人工透析
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透析(とうせき)、人工透析(じんこうとうせき)とは、医療行為のひとつで腎臓の機能を人工的に代替することである。

腎不全に陥った患者が尿毒症になるのを防止するには、外的な手段で血液の「老廃物除去」「電解質維持」「水分量維持」を行わなければならない。 この治療を透析と呼び、人工腎、血液浄化と呼ばれることもある(この場合の血液浄化は疑似科学で用いられる用語とは違う)。

しかし、日本国内で人工透析と言われている療法は、該当する用語としては血液透析、または人工腎臓が正しい(人工透析に該当するartificial dialysis では英語圏内版Wikipediaでは検索不可能)のだが、国内的には人工透析が一般的な呼称となっている。現日本透析医学会の前身が人工透析研究会であったことからも、臨床場面での混乱もあった事と考えられ、それが一般的呼称になったと思われる。

ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。

目次

1 慢性腎不全と透析導入

2 急性腎不全における透析導入

3 血液浄化療法の分類

4 腹膜透析と血液透析の違い

4.1 腹膜透析(特にCAPD)の流れ

4.2 血液透析の流れ


5 血液透析の維持と評価

5.1 血液透析の評価


6 血液透析中の合併症

6.1 溶質の透析異常

6.2 溶液の透析異常

6.3 透析患者の高血圧

6.4 長期血液透析の合併症


7 諸注意

8 外部リンク

9 参考文献

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慢性腎不全と透析導入

腎臓の機能は糸球体濾過、尿細管の再吸収といった尿の生成、それに伴う老廃物の排出の他に免疫内分泌、代謝といった機能がある。免疫としては細胞性免疫への関与が示唆されており、腎不全の患者は細胞性免疫の低下が認められる。また内分泌としては傍糸球体装置によるレニンの分泌やエリスロポエチンの分泌、ビタミンDの活性化、キニン、カリクレインプロスタグランディンの分泌などが知られている。腎機能障害、CKDではこれらの機能が障害されていくこととなる。腎機能を簡単に示す指標としては、尿検査による蛋白尿、血尿といった所見の他にクレアチニンクリアランスを用いることが多いが、最も簡便に行えるのが採血検査でわかる、血中尿素窒素(UN)、クレアチニン(Cr)の値である。クレアチニンは体格、運動量に影響を受け、尿素窒素は感染症、ステロイド投与、消化管出血といった病態や食事内容に影響を受けるため、両者を見ながら腎機能を考えていく必要がある。一般にクレアチニンは2mg/dl以上になるとネフロンの数は半分以下になっていると考えられている、クレアチニンが8〜10mg/dlあたりになると人工透析の導入を検討するという流れになる。慢性に進行する場合はクレアチニンクリアランスが10ml/minを切るくらいになるまで通常の生活を送る上では自覚症状が乏しい場合も多い。人工透析は残念ながらクレアチニンクリアランスが10ml/min台の血液浄化能力しかないため、かなりの時間的制約があるにも関わらず活動、食事などに関しては慢性腎不全と同様に制限を加えなければならない治療法である。そのため、CKDの治療としては透析導入をできるだけ遅らせるという治療がなされている。それが降圧薬による血圧コントロールや食事療法である。残念ながら腎機能障害が進攻してしまったら、臨床症状、腎機能(検査値)、日常生活障害度によって透析導入基準のスコア化を行い、60点以上となったら透析導入を行う。ただし、糖尿病がある場合は60点に達していなくても透析導入に踏み切る場合がある。透析患者の予後は動脈硬化による心疾患が多いため、糖尿病がある場合は早期導入した方が動脈硬化の進行を食い止められる可能性が示唆されているが、まだ結論は得られていない。

透析導入の場合は血液浄化療法の選択として次節の分類にあげられるものが知られている。特に有名なのが腹膜透析と血液透析である。近年の考え方ではPDファーストという考え方が主流であり、患者の生活環境が許すのならまずは腹膜透析を行い、6〜7年したら血液透析に移行するのが最も良いとされている。なお、急性腎不全は病態が全く異なるため、上述とは全く異なる。


急性腎不全における透析導入

Cr7.0mg/dl,BUN80mg/dlといった急性腎不全では透析導入となることが多い。多くの急性腎性腎不全は急性尿細管壊死であるため、透析導入にて合併症を回避し、乏尿期から利尿期に移行すれば数日で透析から離脱することができる。しかし、多臓器不全の場合は十分な利尿が得られないことが多い。


血液浄化療法の分類血液透析機
血液透析(Hemodialysis:HD)
患者に2本のカニューレを挿入し、血液を体外へ導出して限外濾過と溶質除去を行う。腎機能が廃絶している場合は週に3回程度必要。大きな血流量を得るため、動脈静脈を体表近くで交通させた内シャントを作成し、ここにカニューレを穿刺する。一般的には毎回最低4時間透析をする必要がある。また、生体腎では週168時間かけておこなわれる体内浄化を、血液浄化療法では極短時間に行うため、急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少により不均衡症候群を生ずることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen