される階級が存在した。アメリカ軍における元帥には次のものがある。
1866年:陸軍元帥* (General of the Army of the United States)
1899年:海軍大元帥* (Admiral of the Navy)
1919年:陸軍大元帥* (General of the Armies of the United States)
1944年:陸軍元帥 (General of the Army)
1944年:海軍元帥 (Fleet Admiral)
1949年:空軍元帥 (General of the Air Force)
* ただし定訳ではない。
アメリカ軍最初の「Lieutenant General(中将)」だったジョージ・ワシントンが1799年に死去したのち、合衆国政府は平時における軍の最高位を「Major General(少将)」と定めることとした。その後、米墨戦争で活躍したウィンフィールド・スコット陸軍少将が1855年に中将に任ぜられるまで、軍人の最高位は少将にとどまった。1861年にスコット中将が退役したのち、1864年3月2日にはユリシーズ・グラント陸軍少将が3人目の中将に昇進した。
一方海軍では長らく最高位は「Captain(大佐、直訳は「艦長」)」だったが、1862年7月16日に初めて「Rear Admiral(少将、直訳は「後衛提督」)」の階級が定められ、9名の海軍少将が誕生した。1864年12月21日には南北戦争の英雄デイヴィッド・ファラガット少将が最初の「Vice Admiral(中将、直訳は「副提督」)となり、さらに1866年7月25日には最初の「Admiral(大将、直訳は「提督」)」に任ぜられた。1870年のファラガットの死にともない、デイヴィッド・ポーター海軍中将が大将に、スティーヴン・ロウマン海軍少将が中将にそれぞれ昇進したが、それ以降は1899年にジョージ・デューイ少将が海軍元帥となったのを唯一の例外として(これについては後述)、1915年まで海軍軍人の最高位は少将にとどまった。1915年には、大西洋艦隊・太平洋艦隊・アジア方面艦隊の司令官をそれぞれ大将もしくは中将に昇進させることが議会で認可されている。
1866年7月25日、合衆国議会はユリシーズ・グラント陸軍中将の南北戦争での功績を讃え、グラントに「General of the Army of the United States(陸軍元帥)」の地位を与えることを議決した。1869年3月4日には、やはり南北戦争の英雄であるウィリアム・シャーマン陸軍中将にも陸軍元帥の地位が与えられた。当時の陸軍元帥は、階級というよりは称号としての性格が強く、グラントは階級は中将(三つ星)扱いのまま、特別に四つ星の階級章を帯びた。またシャーマンは、二つ星の中間に合衆国国章をあしらった階級章を帯びることが許された。
1888年6月1日の法令により、陸軍中将の階級はいったん廃止され、陸軍中将は陸軍元帥に吸収されることになった。これにより陸軍総司令官のフィリップ・シェリダン中将が自動的に陸軍元帥となり、同年8月5日にシェリダンが死去した時点で、陸軍軍人の最高位は再び少将となった。