二等輸送艦
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第一〇三号型輸送艦(だいひゃくさんごうがたゆそうかん)は、大日本帝国海軍輸送艦の艦級のひとつ。二等輸送艦に類別される。砂浜に接岸して船首の渡し板から部隊を上陸させる、戦車揚陸艦の一種にあたる。一部は陸軍にも供給された。なお、二等輸送艦には、第103号型とは搭載機関の異なる第一〇一号型輸送艦が存在するが、機関関係以外は共通の仕様のため、第101号型についても本項で取り扱うこととする。両型を区別せず二等輸送艦やSB艇とだけ呼ばれることも多い。
目次

1 概要

2 運用と戦歴

3 第一〇一号型輸送艦

4 諸元(計画時)

4.1 第一〇三号型

4.2 第一〇一号型


5 注

6 参考文献

7 関連項目

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概要

日本海軍は、従来、揚陸艦のような輸送艦艇をほとんど保有していなかった。しかし、太平洋戦争勃発後、ガダルカナル島の戦いなどで前線への輸送任務の困難を感じた日本海軍は、敵の制空権下を高速で突破できる専用輸送艦の開発に着手した。その中で、戦車などの車両を急速に揚陸させられる輸送艦として開発されたのが、本型を含む二等輸送艦である。連合軍側の揚陸艦艇では中型揚陸艦(LSM、 ⇒en:Landing Ship Medium)に近い規模である。

基本設計のみ艦政本部が行い、詳細設計は呉海軍工廠に一任する異例の方式がとられた。設計にあたっては、ドイツから1943年に提供された、イギリス軍の戦車揚陸艇LCT-Mk.5の図面が参考とされた。1943年9月に建造が正式決定された。

外見は、広い前部甲板と艦後部の艦橋という米国の戦車揚陸艦(LST)に類似した姿であるが、艦首の構造はLSTのような観音開き式ではなく、LCTや大発動艇などの上陸用舟艇と同じような平面形状であった。揚陸の際には艦首の平面が前方に倒れて渡し板となり、艦内の格納庫の車両が発進できる構造になっている。格納庫のほか上甲板にも車両が搭載でき、上扉と称する上甲板の一部が斜めに垂れ下がってスロープとなり、格納庫へ降りられるようになっていた。一応の単独航行能力を持つ設計ではあったが、平らな艦首の箱型船型のためあまり航洋性は高くなかった。波の穏やかな南方の島嶼地帯での運用を想定したためで、波の荒い日本近海などを航行するときには晴天時を選ぶ計画であった。

敵の制空権下に突入しての強行輸送を想定したため、武装は充実したものとされている。さらに高速を発揮できるタービン機関を主機に採用し、2500馬力で公試速力17ノットを記録した。後述のディーゼル主機装備の第101号型と区別するため、タービン主機装備のSB艇の意味でSB(T)と呼ばれる。

直接接岸しての揚陸を目的とした艦であるが、上陸用舟艇である10m特型運貨船(小発)装載艇として搭載していた。これは、接岸地点掩護のための先遣要員揚陸や、前路警戒の目的で搭載されたものである。

建造には戦標船などに導入されつつあったブロック工法がとられ、かなり短期間で竣工させることができた。そのため、1943年秋から終戦までの間で63隻もの多数を完成させることに成功している(他に未成9隻)。

なお、計画の途中から陸軍との交渉が行われた結果、陸軍の類似船であるSS艇との共用化が図られ、陸軍が資材提供を行う代わりに陸軍向けにも供給されることが決定した。これにより、後述のように22隻が陸軍へと移管されている。


運用と戦歴

海軍では、一等輸送艦とあわせて輸送専門部隊である輸送戦隊を2個編成した。レイテ島の戦いをはじめフィリピン方面などでの輸送任務に投入され、その特徴を生かして戦車部隊の輸送も行っている。当初の計画では想定されなかった波の荒い日本近海でも、補強工事の上で使用され、硫黄島への輸送を行うなどしている。危険な任務に多用されたため、多数が戦没した。

陸軍へは22隻が引き渡され、船舶兵用の機動艇として使用された。陸軍にとっては不慣れなタービン機関を主機としていたため、運用は難航したと言われる。


第一〇一号型輸送艦

第103号型の主機を、タービン機関からディーゼル機関に変更した略同型である。二等輸送艦の初期生産分6隻について、本来のタービン機関の生産が間に合わなかったため、駆潜特務艇用などに生産されたディーゼル機関を装備した。400馬力と低出力の機関であったため主機を3機装備し、スクリュー3基の3軸推進艦となった。ディーゼル主機装備のSB艇の意味で、SB(D)と称した。機関変更した略同型という意味では、海防艦の丙型(ディーゼル主機)と丁型(タービン主機)の関係と類似している。

基本設計は第103号型と同じであるが、機関出力低下により最高速力が2.6ノット低下しているほか、両舷にスクリューがあるために離岸時の操艦が困難であったといわれる。ただし、燃費は大きく向上している。また、缶室が不要になったので、その分だけ物資搭載能力は増加していた。


諸元(計画時)


第一〇三号型

基準排水量:870t

垂線間長:72m

吃水:2.94m

主機:艦本式甲二五型 オール・ギヤードタービン

主缶:ホ号艦本式水管缶×2[1]

出力:2500馬力

速力:16ノット

燃料搭載量:重油 208t

航続力:1000海里(16ノット)

搭載能力:220t

兵装:3年式8cm単装高角砲×1 96式25mm3連装機銃×2[2]

乗員:100人


第一〇一号型

基準排水量:950t

垂線間長:上に同じ

吃水:2.89m

主機:中速400馬力ディーゼル×3

出力:1200馬力

速力:13.4ノット

燃料搭載量:重油 68t


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki