リットル(litre, liter)
記号l,L,?
系SI併用単位
量体積
定義1dm3=10-3m3
表・話・編・歴
ウィクショナリーに ⇒リットルの項目があります。
リットル(litre, 記号:l,L,?)は、体積の単位の一つ。アメリカでの綴りのliterに基づいてリッターともいう。SIの単位ではないが、SIにおいてはSIと併用して良い単位と定められている。その名前は、ギリシャ語およびラテン語のlitraに由来する。漢字では立と書かれる。
1リットルの現在の定義は10-3立方メートル(m3) = 1立方デシメートル(dm3)である。すなわち、1辺が1デシメートル(10cm)の立方体の体積となる。
補助単位としては、日本の日常生活では1000分の1リットルであるミリリットル(mL)がよく使われ、これは、立方センチメートル(cm3)に等しい。この2者は、混用されることもあるが、製品の種別や場合によっては片方のみがもっぱら使われる。液状の医薬品や化粧品ではミリリットルが用いられ、調理のレシピや内燃機関の容積を細かく記述する際は立方センチメートルが用いられる(大まかに記述する際はリットルを用いる)。なお、立方センチメートル(cm3)のことをcc(立方センチメートル=cubic centimetreの略)ともいうが、SIでは使用を認められていない。
日本では、10分の1リットルであるデシリットル(dL)を小学校で学ぶが、日常での使用頻度は少ない。この単位は現在(2005年9月)のところ、豆や穀類を小売りする際に用いられている。計量法の施行により従来使われてきた尺貫法ベースの計量単位が商取引に使えなくなったため、1合(約1.8039デシリットル)に比較的近い2デシリットルが販売の基準としている(写真参照)。豆類の販売にデシリットルが用いられている
一方、ヨーロッパでは100分の1リットルであるセンチリットル(cL)が、飲料の容量などによく使われる。大きな容量としては1000リットルのキロリットル(kL)もよく使われる。これは1立方メートル(m3)に等しい。
SIほかの国際標準では、リットルと立方メートルの使い分けについての明確な記述はないが、SIでは精密な測定結果を示す場合にはリットルを使用すべきではないとしている。
目次
1 歴史
2 記号
2.1 符号位置
3 関連項目
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1793年、リットルはフランスの「共和党法案」で、新しい公定単位の一つとして提案された。その定義は、1立方デシメートル(dm3)であった。名前は、古いフランスの単位である"litron"に因むもので、それはギリシャ語からラテン語を経由してフランス語に取り入れられたものであった。
1879年、国際度量衡委員会(CIPM)はリットルの定義および小文字の"l"をその記号とすることを採択した。
1901年、第3回国際度量衡総会(CGPM)で、「1リットルは1気圧の圧力、最大の密度が得られる温度(3.98°C)での、1キログラムの水の体積」と再定義された。キログラムの本来の定義によれば、これは1立方デシメートルと等しいはずである。しかし、実際にはキログラムの定義に使用されているキログラム原器が本来の定義よりも重くできてしまったため、1リットルは1立方デシメートルよりも少しだけ大きいことになる。そこで、国際度量衡局(BIPM)で1キログラムの水の体積の精密な測定(実際には1立方デシメートルの水の質量の測定)が何度も行われているが、条件をそろえたつもりでも、測定のたびに1ミリグラム台の差が出てしまった。このリットルの定義では気圧と温度を規定しているが、水の密度には他にも多数の条件がかかわっており、それを全て揃えるのは非常に難しいためである。
結局、1907年にBIPMは以下の3つの測定結果を示した上で、「BIPMに課せられた水の1キログラムの体積を決定する仕事は、最高の精度をもって達せられた」と報告し、いわば「匙を投げた」状態となった。
ギヨームによる測定結果 -- 1.000 029 dm3
シャピュイユによる測定結果 -- 1.000 027 dm3
レピネーらによる測定結果 -- 1.000 028 dm3
そのため、各国で採用する値が異なるという事態となった。例えば日本では1.000 028 dm3を採用し、アメリカでは1.000 029 dm3を採用している。各国でリットルの値が異なるのは不都合であるため、1950年にCIPMは「1キログラムの水の体積は1.000 028 dm3である」と定めた。
1964年 第12回CGPMで、メートルに基づいた元の定義(1立方デシメートル(dm3))に戻され、「リットルは立方デシメートルに与えられた固有の名称である」と声明された。また同時に、高い精度の測定の結果を示す場合にはリットルを使用しないよう勧告した。
1979年、第16回CGPMで、大文字の"L"をリットルの新たな記号として用いることが採択された。また、将来この2つのうちのどちらか1つのみを正式なものとして選択されるべきであると表明されたが、1990年の会議ではまだその時期ではないとされた。
本来、リットルを表す記号は小文字の"l"だけである。SIにおいては、人名に由来する単位のみ記号の一文字名を大文字にし、それ以外の単位は全て小文字で書くことになっている。
しかし、多くの非英語圏の国では、筆記体のアラビア数字の1を単に垂直の線のみで示すのが一般的となっており、これとラテン文字の小文字の"l"はまぎらわしい。そこで、1979年にリットルを表すのに大文字の"L"も使用して良いこととなった。現在では、産業技術総合研究所やアメリカ標準技術局(NIST)は、大文字の"L"を使用することを推奨している。
また、1979年以前には、小文字の"l"の筆記体である"?"(U+2113)が日本をはじめとするいくつかの国でリットルの記号として使用されていた。この記号は、現在でも非英語圏の国のいくつかで見ることができる。日本の小学校教育では、現在でも?を用いるように教えている。しかし、多くの国ではこの記号は用いられておらず、国際度量衡局(BIPM)、国際標準化機構(ISO)やその他の国際標準機関はこの記号を公式なものと認めていない。
日本においては、筆記体のエルのほか、中学高校の教科書では斜体字のエル「l」を用いているものがある。斜体字は物理量を表す変数を意味し、単位は立体字で書くことになっているため、単位の取扱としては誤りである。このため2006年度の教科書検定では、高校物理IIおよび高校化学IIの教科書では「L」と表記を変更する措置がとられた。