不能犯
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この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。


日本の刑法
刑事法
刑法
刑法学  ? 犯罪  ? 刑罰
罪刑法定主義
犯罪論
構成要件  ? 実行行為  ? 不作為犯
間接正犯  ? 未遂  ? 既遂  ? 中止犯
不能犯  ? 相当因果関係
違法性  ? 違法性阻却事由
正当行為  ? 正当防衛  ? 緊急避難
責任  ? 責任主義
責任能力  ? 心神喪失  ? 心神耗弱
故意  ? 故意犯  ? 錯誤
過失  ? 過失犯
期待可能性
誤想防衛  ? 過剰防衛
共犯  ? 正犯  ? 共同正犯
共謀共同正犯  ? 教唆犯  ? 幇助犯
罪数
観念的競合  ? 牽連犯  ? 併合罪
刑罰論
死刑  ? 懲役  ? 禁錮
罰金  ? 拘留  ? 科料  ? 没収
法定刑  ? 処断刑  ? 宣告刑
自首  ? 酌量減軽  ? 執行猶予
刑事訴訟法  ? 刑事政策

不能犯(ふのうはん)とは、刑法上の概念の一つで、犯罪的結果の発生を意図したにもかかわらず、その行為の性質上、当該結果を発生させることがないため、犯罪が成立せず、刑罰の対象とならない行為のことをいう。結果発生の危険がないため、未遂犯にもならないとされている。未遂犯と不能犯の区別の基準については学説上の対立があり、また有罪・無罪に直結するため裁判上も少なからず争われている。

なお、日本の刑法に、不能犯を処罰しないという明文の規定は置かれていない(改正刑法草案には盛り込まれているが、これは2005年現在、まだたたき台にすぎない)。注意なお、呪殺の儀式を、殺害を目指して行うのではなく、いやがらせ目的で行い、相手に知らしめ畏怖させるなどのことは、それはそれで犯罪となる可能性があるが、それらは別論であり、本稿では扱わない。
目次

1 具体的な事例

2 学説

2.1 実質的客観説

2.2 形式的客観説(定型説)

2.3 具体的危険説

2.4 主観説


3 諸外国での扱い

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具体的な事例

典型例には迷信犯丑の刻参りなどの呪殺)があげられる。

他に硫黄粉末を飲食物などに混ぜて毒殺しようとした事例につき殺人については不能犯であるとして傷害罪にとどめた判決がある(大審院大正6年9月10日判決刑録23輯999頁)。


学説

不能犯は、「予期した結果が引き起こされなかった」という意味で未遂犯と共通点がある。犯罪の内容によっては未遂犯も処罰されるため、不能犯は処罰しないとした場合には、「未遂犯」と「不能犯」の区別をしなければならない。どのように区別すべきか(あるいは区別する必要がないか)について、以下のような学説がある。


実質的客観説

ある行為が結果を引き起こすかどうかについて、「絶対的不能」と「相対的不能」という概念を持ち込み、絶対的不能の場合には不能犯とするという考え方(相対的不能の場合には未遂犯となる)。呪殺などの現在では明らかに絶対的不能であるとされているものを不可罰とするという意味ではすっきりしている。

ただし、未遂に終わったケースに関して言うならばその手段では結果を引き起こせなかったがゆえに未遂だったのであり、結果論として絶対的不能だったということもできる場合がある。そのような観点から、絶対的不能と相対的不能との明確な区別が可能なのかという強い批判がある。


形式的客観説(定型説)

構成要件(どのような行為が犯罪とされるかについて条文に明記された定義のこと)にあてはまるだけの定型性を持つかどうかという基準に立ち、なるべく形式的に判断をしようとする立場。構成要件に該当すれば未遂となり、該当しなければ不能犯となる。学説上の有力説(団藤)。

ただし、構成要件は具体的な犯罪の様態を規定しているものではなく、なにをもって「構成要件にあてはまるだけの定型性」と理解するのか、という問題はある。


具体的危険説

前記の定型説の定型性の判断基準を提供すべく主張された見解の一つ。 行為当時、一般人であれば認識し得た事情及び行為者が認識していた事情を基礎にして、一般人を基準に結果発生の危険性が認められる場合が未遂犯で、そうでない場合が不能犯であるとする見解である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen