人工衛星の軌道要素(じんこうえいせい の きどうようそ)とは、人工衛星の軌道を表すパラメータであり、次のようなものがある。
ケプラーの法則に基づく、軌道要素(Keplerian Elements)
元期: Epoch(年と日)
平均運動( m ): Mean Motion(周回/日)または半長径 Semi-major Axis(km)
離心率( e ): Eccentricity(単位無し)
軌道傾斜角( i ): I nclination(度)
昇交点赤経( Ω ): RAAN (Right Ascension of Ascending Node)(度)
近地点引数( ω ): Argument of Perigee(度)
平均近点角( M ): Mean Anomaly(度)
アメリカ航空宇宙局(NASA)が発表している軌道要素の形式による。
目次
1 軌道要素の意味
1.1 軌道のサイズと形状
1.2 軌道の配置
1.3 元期における衛星の位置
2 代表的な衛星軌道に対応する軌道要素
2.1 静止軌道
2.2 静止トランスファ軌道
2.3 モルニア軌道
2.4 極軌道
3 関連項目
4 外部リンク
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地球を周回する物体の軌道は一般に楕円形である。
楕円の大きさと形は長径と短径で与えられる。しかし、後で述べる理由で、半長径aまたは平均運動mと離心率eで与えることが一般的である。離心率の定義については楕円軌道も参照のこと。
軌道が地球および宇宙に対してどのように配置されるかを表すには、軌道傾斜角i、昇交点赤経Ω、軌道面内での楕円の主軸方向(近地点引数ω)を用いる。Ωは赤道面内、ωは軌道面内で測った角度を表す。
特定の日時(元期)において衛星が軌道上のどの地点にいるかを示すのが平均近点角Mである。これは、図形的には真近点角vあるいは離心近点角Eのほうが理解しやすく、図のような関係にある。なお、円軌道(e = 0)においてはM = E = vである。
なお、平均運動(1日に軌道を周回する回数)と、軌道の(半)長径との関係はケプラーの第3法則により一意に定まるので、平均運動が軌道の大きさを示すことになる。実用上は、軌道の長径を直接測定できないが、周期(周回速度の逆数)は測定できるため、人工衛星のパラメータとしてはもっぱら平均運動を用いる。
これらの説明は、2体問題の解であるが、地球は球対称でなく、赤道半径が長い回転楕円体に近いため、また月や太陽の重力、太陽の輻射圧により軌道要素は時々刻々と変動する(摂動)。さらに、低高度(高度800km以下)の衛星の場合、上層大気による抵抗(ドラグ)によって減速されて次第に高度が下がる。人工衛星の高度を維持するためには、場合によってはスラスタ等の推進力を用いて加速することで下がった軌道を持ち上げる操作を行う必要がある。
軌道要素は変動するため定期的な更新が必要であり、人工衛星の運用にあたっては軌道の測定が重要である。アメリカ合衆国のNORADは定期的に大きさ10cm以上の人工天体のレーダー観測を行って軌道を測定しており、これらのうち軍事機密でないものはWebで入手可能である。このフォーマットはTLE(Two Line Element)と呼ばれる。
外部リンクに上げたCelesTrakなどで公開しているTLEの例(「みどりII」の例)ADEOS II 1 27597U 02056A 03154.76144939 -.00002335 00000-0 -96480-3 0 16372 27597 98.7101 228.1327 0000680 94.9473 265.1789 14.25759802 24471
フォーマットの解説はリンク先を参照されたい。(いずれ具体的な数値の説明もいれたい。)Line 1Column Characters Description----- ---------- ----------- 1 1 Line No. Identification 3 5 Catalog No. 8 1 Security Classification10 8 International Identification19 14 YRDOY.FODddddd34 1 Sign of first time derivative35 9 1st Time Derative45 1 Sign of 2nd Time Derivative46 5 2nd Time Derivative51 1 Sign of 2nd Time Derivative Exponent52 1 Exponent of 2nd Time Derivative54 1 Sign of Bstar/Drag Term55 5 Bstar/Drag Term60 1 Sign of Exponent of Bstar/Drag Term61 1 Exponent of Bstar/Drag Term63 1 Ephemeris Type65 4 Element Number69 1 Check Sum, Modulo 10Line 2Column Characters Description----- ---------- ----------- 1 1 Line No. Identification 3 5 Catalog No. 9 8 Inclination18 8 Right Ascension of Ascending Node27 7 Eccentricity with assumed leading decimal35 8 Argument of the Perigee44 8 Mean Anomaly53 11 Revolutions per Day (Mean Motion)64 5 Revolution Number at Epoch69 1 Check Sum Modulo 10
軌道傾斜角=0度、離心率=0(真円)、平均運動=1回転/日
平均近点角と近地点引数=静止点の地表の経度から決まる
静止衛星で用いる。
近地点が数百km、遠地点が約36,000 kmすなわち静止軌道の高度。