ホットスポット(hotspot)とは、プレートより下のマントルに生成源があると推定されるマグマが吹きあがってくる場所若しくはマグマが吹きあがってくるために(海底)火山が生まれる場所のことをいう。1990年代まではほとんど位置を変えることはないと考えられていたが、J・A・タルドゥーノらの天皇海山列に関する研究によりハワイホットスポットが南へ移動していたことが発見され、それまでの常識が大きく覆った。以来、地球科学のさまざまな分野に大きく波紋を投げかけている[1]。 以下の記述は、ホットスポットが不動点であることを前提としている。
目次
1 ホットスポットの成因
2 ホットスポットの地球科学上の意味
3 現在ホットスポットが所在する主な場所
4 ホットスポットの種類及び形状
5 脚注
6 関連項目
7 参考文献
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ホットスポットの成因プリュームテクトニクスとハワイ型及びタヒチ型ホットスポット
ホットスポットの成因を簡単に述べると、プリュームテクトニクスでいうところのホットプリュームの先端が地殻(若しくはプレート)の弱い部分を突き破って現れた火山ないしそれに類する地形ということができる。 すなわち、海洋プレートが海溝でマントル内へと沈み込み、その先端は徐々に深度を増していく。しかし、深度660km付近で、マントルはペロブスカイト相に遷移しており密度が高くなっているため、プレートはそれ以上沈み込みづらくここで一時滞留し、スラブとなる[2]。滞留しているうちに、スラブ内の圧力も上昇して相転移がすすみ密度が上がると、スラブは分裂し「メガリス」となって下部マントル内に沈んでいく。メガリスが周辺のマントルを冷却する(コールドプリューム)とともに対流をおこすことになり、その反動としてホットプリュームが発生する。 ホットプリュームの先端がプレートの弱い部分を突き破って火山となる。すなわちホットスポット自身はプレートの動きとは直接関係がなく、マントル内部の動きが地上に現れたものといえる。
ホットスポットの地球科学上の意味は、前述のようにマントル内部のプリュームテクトニクスが地表に顔を出したものであるほかに、プレート運動の証言者という意味がある。北太平洋の海底地形。ハワイ諸島及び天皇海山群の並ぶ様子がよくわかる
ホットスポットの典型例として挙げられるのは、ハワイ諸島及び天皇海山群である。ハワイ諸島及び天皇海山群は、アリューシャン列島とカムチャツカ半島の付け根部分からハワイ諸島まで「く」の字を横倒しにしたように並ぶ古い海底火山(海山)と火山島の列であるが、北端では7000万年前、海山列の折れ曲がる北緯40度付近では、4200万年前であることが判明している。つまり北から順に古い海底火山(海山)と火山島が並んでいることが証明された。このように岩石の年代からホットスポットの軌跡が描かれていると考えられる場所は世界で20ヶ所ほどあると考えられている。Minsterは、それらのホットスポットの軌跡のある場所がプレートの動く方向と一致しているか検証したところ、ほぼ一致するという結果が得られたばかりか、太平洋プレート、ココスプレート、ナスカプレート、インドプレートの動きが他のプレートの動きよりも早いことまで判明した(Minster et.al.1974)。反面同時に、ハワイ諸島及び天皇海山群がホットスポットによって生成された海底火山が火山島となり、プレートの移動によって活動をやめ、ベルトコンベアーに載せられたように順次北西方向に連なる海山となって海底に眠っていることも証明された。
現在ホットスポットが所在する主な場所世界の主なホットスポットの位置
ハワイ諸島
タヒチ島及びその付近
アイスランド(大西洋中央海嶺と重複)
アゾレス諸島(同上)
アセンション島(同上)
トリスタン=ダ=クーニャ諸島(大西洋中央海嶺の東方、南緯38度)
アフリカ大地溝帯
イエローストーン
ガラパゴス諸島
カナリア諸島(大西洋、モロッコの西方の海域)
カーボベルデ(大西洋、西アフリカ、セネガルの西方の海域)
カロリン諸島(太平洋、マリアナ諸島の南方、ニューギニア島の北方)