住民訴訟(じゅうみんそしょう)とは、住民が自ら居住する地方公共団体の監査委員に住民監査請求を行った結果、監査の結果自体に不服、又は監査の結果不正・違法な行為があったにもかかわらず必要な措置を講じなかった場合などに裁判所に訴訟を起こすことができるという制度である。行政訴訟であり、そのうちの客観訴訟の1種である民衆訴訟にあたる。
地方自治法は、以下で条数のみ記載する。
目次
1 法的根拠
2 住民訴訟を提起することができる者
3 訴訟条件
4 訴訟により請求できる事項
5 参考
5.1 地方自治法(昭和22年4月17日法律第67号)
5.1.1 住民訴訟
5.1.2 訴訟の提起
6 関連項目
7 外部リンク
8 外部リンク
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地方公共団体の住民であり、かつ法律上の行為能力が認められている限り、個人であると法人であると、成年であると未成年であると、日本人であると外国人であるとを一切問わず、住民訴訟を提起することができる。ただし、訴訟中に住民でなくなったときには訴えは却下されるとする大阪高裁の裁判例がある。
なお、住民訴訟の制度はアメリカの納税者訴訟の制度を模範としているが、日本の住民訴訟制度では、納税者であることを要件とはしていない。
住民訴訟を行う場合は、訴訟を行う前に住民監査請求を行うことが前提である。 すなわち、住民監査請求を行った結果、
監査結果又は勧告
議会、長その他の執行機関又は職員の措置
に不服があるとき、又は
監査委員が監査又は勧告を期間内に行わないとき
議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じないとき
に、裁判所に対し、住民監査請求に係る違法な行為又は怠る行為につき、通知があった日等から30日以内に住民訴訟を起こすことができる( ⇒第242条の2第1項)。
住民監査請求を行わないで直接住民訴訟を起こすことはできないとされる。また、住民訴訟を起こすことができるのは、住民監査請求を行った者とされる。
訴訟により請求できる事項
執行機関又は職員に対する行為の全部又は一部の差止めの請求(242条の2条1項1号)
行政処分たる行為の取消し又は無効確認の請求(242条の2条1項2号)
執行機関又は職員に対する怠る事実の違法確認の請求(242条の2条1項3号)
職員又は行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、職員又は行為若しくは怠る事実に係る相手方が賠償の命令の対象となる者である場合にあっては、賠償の命令をすることを求める請求(242条の2条1項4号)
地方自治法(昭和22年4月17日法律第67号)
なお、一部修正してあるところがある。
⇒第242条の2
1 普通地方公共団体の住民は、住民監査請求|前条第1項の規定による請求]]をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第4項の規定による監査若しくは勧告を同条第5項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。
一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が ⇒第243条の2第3項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合にあつては、当該賠償の命令をすることを求める請求
2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる期間内に提起しなければならない。
一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合は、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から30日以内二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合は、当該措置に係る監査委員の通知があつた日から30日以内三 監査委員が請求をした日から60日を経過しても監査又は勧告を行なわない場合は、当該60日を経過した日から30日以内四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合は、当該勧告に示された期間を経過した日から30日以内
3 前項の期間は、不変期間とする。
4 第1項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。
5 第1項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
6 第1項第1号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。