ロケット(英:Rocket)は自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力(推力)を得る装置(ロケットエンジン)、もしくはその推力を利用して移動する装置。外気から酸化剤を取り込む物(ジェットエンジン)は除く。
原理上、真空中でも推力を得ることができるため、主に宇宙空間での移動手段として使われている。また、ミサイルの動力として軍事的に利用される場合も多い。
狭義にはロケットエンジン自体をいうが、ロケットエンジンを搭載して人工衛星などのペイロードを宇宙へ打ち上げる打ち上げ機(Launch Vehicle)全体をロケットということも多い。
なお、推力を得るために射出される質量(推進剤、プロペラント)が何か、それらを動かすエネルギーは何から得るかにより、ロケットは様々な方式に分類されるが、ここでは最も一般的に使われている化学ロケット(化学燃料ロケット)を中心に述べる。
ロケットの語源は1379年、イタリアの技術者であるMuratoriによって名づけられたRocchettaである。
目次
1 概論
2 化学ロケット
3 分類
3.1 単段式ロケット
3.2 多段式ロケット
3.3 クラスターロケット
4 ロケットの歴史
5 世界各国のロケット打ち上げ実績
6 教材用ロケット
7 日本国内の大学によるハイブリッドロケット開発
8 大気圏内でのロケット
9 主なロケット
9.1 歴史的なロケット
9.2 現代のロケット
10 関連項目
11 外部リンク
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ロケットの方式で良く知られているものとしては、その使用するエネルギー源から分類して、化学ロケット、電気ロケット、原子力ロケットがある。
化学ロケットは、燃料の燃焼(化学反応)によって生じる熱エネルギーを利用し、燃料自体を推進剤として噴射するもので、効率は最も悪いが利用しやすい。また、短時間に大きな推力を発生させることができる。実用化されたロケットのほとんどは化学ロケットである。
電気ロケットは、イオン推進など、推進剤を電気的に加速して噴射するものである。人工衛星や宇宙探査機などのスラスターとして実用化されている。大きい推力を得ることは難しいが、長期間の使用に向く。
原子力ロケットは、推進剤を原子炉で加熱して噴射するもの、ロケットの後方で核爆弾を爆発させて推進力を得るもの(パルス推進)など複数の種類があるが、安全性の問題はもちろん、核兵器の宇宙空間への持ちこみを禁じた宇宙条約や宇宙空間での核爆発を禁止する部分的核実験禁止条約の制限により実用化されていない。オリオン計画やダイダロス計画といった構想が知られる。
なお、ロケットが推進する原理を「噴射したガスがロケットの後方の空気を押すから」と考える人もいるが、これは誤解である。ロケットの推進は噴射したガスの反作用によるもので、だからこそ真空中でも推進できる(かつてニューヨーク・タイムズが、この誤解に基づき真空中でロケットは飛べないと主張して、ロケット工学開拓者の一人であるロバート・ゴダードを批判する記事を掲載したという逸話がある)。こうしたロケットの原理を示す式として、ツィオルコフスキーの公式が存在している。
化学ロケットでは、その最大の貨物は自らを宇宙空間まで運ぶ推進剤である。これは地球から長距離を航行しようとする際に大変な非効率をもたらすが、宇宙空間に中継地点を設けることである程度緩和されるのではないかと考えられている。アポロ計画の月着陸船が月から帰還するときに必要としたロケットが、地球から打ち上げられた際のサターンロケットに比べて驚くほど小さかったことからわかるように、重力が小さい場所から発進すればそれほど多くのエネルギーは必要としないのである。衛星軌道上に基地(宇宙ステーション)を設け、そこまで分割運搬した部品を組み立てて大きなロケットを建造し、そこから出発させるという方法などが考案されている。
また、ロケットを使わない静止軌道までの運搬方法として軌道エレベータなどが実際に検討されている。