人工降雨
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人工降雨(じんこうこうう、Rainmaking)とは、人工的にを降らす事、また、その雨を言う。降った雨は人工雨(artificial rain)ともいう。を降らせる場合は人工降雪ともいう。
目次

1 人工降雨の種類と概要

2 原理

2.1 雨の生成

2.2 人工降雨の方法


3 目的

4 歴史

5 人工降雨の限界

6 出典

7 関連項目

8 外部リンク

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人工降雨の種類と概要

その性質から見て、人工降雨には大きく分けて2種類ある。

1つは、室内での作物の栽培実験や自然斜面の崩壊実験などのために、人工降雨発生装置などを使用して雨を降らせる場合である。テレビドラマの雨のシーンを撮影する際の人工的な雨もこれにあたる。雨のもととなる水と、雨を広範囲に降らせるための装置が必要となる。

もう1つは、実際の気象に手を加えて、自然な降雨を促すものである。前者が雨が降っているように「見せかけている」のに対し、後者は実際に雨を「降らせている」といえる。降雨を促進する物質の散布や、降雨を促す衝撃波の照射といった作業が必要となる。

この記事では特に注記がない限り、後者について記述する。


原理

人工降雨はアメリカの物理学者・化学者アーヴィング=ラングミューア博士の創案によるもので、1946年に初の実験が行なわれている。


雨の生成

雨は、熱帯地方では例外もあるが、通常は氷点下15℃以下の低温のの中で発生した氷晶が昇華核となって周囲の水蒸気を吸収して雪片となり、雲中を落下して成長しながら、暖候期には途中で溶けて雨粒となって降る。寒候期でも、気温が高いと溶けて雨になる。いずれにしても、雨を降らせるには雲の中に氷の粒を作ってやる必要がある。その氷晶を作るのは空気中に浮かぶ微小な粒子で、主に海の波しぶきで吹き上げられた塩の核であり、他に陸上から生じた砂塵などの粒子もある。それらの周りに、雲の中の水蒸気が昇華と低温の影響で氷となって付き、初めに述べたように成長して雪片となるのである。


人工降雨の方法「雲の種」を巻くための飛行機

雨ができるには以上のように、核になる粒子と低温の雲が必要であるが、ある程度発達した積雲層積雲の上部では温度は0℃以下になっているものの、氷点下15℃くらいになるまでは、過冷却と言ってまだ水滴のままであり、雪片の形成に至らず、雨は降らない。そこへ、強制的に雪片を作るような物質を散布してやれば雨を降らせる可能性ができるわけで、これが人工降雨の考えである。このような方法は、クラウドシーディング(Cloud seeding、雲の種まき)、あるいは単にシーディングとも呼ばれる。

その材料として、ドライアイスヨウ化銀が用いられる。ドライアイスを飛行機から雲に散布する事で温度を下げ、またドライアイスの粒を核として氷晶を発生・成長させる。またヨウ化銀の場合は、その結晶格子が六方晶形と言って氷や雪の結晶によく似ているため、雪片を成長させやすい性質がある。また、ドライアイスの代わりに液体炭酸を用いる手法もある。

散布の方法としては、飛行機を用いる他、ロケットや大砲による打ち上げもある。ヨウ化銀の場合は、地上に設置した発煙炉から煙状にして雲に到達させる方法もある。

ただ、散布する物質が環境に与える影響を懸念する声もある。ヨウ化銀は弱い毒性があり大量に異常摂取すれば悪影響もありうるとされる。


目的

水不足旱魃などの対策が最も一般的で、世界各地で実施されており、日本でも、1964年夏に東京を中心とする関東地方で記録的な水不足が起きた際、水源地付近で実施された事が知られている。他に、大きなイベント当日の好天を狙って事前に雨を降らせたり、エアコンの電力消費を抑えるため、又は黄砂による大気中の砂塵除去のためというものもある。

中国では水不足による雨水確保のために、気象局がヨウ化銀を搭載した小型移動式ロケットを打ち上げて人工降雨を行っている。

北京五輪の数年前より、8月8日に予定されていた開会式で人工降雨が行われるのではないかと言う報道があった。開会式の日は日本の梅雨に相当する比較的雨の多い時期にあたるため、雨雲が北京に流れてくる前に人工的に雨を降らせ、雲を消散させて開会式会場付近の晴天を確保するというもので、中国政府が計画していた。実際に、開会式当日にヨウ化銀を含んだ小型ロケット1104発が市内21カ所から発射された。効果は不明であるが、開会式は晴れだったため、雲の消散に寄与した可能性は否定できない[1]


歴史

日本では、1950年代から70年代にかけて、渇水対策や水資源確保、水力発電用の水確保を目的に、各地で実験が行われた。しかし、発電量に占める水力発電の比率が低下するにつれて研究は下火になっていった。


人工降雨の限界

すでに述べた通り、人工降雨はある程度発達した雨雲がある場合に有効であり、かつ成功するもので、雲の無い所に雨雲を作って雨を降らせるのは不可能である。またその雨量も、本来の雨量を1割程度増加させるくらいで、自由に降水量を制御できるまでには至っていない。


出典^[1]


関連項目

雨乞い

気象制御

ケム・トレイル

北京オリンピックの開会式


外部リンク

渇水対策のための人工降雨・降雪に関する総合的研究 文部科学省


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担当:Mamenoki