ラテンアメリカ(中南米)とは、アングロアメリカに相対する語であり、メキシコ、西インド諸島以南の中央アメリカ、南アメリカの国々の中で、ラテン系植民地だったことからスペイン語もしくはポルトガル語を公用語とする国をさす。現在、ラテンアメリカの大多数の国々が米州機構 (OAS) 加盟国であり、プエルトリコとドミニカ国以外はラテンアメリカ経済機構に加盟している。
目次
1 呼称としての「中南米」と「ラテンアメリカ」
2 「ラテンアメリカ」の語の由来
3 「ラテンアメリカ」として括られる国々
4 ラテン音楽
5 イベロアメリカ
6 メソアメリカ
7 ラテンアメリカ諸国
8 関連項目
9 脚注
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中南米という語は地理的、ラテンアメリカという語は文化圏としての意味合いで使われることが多いが、一般的な使われ方はきわめて曖昧である。これは、アメリカ州においてスペインやポルトガルが植民地としていた地域と、地理学的な中南米がほぼ重なるためである。
元々、スペイン語圏のアメリカ諸国は、スペイン植民地時代は「インディアス」(インドの意)、独立後は「イスパノアメリカ」(スペイン的なアメリカ)と呼ばれていたが、19世紀のイスパノアメリカの知識人は、スペインを遅れた後進的な国家だと考え、自国をイギリスやフランスのような先進国にすることを望んでいたため、彼らにとって「スペインのアメリカ」という呼ばれ方は屈辱的なものだった。そんな中でフランス第二帝国のナポレオン3世が、1860年代にメキシコを植民地化するための遠征を行い、第二次メキシコ帝国を打ち建てるに際して、フランス当局はメキシコとの文化的な繋がりを強調するため、「ラテンアメリカ」(ラテン的なアメリカ)という言葉を用いた。当時はラテンというと、即座にローマ帝国や、フランスの文化に繋がったためイスパノ・アメリカの知識人はこの名称を受け入れ、以後ブラジルを加えたこの地域をラテンアメリカとよぶようになった。つまり、この言葉は当初、植民地主義からはじまった言葉だったのである。
メキシコ以南の大陸に存在する国々は、ポルトガル語を公用語とするブラジル、英語を公用語とするガイアナ、ベリーズ、オランダ語を公用語とするスリナムを除き、すべてがスペイン語を公用語としている。これに対して、カリブ諸国は旧宗主国が多様でスペインの独占性が薄かったので、現在の公用語も多様である[1]。このため、カリブ海の島々にあってスペイン語以外を公用語とする地域、例えば旧英領西インド諸島(British West Indies)のジャマイカやバハマなどは「ラテンアメリカ」とは呼ばない。
ただし、音楽の分野においては、これら英語圏やオランダ語圏などの島々のそれを含めて、漠然と「ラテン音楽」と呼ばれることがある。この範疇に入るものは、例えば、トリニダード発祥のカリプソや、ジャマイカのスカ、レゲエなどである。また、フランス語圏であるハイチの音楽であるメラング(ドミニカ音楽のメレンゲをフランス語読みしたもの)に至っては、ほぼ間違いなくラテン音楽の範疇に分類される。
一方、スペインとポルトガルの旧植民地諸国と旧宗主国であるスペインとポルトガルを合わせてイベロアメリカ(IberoAmerica)ともいうが、このイベロというのはもちろん、スペイン、ポルトガルがイベリア半島にあることから来ている(イベロアメリカ首脳会議はイベロアメリカ諸国の持ち回りで開催されている)。