敬語(けいご)は、言葉で表現する人(書き手、話し手など)と聞き手(読み手)やその話題中の対象となる人との上下関係、話題中の人物同士の上下関係などを言葉の内に表現するために用いられる語法。
目次
1 概要
2 日本語における敬語表現
2.1 尊敬語
2.2 謙譲語
2.3 丁重語
2.4 丁寧語
2.5 美化語
2.6 不規則動詞一覧
2.7 敬語以外の待遇表現
2.7.1 尊大語
2.7.2 侮蔑語
2.8 参考文献
3 朝鮮語における敬語表現
3.1 尊敬語
3.2 謙譲語
3.3 丁寧語
4 中国語における敬語表現
5 その他の言語(主として英語)における敬語表現
6 注釈
7 関連項目
8 外部リンク
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ここでいう上下関係とは年齢や地位といった社会的な関係に固定されたものではなく、相手が商売上の客であったり見知らぬ人であったりする場合にも使われ、場面によって変化する。親しさ・疎遠さとも関係している。また、暗に相手を見下したりするために用いられることもある。話者の他者への敬意の有無・程度をそのまま反映しているとは限らないが、言葉とは敬語に限らず話者の本意を表しているとは限らぬものである。
日本語などで発達しているが、ヨーロッパ近代語では日本語ほど体系的には発達していない。ヨーロッパ近代語に敬語があるかないかは敬語の定義次第である。敬語を広く「人物間の上下関係や親疎関係を反映した言語表現」と定義すれば、英語で丁寧な命令文に please を付けることなど英語を学習し始めた者でも知っている例を始め、学校や軍隊で生徒や兵士の教師や上官に対する応答の文末に sir/madam を付ける例、大陸語における2人称代名詞の敬称(動詞の活用も3人称など本来の二人称形と異なる形を用いる)が存在する例などヨーロッパ近代語にも敬語があるといえる。英語の二人称代名詞である you も、もともとは敬称であったものが、敬称でない thou が全くといっていいほど使われなくなった結果、敬称として意味を成さなくなったものである。つまり、かつての英語話者が家族であろうと親しい友人であろうと常に敬称のみを使っていたために、敬称でない形の thou が忘れ去られるに至ったわけである。しかし、日本語のように「人物間の上下関係を反映した言語表現が体系的に文法化された形式」をもつものに限って定義すればヨーロッパ近代語には敬語はないことになる。また、敬語は現代においては主に第三者等との会話で使用され、見知らぬ相手との円滑なコミュニケーションを促す役割も持つ。このため日本では敬語を使わないことが、即敬意を持っていない、若しくは穏便な会話を望んでいないと解釈されやすい。
敬語の用法は文化によって異なる上下関係に依存しているため、非母語話者にとっては学習上の難点となることがある。日本語の場合は、外国人でも教科書を丸暗記すれば「正しい敬語」が使えるので、むしろ学習が容易だとする意見もある。日本語ほど体系立った敬語を持たない言語では敬意を表す上で抑揚、発音、表情、態度、話の運び方など表面上の言語表現以外に頼る部分が日本語より大きく、活字化しにくいこれらの要素のほうが非母語話者にとっては学習が難しいというわけである。
近年、敬語という語は、差別的なものに関わるという批判や、目上に対するものだけを意識したもので目下に対する言語表現が無視されているという批判から、待遇表現という人間同士の様々なつきあいの中で見られる言語形式の一部として取り上げられることがある。
昔は親に対して敬語を使うのが基本とされていたが、現在だと親に対しての敬語は距離感の象徴(継子が継母を名前+“さん”付けで呼び「お母さん」と呼ばなかったり)と受け取られる。親に対して敬語を強要されている人は、本当に敬語を使うべきときに敬語を使えない傾向がある。亀田興毅は敬語をほとんど使わないが、父・司郎は「親にため口を利くやつはしばく」と発言したこともあり、一説に亀田兄弟は父親にある程度敬語を使うことが要求されているとも考えられる。フィクションではあるが、3年B組金八先生に登場する生徒・狩野伸太郎は教師に対してため口を使うことで知られるが、親に対しては敬語を使っていたため、親に対して敬語を強要されていることに対する不満から、本当に敬語を使うべき相手にため口をきくようになったということを物語っている。 また、ベナン出身のタレントであるゾマホン・ルフィンは父に対して常に現地語の敬語で話していた。
一般的には敬語を尊敬語・謙譲語・丁寧語の三つに分類する。日本語学においてはさらに丁重語・美化語を立てた5分類が多く使われている。文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会も、2007年に、尊敬語・謙譲語?・謙譲語?(丁重語)・丁寧語・美化語の5分類にするという敬語の指針 ⇒[1]を答申した。
敬語にはその性質上、話題中の人物を高めるもの(素材敬語)と話し手が対面している聞き手を高めるもの(対者敬語)があるが、5分類は、従来の3分類を元に、両者を区別することで定義されたものである。また美化語は「敬語」からは外されることが多い。
3分類5分類特徴
尊敬語尊敬語素材敬語話題中の動作の主体が話し手よりも上位であることを表す語
謙譲語謙譲語話題中の動作の受け手が話題中の動作の主体よりも上位であることを表す語
丁重語対者敬語聞き手が話し手よりも上位であることを表す語
丁寧語丁寧語聞き手が話し手よりも上位であることを表す語尾の「です」「ます」「ございます」など
美化語-上品とされる言い回し・言葉遣い
話題中の動作や状態の主体が話者よりも上位である場合に使われる。動詞、助動詞 (国文法)、形容詞の語形変化を指すが、名詞の語彙を変えることも尊敬語に含む場合がある(例:だれ→どなた)。普段の会話ではあまり使われず、接遇の際に用いられることが多い。
動詞の語形変化には以下のような方法がある。
語彙自体を変える - 例:いる・行く→いらっしゃる。食べる→召し上がる。