チュウゴクモクズガニ
分類
界:動物界 Animalia
門:節足動物門 Arthropoda
綱:甲殻綱 Crustacea
目:エビ目(十脚目) Decapoda
下目:カニ下目 Brachyura
科:イワガニ科 Grapsidae
属:モクズガニ属 Eriocheir
種:チュウゴクモクズガニ sinensis
学名
Eriocheir sinensis ⇒H. Milne-Edwards, 1853
英名
Chinese mitten crab
チュウゴクモクズガニ(中国藻屑蟹、英名 Chinese mitten crab、学名Eriocheir sinensis H. Milne-Edwards)は、中国および朝鮮半島東岸部原産のイワガニ科のカニの一種。従来はシナモクズガニと呼んでいたが、近年ではあまりこの名称は用いられない。日本では一般に上海蟹(シャンハイがに、英名 Shanghai hairy crab)の名で知られる。上海、香港などで、秋が旬とされる、重要な食用種である。
目次
1 概要
2 生態
3 産地
4 食べ方
5 伝説
6 慣用句
7 近縁種
8 外部リンク
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チュウゴクモクズガニは、中国語では中華絨螯蟹(Zh?nghua rongaoxie)と呼ばれる。「中国の絨毛のあるはさみを持つ蟹」という意味で、その名の通り、大きく発達した一対のはさみ状の爪を持ち、その回りにはびっしりと絨毛が生えている。和名はこの絨毛を藻屑に例えている。「毛蟹 maoxie」、「老毛蟹 l?omaoxie」と呼ぶ地域もある。同属異種の日本のモクズガニも、絨毛によって「ケガニ」と呼ぶ地域があるが、同じ発想である。はさみの先端には掻きとる動作に適した黒い蹄状の爪がついている。
主産地の長江沿いでは、はさみは金色、毛は黄色い色をしているが、四角い形の甲羅の色は青緑色をしている。調理のために、蒸したり、煮たりすると、鮮やかな柿色に変わる。甲羅の前から横にかけて、ノコギリの歯のようなとげが4対ある。大型のカニであり、大きい個体では甲幅(甲羅の幅)が8cm程度になる。
淡水性のため、中国では、「河蟹 hexie」、「清水蟹 q?ngshu?xie」とも呼ばれ。幼生は海水から汽水域で育つため、親蟹は雄、雌とも産卵のために河口や海岸に移動する必要がある。主に秋に、河口で生殖したのち、雌が海水域に移動して産卵する。腹部は薄い灰色で、7節に分かれており、雄は三角形、雌は俵型をしている。
中国で、最も知られている呼び名は「大閘蟹」(ダージャーシエ dazhaxie、上海語 ドゥザッハ)であり、上海でも香港でも台湾でも、この名で呼ばれている。産卵のために下ってくるところを、堰止めて取るためとも、「閘」は煮るという意味の「?」の訛とも言われるが、語源は定かでない。
輸送中に動き回ると、はさみで傷つけあったり、足が取れたりして、傷が付くため、藁や紐で十文字に縛って生きたまま売られる。
海の蟹と比べると小さいため、脚の肉などは食べにくく、量も少ないが、甲羅の中の内子や蟹味噌の味はまったりと濃厚であり、美味である。栄養価としては、タンパク質、ビタミンB12を豊富に含む。
中国の長江流域を中心に、遼寧省から広東省まで、広い地域の川に分布している。また、朝鮮半島にも分布する。侵略的外来種として古くから有名な種であり、ヨーロッパでは20世紀の初頭ドイツで見つかって以来、これまでにフィンランド・ノルウェー・ロシアからイギリス、フランス、オランダ、スペイン、ポルトガル、セルビアなど広範囲に分布を拡げている。アメリカ合衆国では拡散を防ぐために一切の商取引が禁止されている。食性は植物食に偏った雑食性であり、甲殻類、貝類、小魚、水生昆虫、水草、稲の苗などを好んで食べる。
産卵は海水中で行われるため、産卵時期の秋になると、海辺に移動する。交尾の後にメスは海水中で産卵し、0.4mm足らずの小さな卵を腹脚にたくさん抱え、孵化するまで保護する。孵化した幼生を海に放出した成体は一冬に2?3回交尾と産卵を繰り返したあと、疲弊して死亡するため二度と川には戻らない。
孵化したゾエア幼生は0.4mmたらずで、遊泳能力の乏しいゾエア幼生はプランクトン生活を送るが、この間に魚などに捕食されるので、生き残るのはごくわずかである。人工孵化する場合でも、4分の1程度しか生き残らないと言われる。
脱皮を繰り返して、メガロパ幼生へと変態し、エビのように腹肢を用いて積極的に遊泳して河口から河川の汽水域を遡上する。変態した稚ガニは泥地で生活をし、泥の中に穴を掘って棲むようになる。養殖の場合、中国で鈕釦蟹とも呼ばれるサワガニより少し小さい大きさになると、泥から掘り出して、養殖池に移される。
養殖の場合、成長促進ホルモンや、病気を予防するために、クロラムフェニコールやオキシテトラサイクリンなどの抗生物質が与えられることが多い。
最も有名な産地は、中国江蘇省蘇州市にある陽澄湖(ようちょうこ)である。江蘇省内では、洪沢湖(泗洪県など)、高宝湖(高郵市)、白馬湖(宝応県)、射陽河(興化市)などでも養殖が盛んである。上海市内では長江の中にある崇明島(崇明県)が大規模な産地として知られる。実際には、地元江蘇省の沿岸地域、崇明島で一貫して養殖する他にも、浙江省、福建省、遼寧省などの沿岸地域で産卵からメガロパ幼生になるまでの飼育を行い、それから、江蘇省の他、安徽省石臼湖、巣湖、江西省、湖南省など、長江の上流地域に移して出荷できるまでの大きさに育てられる事が多い。