ロシア建築(ロシアけんちく)は、ロシアにおける各時代の建築様式を紹介する。
ロシアは10世紀まで木造建築のみであった。キエフ・ルーシ(現ウクライナ中心)が興り、今日「黄金の環」と呼ばれるウラジーミル、ロストーフ、モスクワなどの都市が形成。城壁や教会建築が活発化した。
ピョートル1世は、ヨーロッパ文化をロシアに積極的に持ち込んだ。サンクトペテルブルクを建都し、モスクワとは全く異なる性格をもつ都市へと発展した。このときヨーロッパで絶頂だったバロック様式がサンクトペテルブルクを中心に花開いた。
専制時代は、古くからロシアの伝統とヨーロッパの潮流のせめぎ合いであった。ロシア革命によるソビエト成立は、過去を否定し全く新しい建築を模索するロシア・アヴァンギャルドが登場し、構成主義が一世風靡した。しかしナショナリズムの台頭で再びスターリン様式のような古典に回帰し、長らく停滞期に入った。
目次
1 ロシア建築の特有の装飾
1.1 ココーシュニク
1.2 クーブ
1.3 ペディメント
1.4 ボーチカ
2 ロシアの伝統的木造建築
2.1 木造の構造・工法
2.2 木造住居の様式
3 ロシア建築の年代別様式
3.1 古典様式以前
3.2 ロシア古典様式
3.3 バロック様式
3.4 ロシア・クラシック様式
3.5 折衷様式
3.6 ネオ・ロシア
3.7 ロシアモダン様式
3.8 ロシア構成主義
3.9 スターリン様式
3.10 ソビエト様式
3.11 ペレストロイカ以後
4 年表
5 脚注
6 参考文献
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ロシア建築の特有の装飾ボーチカの一例(ニコロ=カレーリスキー修道院の聖門)
ココーシュニクは上部が半円形をした装飾のこと。上部が尖った形をしているものもある。18世紀ごろのロシアの建築物によく見受けられる。
クーブは四角形や八角形の建物の上に載る曲線屋根の形式ことである。ロシア木造建築の典型的なフォルムでもある。
ペディメントは、三角形の切妻壁のことである。主にファサードに設けられた出入り口の上などに設置された。
ボーチカは半円の尖塔屋根のことである。ロシア木造教会建築の大きな特徴である。
ロシアの伝統的木造建築キジ島の救世主顕栄教会(プレオブラジェンスカヤ教会、1714年)と鐘塔(1874年)。ロシア伝統的木造建築の最高峰。ニコロ=カレーリスキー修道院の聖門(1692年)
10世紀に入るまで、ロシアの建築物はほとんどが木造だった。切断面が腐食しないように鋸ではなく木繊維の破壊が少ない斧を使用した。15世紀には鉄の釘を一本も使わずに建てる工法も生まれた。
ロシア北部には、現在もなお多くの木造建築が残っている。これは、ロシア北部ではタタールのくびきによる破壊を免れたこと、そして近現代で工業地帯とならなかったためであった。