マクロスシリーズ
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「マクロスシリーズ[1][注 1]」(MACROSS)は、SFロボットアニメ超時空要塞マクロス』およびその続編、外伝からなる、アニメを中心とした作品群である。テレビアニメのほか、OVAアニメーション映画をはじめとする各種メディアミックス展開も積極的に行なわれており、音楽・玩具(プラモデル)・ゲーム・書籍なども多数発売されている。
概要

1982年から1983年にかけて連続テレビアニメ『超時空要塞マクロス』がビックウエスト製作、スタジオぬえ原作という体制で放映。1984年には同作の設定や物語を再構成した完全新作アニメ映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が公開された。『超時空要塞マクロス』終了後の放送枠では、作品世界に直接のつながりはないものの「超時空シリーズ」と総称されるビックウエスト製作のテレビアニメが放映され、『超時空世紀オーガス』『超時空騎団サザンクロス』の2作をもって終了した。

1987年発売のミュージックビデオ『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』を最後にアニメ作品としての展開はいったん途絶えるが、『超時空要塞マクロス』放送開始10周年にあたる1992年、スタジオぬえが関与しないかたちでOVA『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』がリリースされる。のちに実写版ハリウッド映画後述)をはじめとする「マクロス4大プロジェクト」が始動し、スタジオぬえが原作に戻って1994年から1995年にかけてOVA『マクロスプラス』、テレビアニメ『マクロス7』がプロジェクトの一環として並行制作で発表された[4]。実写版は実現しなかったものの日本におけるシリーズ化の土台が確立し、それ以降も新たなタイトルが不定期に発表されており、2002年から2004年発売のOVA『マクロス ゼロ』、2008年放映のテレビアニメ『マクロスF』、2016年放映のテレビアニメ『マクロスΔ』といったアニメタイトルをはじめとするシリーズ作品が展開されている。2023年には新作アニメの制作が発表されている[5][注 2]

それぞれの作品に共通し、物語において重要な部分を占めているのは、「バルキリーと呼ばれる可変戦闘機の高速メカアクション」、「」、「三角関係の恋愛ドラマ」である。これら3つを織り交ぜる独創的なSF感覚が特徴であり、映像と音楽の一体化を重視している。アニメーション映像は手描きや3DCGなど、時代の変遷に沿うかたちで表現の限界に挑戦し、音楽面では歌謡曲ロックテクノオーケストラなどの多彩な音楽ジャンルが採用、劇内に登場する音楽アーティストもソロからグループアイドルバーチャルシンガー、ロックバンドなど、作品ごとに変化して登場する。河森正治 (Japan Expo 2013)

クリエイターの中心的存在はメカニックデザイナー兼演出家の河森正治。『超時空要塞マクロス』の企画当初よりメカニックデザイン、設定監修などとして携わり、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では監督を務めた[注 3]。その後は媒体が変わらなければやらないと発言していたが、10年が経過して「時効」だと言われ、『プラス』『7』を手掛けることになった[7]。この両作品以降はスタジオぬえとともに「原作」としてクレジットに記載され、OVAは『プラス』より、テレビシリーズは『F』より総監督に就き、企画、メインメカデザイン、設定、脚本、絵コンテ、商品監修など作品単体のみならずシリーズ全体を統括している。このほか、同じく『超時空要塞マクロス』に参加したコンセプトデザイナーの宮武一貴キャラクターデザイナー美樹本晴彦、メカ作画監督の板野一郎らも続けて主要スタッフとして貢献していたが、『ゼロ』以降は新しい世代が主要スタッフへと刷新していった。

『超時空要塞マクロス』では竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)を元請けにアートランドアニメフレンドなどを下請けとする体制で映像制作が行なわれ、その後のシリーズではタイトルごとに異なる制作会社が担当していたが、『ゼロ』以降は河森が在籍するサテライトが続けて制作を担当し、『F』シリーズ、『Δ』シリーズなどを手がけている。2023年に発表した新作アニメ企画はアニメ制作ブランドとしてのサンライズが担当する予定[5]

テレビシリーズの大半は毎日放送 (MBS) が製作として参加しており、TBS系列JNN系列)での放送となっている[注 4]。MBSは『ゼロ』を除くOVA作品の製作にも参加しているが、『II』のテレビ初放送はテレビせとうちが製作に参加し、テレビ東京系列で放送された。
権利問題「超時空要塞マクロス#権利問題」および「ロボテック#権利問題」も参照

日本国外では、アメリカ合衆国のテレビ番組制作・配給会社、ハーモニーゴールド USAが製作会社の竜の子プロダクションよりテレビアニメ『超時空要塞マクロス』の権利を取得し、同じく竜の子製作の『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』と合わせてひとつの作品とした「ロボテック・シリーズ」として展開しており、日本国内で『超時空要塞マクロス』の続編を展開してきたビックウエストとは互いの権利の主張で不一致があったため、「マクロス」は日本国外、「ロボテック」は日本国内での展開が行なわれない状態が続いていたが、2021年4月9日にビックウエスト、スタジオぬえ、ハーモニーゴールド USAが共同声明として同年3月1日付で世界的な権利に関する合意を締結したことを発表した[8][9]。これにより「マクロス」は世界的展開が可能となり、「ロボテック」は実写映画版の日本公開をビックウエストが反対しないことが確認され、「ロボテック」における「マクロス」のキャラクターとメカについてハーモニーゴールド USAによる日本国以外での独占的許諾が承認されることになった[9]

2021年11月20日に配信された『マクロス進宙式典 2021』で「マクロス」の世界展開が宣言され、翌21日から『II』以降のシリーズ作品における楽曲の全世界での配信が始まり、12月14日からは、日本で1995年に公開された『プラス』の劇場版『マクロスプラス MOVIE EDITION』が米国の映画館で上映された[10][11]

2024年より、Disney+でシリーズ全18タイトルの配信が開始される。『超時空要塞マクロス』と『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は日本国内配信のみで、ほかは世界配信となる[12][13]
作品一覧ゲーム作品については「マクロスシリーズ (ゲーム)」を参照
超時空要塞マクロス

シリーズ第1作。1982年から1983年にかけて放映されたテレビアニメ『超時空要塞マクロス』をはじめとする作品群。作品世界における西暦2009年から2012年にかけてを舞台とし、多数の民間人を乗せたまま宇宙を旅することになった宇宙戦艦マクロスと、戦うことしか知らない巨人型異星人ゼントラーディの戦いを描く。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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