中止犯
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この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。


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中止犯(ちゅうしはん)あるいは中止未遂(ちゅうしみすい)とは、犯罪の実行に着手しながら、「自己の意思により」これを中止することをいい(刑法43条但書)、その刑は必要的に減軽または免除される。

行為者の主観的事情により結果が発生しない場合であり、客観的事情により結果が発生しない場合(障害未遂)と区別される。
目次

1 中止犯の法的性質

2 中止犯の要件

2.1 「自己の意思により」

2.2 「中止した」


3 中止の効果

4 共犯における中止犯(共犯関係からの離脱)

5 予備罪の中止

6 関連項目

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中止犯の法的性質

中止未遂を障害未遂よりも寛大に扱う理由について刑事政策説と法律説の対立がある。

刑事政策説は、任意に犯罪の遂行を中止した者に対して刑の必要的減免という褒章を与える「後戻りのための黄金の橋」(リスト)によって犯罪の完成を防止しようとする刑事政策的規定であると理解する。ドイツおよび日本におけるかつての支配的見解であるが、免除(日本法では減軽または免除)という特典を知らない者に対しては一般予防(目的刑論の「一般予防論」を参照)の効果が期待できないという批判を克服することができず、現在では少数説に止まっている。

法律説は、いったん発生させた具体的危険を自らの行為で除去することにより違法性または責任非難が減少することが減免の根拠であると理解する。法律説の内部でも違法(性)減少説と責任減少説の対立がある。違法(性)減少説に対しては、いったん発生した法益侵害結果(未遂犯として処罰される)が事後の行為により減少(さらに進んで消滅)するという構成は困難であるという批判があり、責任減少説が有力である。責任減少説は中止犯の効果の一身専属性および免除の効果を説明できる点で優れているが、責任減少説内部で「自己の意思により」の理解について対立があるため、項を改めて詳述する。


中止犯の要件

中止犯の要件は、犯罪の実行に着手した後、
自己の意思により

犯罪を中止した

ことである。


「自己の意思により」

限定主観説、主観説、客観説とに分かれる。

限定主観説は「自己の意思により」とは悔悟や憐憫等の感情に基づいて犯罪の完成を止めたことと理解する。主観説や客観説に比べて中止未遂の成立が狭くなる。「自己の意思」という文言を限定解釈する根拠が明確でないという批判があるが、日本の判例は大審院以来この説を採用するケースが多い。

主観説と客観説はともに「フランクの公式」に依拠する点で共通するが、主観説が行為者を基準にするのに対し客観説は一般人を基準にするという点が異なる。客観説は「自己の意思」という文言に反するため、主観説が通説となっている。なお、ドイツの判例は単なる故意の放棄(金庫を開けたが小額しか入っていなかったため盗まずに立ち去った、あるいは強姦しようとして押し倒した相手が知人だったので止めた等)でも中止犯を認める。

※「フランクの公式」とは「やろうと思えばやれた」場合を中止犯、「やろうと思ってもやれなかった」場合を未遂犯とする判断基準。


「中止した」

ドイツでは条文上着手未遂と実行未遂が区別されており( ⇒ドイツ刑法24条1項)、日本の学説でもこの概念を採り入れて説明する場合が多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki