人名(じんめい)とは、人(ひと)の個人の名前一般を指す概念である。現代日本での人の名前は姓と名からなるため姓名とも呼ばれるが、こうした構成を持たない社会も多い。他に、名前、氏名などともいう。
目次
1 概要
2 人名の構造、使用とその多様性
2.1 構成要素の数
2.2 構成要素の順序
2.3 名前の変更
2.4 名前の由来
2.5 その他の多様性
3 人名と文化、社会
4 日本における人名をめぐる文化、制度、歴史
4.1 言葉としての特徴
4.2 姓の継承と変更
4.3 名付け
4.4 名前に用いられる漢字
4.5 姓名の使用
4.6 日本人の姓名の歴史的変遷
4.7 沖縄における姓名の歴史的変遷
5 諸文化の人名をめぐる習慣
5.1 イスラム圏の名前
5.2 中国人の名前
5.3 韓国人・朝鮮人の名前
5.4 モンゴル人の名前
5.5 ベトナム人の名前
5.6 インドシナ半島の名前
5.7 インドネシア・マレーシアの名前
5.8 フィリピンの名前
5.9 キリスト教圏の名前
5.10 スラヴ系の名前
5.11 スペイン語圏の名前
5.12 ポルトガル語圏の名前
5.13 ドイツの名前
5.14 英語圏の名前
5.15 古代ローマ人の名前
5.16 オランダの名前
5.17 その他の国や地域
6 人間以外の名前
7 参考文献
8 脚注・出典
9 関連書
10 関連項目
11 外部リンク
//
漢字文化圏において姓と氏、さらには日本における苗字は本来は互いに異なる概念だが、今日では同一視されている。日本でも、明治維新以前は氏(ウヂ:本姓)と苗字に代表される家名は区別されていた。名は名前とも呼ばれる。
人名は、呼ぶ側と呼ばれる側が互いを認識し、指示し、コミュニケーションをとる際に使われる。人は多くの場合、戸籍などに登録されるなどした、公式の名前(本名(ほんみょう))を持つが、それがそのまま用いられる場面は限られており、名前を元にした呼び名、あだ名、敬称との組み合わせなどが用いられることも多い。かつては、真の人名は霊的な人格と不可分のものとし、本名を実際に他者が口にして用いることに強いタブー意識を持つ社会は多かった(諱または忌み名)が、近代になってそういった意識はある程度希薄化した、とも言える[1]。
名前にはその主要な属性として、音と表記がある。例えば日本人の個人名が外国の文字で表記されることがあるが、これは一つの名前の別表記と考えることができる。逆に、漢字名の場合、場合によって読み方が変わることがある。こういった表記、発音の変化に対する呼ばれる側としての許容範囲は様々である。
名前と人間の関わりは古く、名の使用は有史以前に遡るとされ、姓などの氏族集団名や家族名の使用も西方ではすでに古代ギリシアなどにその形跡があるとされ、東方では周代から後世につながる姓や氏の制度が確立されていることが確認できる。また、非近代社会においてはさまざまな理由で幼児に名前を付けない慣習が見られる地域が多かったが、1989年に国連総会で採択された児童の権利に関する条約7条1項は、「児童は、出生の後直ちに登録される」「児童は、出生の時から氏名を有する権利……を有する(shall have the right from birth to a name)」と定めている。