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代替医療(だいたいいりょう、alternative medicine) とは、「通常医療の代わりに用いられる医療」という意味が込められた用語である。代替医療は「補完医療」「相補医療」とも呼ばれる。米国でも日本でも学会等正式の場では「補完代替医療」( ⇒Complementary and Alternative Medicine:CAM)の名称が使われることが多いようである。通常医療と代替医療の二つを統合した医療は「統合医療」と呼ばれる。
目次
1 代替医療の大分類
2 各国での代替医療
2.1 アメリカ合衆国
2.1.1 利用状況
2.1.2 代替医療の研究と教育体制
2.2 イギリス
2.3 ドイツ
3 日本
3.1 日本での定義の試み
3.2 具体例
3.3 問題点と対応
3.3.1 問題点
3.3.2 対応
4 脚注
5 関連項目
6 参考文献
7 外部リンク
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代替医療を全て分類しきることは困難であるが、以下の4つのタイプに大まかに分類することが可能であろう。
伝統医学伝統中国医学、気功、アーユルヴェーダ(インド医学)、ユナニ医学(イスラム医学)等、数百年以上の長きに渡り、それぞれの国で多くの伝統医師により研究・継承されてきた歴史・伝統があって、奥深さや広がりを伴った体系を持っており、各国の国民の健康を長らく支えてきた実績のあるもの。近代以降、“西洋医学”が前面に出てくるまでは、むしろこちらが主流であったもの。
民間療法国家的な広がりまではなく、小集団によるもの。歴史があるものも、最近登場したものもある。アメリカで発祥したカイロプラクティック、オステオパシーなど。
栄養にまつわる療法食餌療法の延長として、効果を期待するもの。特定の食事、食事法のこともあれば、食事成分のこともある。食事成分の場合、完全に同一成分の錠剤を摂取しても保険制度を利用すれば通常医療という位置づけになる。
最先端治療法西洋医学の医師によって研究され、一部では用いられた例はあったとしても、まだ大半の医師からは標準的な治療としては認知されていないもの。
欧米の先進国において代替医療の利用頻度が急速に増加している[1]。1990年代以降に代替医療への関心が高まっており、さらに代替医療の科学的研究に大きく予算が配分され政策として実行されてきた。
1993年、デービッド・アイゼンバーグ博士(ハーバード大学代替医学研究センター所長)は、アメリカ合衆国国民の代替医療の利用状況についての調査報告を発表した。この調査は、この研究センターが研究している16種類の代替医療に関してのみを調査対象にしていた。にもかかわらず、利用状況は医師らの予想をはるかに超えていた。
1990年時点で、これら16種類の代替医療を受けたアメリカ国民は、全国民の34%に達していた。代替医療の機関(治療院、ルーム等)への外来回数はのべ4億2700万回に達していた。この数は、かかりつけ開業医への外来3億3800万回を超えるものだった。当時は保険会社はまだ非西洋医療に保険を適用していなかったので、代替医療の利用者は自分で費用を負担してでも進んで代替医療を利用しようとしていることがわかる。
1997年の調査では、代替医療への外来回数は6億2900万回になり、90年の調査時のおよそ1.5倍に増加した。
調査前、医師の大半は、「代替医療の利用者は教養のない人たちだろう」と想像していた。ところが調査の結果判明したことは、その反対で、代替医療は大学以上の教育を受けた教育水準の高い人たち(アメリカで言えば中〜上級レベルに当たる)に多く支持されているという事実である。アメリカでは(現在の日本とは異なり)健康保険の入る入らないは個人の選択であり自由であるので、これは、高学歴で高収入で健康保険に加入している率が高い層が代替医療を支持している、ということも意味している。
中国医学の針など、最近では迷信と信じられたいくつかの代替医療の効果が医学的に証明されるにいたってその一部が病院での医療に取り込まれだしている。日本、韓国、中国などでは正規の病院で漢方薬が処方される。アメリカでも10を超える州で医学的に効果の証明されたものには保険が適用されている。ただしレイキ、ホメオパシーなど現在でもその効用が実証されていないものは除外されている。
1992年、国民の利用関心を背景としてアメリカ国立衛生研究所(NIH)に、アメリカ国立補完代替医療センター(NCCAM)が設置された。 当初の年間予算は200万ドルであったが、現在では1億ドル以上の予算が割り当てられている[1]。 全米の医科大学・医学ラボ等での代替医療研究を振り分け、政府予算も割り当てられている。2000年には、ホワイトハウスに補完代替医療政策委員会が設置される。代替医療の教育について、全米の医学生が少なくともひとつの代替医療を並行して学べる体制を各医学部が備えていることが望ましいとして、国立衛生研究所では公式に推奨している。そのような代替医療教育体制は全米の医科大学の50%以上で既に実施されている。1998年の段階でも、全米125医学校中75校が非西洋医療の講座・単位を持つようになっていた。医学生の側も80%余りが代替医療を身に着けたいとアンケートに答えている。
ジョージタウン大学は代替医療教育において初めて正規課程(修士課程)を定めた学校であり、国立衛生研究所が目と鼻の先にあることもあり、多くの代替医学研究がされている。