ボイラー(boiler)は、燃料を燃焼させて得た熱を水に伝え、水蒸気や温水に換える熱源機器である。日本工業規格(JIS)や学術用語集ではボイラと表記している。汽缶(きかん、元の用字は汽罐)、あるいは単に缶ともいう。主に工場、建築物等で利用される熱や水蒸気をつくることや、蒸気機関車等の動力源として、古くから利用されており、現在でも火力発電所や原子力発電所などの発電設備ならびに大型船舶では、蒸気タービンと並んで主要な設備である。
目次
1 水の流れ
2 空気・排ガスの流れ
3 燃料・燃え殻の流れ
4 保安装置
5 法的規制
6 構造による分類
6.1 水管ボイラー
6.2 丸ボイラー
6.3 鋳鉄ボイラー
7 法規上の分類
8 主なボイラーメーカー
9 関連項目
10 外部リンク
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水の流れ
水処理装置で硬度分を除去し、給水ポンプで圧力を上げる。水位検出器で水位が調整される。特に貫流ボイラーは純度の高い水が必要である。
給水予熱器で予熱を行う。
伝熱部で燃焼ガスと熱交換を行う。
汽水分離器で蒸気と液体とを分離し、蒸気は次段に送り、液体はボイラーに戻す。超臨界圧ボイラーの場合は汽水分離器はない。
過熱器では得られた飽和蒸気を更に加熱し、過熱蒸気とする。
空気・排ガスの流れ
給気予熱器で給気の予熱を行う。
燃焼室へ送風機(押込通風機)で圧力を上げて供給する。
燃焼室で燃料と混合し燃焼・発熱させる。
伝熱部で燃焼ガスから水に熱を与える。
給水予熱器で燃焼ガスから給水に熱を与える。
誘引通風機でボイラーから燃焼ガスを吸い出す。(ボイラー内の燃焼圧力を大気圧とほぼ等しく保つ平衡通風の場合に、押込通風機とともに設置される)
排煙処理装置(電気集塵器・バグフィルタ、脱硝装置、脱硫装置など)で、煤塵、窒素酸化物、硫黄酸化物を除去し、有害物質の排出濃度を環境基準や自治体等との協定に適合させる。
煙突から排ガスを排出する。(排ガスを広範囲に拡散させる場合は高い煙突が設置される)
燃料・燃え殻の流れ
燃料貯蔵タンク・ボンベ、貯炭場・サイロなど
燃料輸送管またはベルトコンベア
微粉炭機 : 石炭を微粉炭として燃焼する場合に必要
バーナー : 完全燃焼により効率の向上を図るともに、二段燃焼・緩慢燃焼などにより窒素酸化物の発生を抑制する
灰処理装置 : 重油灰、石炭灰などを回収し、リサイクルや産廃としての処理を行う
高温高圧の気体・液体を封入する圧力容器であるので、各種保安装置が設置される。
水位検出器
水位が低い状態で燃焼を行うと爆発・破裂の危険がある。そのため起動時などに必ず試験が行われる。また、動作不良に備えて複数個設けられる。
圧力検出器
圧力が一定となるように制御するために使用される。
安全弁
缶の圧力が使用圧を超えた場合に蒸気を放出する。複数個設けられる。
炎検出器
失火し未燃焼ガスが缶内に充満すると爆発の恐れがあるため、炎が消えると速やかに燃料供給が停止され強制換気が行われる。係員の常駐する場合や、石炭焚き等の場合は省略される場合がある。
爆発戸
失火等により未燃焼ガスが充満し、引火・爆発した場合に内圧によって開き、人的被害や煙道等の損傷を軽減させる。
消防設備
火災報知器・ガス漏れ警報機・消火器・水噴霧消火装置
国内では、労働安全衛生法に基づくボイラー及び圧力容器安全規則により、設置・定期検査・取扱いが規制されている。
一定以上の伝熱面積・最高圧力のものの取扱い・保安監督は、ボイラー技士免許所持者・ボイラー取扱技能講習修了者・ボイラー取扱業務特別教育修了者が行うこととなっている。また、整備はボイラー整備士が行うこととなっている。
また、発電所に設置されるボイラーは電気事業法に基づき技術基準・設置認可・使用前検査・定期検査などが定められており、また、保安責任者としてボイラー・タービン主任技術者を選任することとなっている。
旧国鉄で蒸気機関車が現役(定期列車)として使用されていた時代は、国鉄の内規による資格者育成やボイラー検査が行われていたが、現在のJRや私鉄のイベント用蒸気機関車では、機関士に対する上記ボイラー技士免許の取得勧奨や、法に基づく定期検査が行われている。
構造による分類兵庫県にある銭湯のボイラー(銭湯用のボイラーは密閉構造でないため安全規則は適用されない)
伝熱部が水管になっているもので、循環方法により以下のように分類される。
貫流ボイラー
水を水管の一方から押し込み循環させること無く蒸気に変えるもの。