メカニックデザイン はアニメ制作スタッフの役職名の一つ。
目次
1 概要
2 スポンサーとの関係
3 デザインの要諦
4 デザインのリファイン
5 メカニック作画監督
6 デザインの会社
7 他の業界からの参入
8 主なメカニックデザイナー
9 関連項目
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アニメやSF作品に限らず、作中に登場するロボット、戦闘機、戦艦、銃器等の架空、またはアニメ作画用にアレンジされた実在の機械をデザインする担当者をメカニックデザイナーと呼ぶ。以前は美術監督やアニメーターが兼任していたが、1970年代後半頃から独立した役職となっている。日本で最初に独立したメカニックデザイナーとなったのは『機動戦士ガンダム』のデザインで有名な大河原邦男。2000年代に入ってからのアニメでは銃器デザイン、得物デザインと言った役職の細分化の傾向がある。
元サンライズ資料室室長の飯塚正夫は「正確にはメカニカルデザインと呼ぶべきだ」と主張している。Mechanic Designは日本語に翻訳すれば「工員(整備員)デザイン」などとなり、これは英語としては意味の通らない語句である、というのがその根拠である。例えば『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の米国版ではMechanical Designと表記されている。近年ではプロダクションデザイン、あるいはデザインワークスという呼び方もあり、アニメのテロップで「メカニカルデザイン」と表記されることも多くなっている。
その一方で、特に北米のコアなアニメファンの中には、たとえ日本語でのクレジットが「メカニカルデザイン」であっても訳語としてMechanic Designをあえて使用するなど、「アニメ原理主義」とでも言うべき行動が見られる。もっとも、海外では既に「 ⇒メカ」という言葉が日本風ロボット(またはいわゆる『リアルロボット』)を示す用語となっており、単に「メカデザイン」「メカデザイナー」と呼ぶのもおかしくはなく、また日本語でも英語でも意味の通る新造語でもある。
以前のロボットアニメの主なスポンサーは、玩具の製造会社が多かった。これらの会社は、登場するメカをプラモデルや超合金(ダイカストモデル)として販売するために、先にメカを自社でデザインし、その上でそのメカが登場するアニメの制作をスタジオに依頼することがあった。最近の事例では、トミーの玩具シリーズであるゾイドが登場する同名のアニメが制作され、同製品の売上を伸ばしたが、これはTVアニメ化の20年近く昔から最初の同玩具(日本国内での商標名は異なる)が存在し、リバイバルとでもいうべき例である。
アニメに登場して動くためには適度に線が少なく単純な形でなければならない。線が多かったり不規則な形をしていると、作画が困難になり経費がかさむためである(セルアニメに迷彩塗装のメカが少ないのはこのため)。また玩具製造会社の意見が強かった時代には、玩具としての面白さが優先され、奇抜な合体・変形機構や外観の迫力(角など)、豊富なバリエーション(強化部品や主人公メカの交代)が優先されていたが、近年はデザインの美しさや作品自体との調和が求められている。『新世紀エヴァンゲリオン』では、『拘束された強大な力』と言う庵野秀明のコンセプトに基づき、山下いくとによりデザインされた猫背な巨大兵器が登場するが、この作品の企画書を某会社に持ちこんだ際、アニメに登場するロボットのデザインはかくあるべしと逆に相手側から説教されたといわれる。
特にライトノベルを原作とするアニメの場合、原作本にはすでに挿絵がつけられていることが多い。これらの挿絵には登場メカが描かれてることがあり、アニメ化に当たってこれらのデザインを一部修正して使用することがある。これらデザインのリファインもメカニックデザイナーの仕事である。この場合はメカニックデザイナーとは別にデザイン原案として挿絵画家の名前がクレジットに載る。またアニメの経験がないデザイナーの作品はそのままではアニメで動かすのが困難な場合があり、この場合もリファインを必要とする。この事例としては『∀ガンダム』のシド・ミードのデザインをメカニック作画監督の重田敦司がアニメ用にリファインした例がある。
1990年代以降のアニメでは、特にメカ物を中心にメカニック作画監督(メカ作監)が置かれることが多い。すなわち従来は作画監督が一人で担当していた作業を、人物とメカとで分けるようになっている。2D中心の人物とは異なり、メカニックでは3DCGを多く扱うことも背景にある。
スタジオぬえや戦船(現社名は株式会社セタ)、ビークラフトといったデザイン会社がある。これらの会社がメカニックデザインを担当した場合、デザイナーの個人名では無く会社名がクレジットされる。
この分野には他業種からの参加する人も多く、前述の『新世紀エヴァンゲリオン』にはデザイナーとして漫画家の山下いくと、あさりよしとお、きお誠児が参加している。また『オーバーマンキングゲイナー』にはカプコンの安田朗が参加している。