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弾道弾迎撃ミサイル スタンダードミサイル SM-3パトリオットミサイル
ミサイル防衛、略称MD(Missile Defense)またはBMD(Ballistic Missile Defense)とは、主に弾道ミサイルからある特定の区域を防衛することである。
ミサイル防衛は時代と共にその名称が変遷してきた。現在のミサイル防衛計画は、2001年5月以降にジョージ・W・ブッシュ政権が推し進めている、戦域ミサイル防衛 (TMD:Theater Missile Defense) と国家ミサイル防衛 (NMD:National Missile Defense) を統合した多層的なミサイル防衛構想である。
目次
1 歴史
1.1 ミサイル防衛の始まり
1.2 SDI
1.3 GPALS
1.4 TMDとNMD
1.5 現代のミサイル防衛
2 迎撃段階と使用される兵器
2.1 ブースト段階(ブーストフェイズ)
2.2 慣性飛行段階(ミッドコースフェイズ)
2.3 再突入段階(ターミナルフェイズ)
3 各国のミサイル防衛
3.1 日本
3.1.1 導入に至った経緯
3.1.2 現状
3.1.3 将来
3.1.4 構成要素
3.1.5 運用体制
4 是非に関する議論
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
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核ミサイルが登場した当初から、これを爆発前に打ち落とす技術の開発は始まっていた。 1960年代には米ソの双方でABM(Anti-Ballistic Missile)と呼ばれる弾道弾迎撃ミサイルが開発されている。当時は精密誘導技術が未熟だったため、迎撃ミサイルにも核弾頭を搭載し、核爆発の広範な破壊力によって命中率を補う方式であった。これにより、相互確証破壊の崩壊を懸念してABMの配備を制限する弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM条約)が米ソ間で結ばれた。
しかし、核ミサイルを迎撃するのに核ミサイルを使用したのでは放射性降下物などの被害が避けられないこと、核爆発に伴う大規模な電磁的障害のせいで敵国の第二次攻撃に対抗できないことなどから、このような核弾頭を搭載するタイプの迎撃ミサイル開発は次第に廃れていく。
1980年代に入ってから、アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンは、戦略防衛構想(SDI, Strategic Defense Initiative /エス・ディー・アイ)構想を発表した。人工衛星に搭載したレーザー兵器や迎撃ミサイルによって、飛来するミサイルを破壊するというものであった。開発には巨額の予算が投じられたが、実現には至らなかった。なお、この計画は、当時の技術力ではあまりにも非現実的であったため、「スターウォーズ計画」とも言われている。SDI構想については、現実味の薄い計画に無駄に大金を投じたという批判がある一方で、ソ連に対抗策を強要してその崩壊を早めさせたという意見もある。
冷戦の終結後、ソ連の脅威に代わって戦域弾道ミサイルの拡散が大きな問題になった。そして湾岸戦争をきっかけに、弾道ミサイルの脅威が広く知られるようになると、ジョージ・H・W・ブッシュ政権の下、GPALS(Global Protection Against Limited Strikes / じーぱるす、限定的攻撃に対する地球規模の防衛構想)が提唱された。SDIが大国間の弾道ミサイル攻撃を想定していたのに対して、GPALSはより小規模な弾道ミサイル攻撃への対処を目的としていた。迎撃方式も改められ、宇宙配備と地上配備の迎撃・追跡システムを組み合わせる事とされていた。後述のTHAADやパトリオットミサイル PAC-3が計画されたのはこのころである。