中和滴定曲線
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滴定の模式図。ビュレットから試薬を少しずつ滴下し、pH変化を測定する。

中和滴定曲線(ちゅうわてきていきょくせん)とは、酸と塩基中和滴定における、水素イオン指数変化をグラフにしたものである。ここでは水溶液中における中和滴定曲線について、その求め方について解説する。
目次

1 概要

2 1価の酸を1価の塩基で滴定

2.1 強酸を強塩基で滴定

2.1.1 簡便近似法


2.2 弱酸を強塩基で滴定

2.2.1 簡便近似法


2.3 強酸を弱塩基で滴定

2.3.1 簡便近似法


2.4 弱酸を弱塩基で滴定

2.4.1 簡便近似法



3 多価の酸を1価の塩基で滴定

3.1 強酸を強塩基で滴定

3.2 弱酸を強塩基で滴定

3.2.1 簡便近似法



4 多価の塩基を1価の酸で滴定

4.1 強塩基を強酸で滴定

4.2 弱塩基を強酸で滴定

4.2.1 簡便近似法



5 参考文献

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概要

水素イオン指数 は、水素イオン活量を と表すとき、次式により定義される。なお、対数 (log) は底を10とする常用対数を使用する。

なお、活量はデバイ-ヒュッケルの式近似することが可能であるが、計算が極めて煩雑となるため活量計数はすべて1と仮定し、ここでは活量の代わりにモル濃度を用いる。しかし0.1mol/l程度の水溶液でも活量によるpHの変化は0.1?0.5程度に及ぶことに注意する必要がある。一般に弱酸を滴定する場合、pHは計算値より低い方へシフトする。イオン電荷が大きいとき程、この影響は著しい。水素イオンのモル濃度すなわち水素イオン濃度は で表す。

また、溶液のpHを求めるには、まず水素イオン濃度を求めることになる。これには以下のことを考慮する。

溶質酸解離定数

自己解離定数

これらを用いてそれぞれの電離平衡に関する質量作用の法則の式を立てる。次に

溶質の物質収支に関する式

電離により生成したイオンについて電気的中性原理の式

これらの連立方程式を解くことになる。また滴定に伴い溶液体積が増加するため、濃度変化も考慮しなければならない。


1価の酸を1価の塩基で滴定


強酸を強塩基で滴定

塩酸水酸化ナトリウム水溶液で滴定する場合を考える。 強酸および強塩基は完全に電離しているものと仮定する。また水の自己解離の平衡は以下のようになる。またオキソニウムイオン (H3O+)は水素イオンとして扱う。

物質収支を考慮し、塩酸の全濃度とすると、塩酸はすべてイオン化しているから

また電気的中性の原理より

これらの式から水素イオン濃度[H+]に関する二次方程式が得られる。

また塩酸の全濃度 は、滴定前の塩酸の体積を 、塩酸の初濃度を 、滴下した水酸化ナトリウム水溶液の体積を 、水酸化ナトリウム水溶液の初濃度を とし、水酸化ナトリウムおよび、生成した塩化ナトリウムはすべて電離しているとすると、ナトリウムイオンの物質量は となるから

この二次方程式を解の公式により解き、正の根が水素イオン濃度となり、水素イオン濃度 を に変換すればよい。

0.1mol/l塩酸10mlを0.1mol/l水酸化ナトリウムVmlで滴定
滴下量(VB)0ml5ml10ml15ml20ml
pH(計算値)1.001.487.0012.3012.52


簡便近似法0.1mol/l塩酸10mlを0.1mol/l水酸化ナトリウムで滴定

以下のように近似してもほとんど同じ結果を与える。

滴定開始から当量点までは、二次方程式のの項が無視し得るため となり

滴定前の塩酸の物質量ミリモル、滴下した水酸化ナトリウムの物質量が ミリモルであるから、未反応の塩酸の水素イオンの物質量は ミリモルとなり、滴定中の溶液の体積が ミリリットルであるから、これよりモル濃度を計算する。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki