プロペラ (propeller) とは、飛行機や船などにおいて、エンジンの出力を推進力へと変換するための装置。揚力を得るための複数枚のブレード(羽根)・ブレードを支持するとともにシャフトからの出力を伝えるハブ・その他の部品によって構成される。
迎え角を周期的に変化させることが前提であるヘリコプターのローターとは、ブレードの構造など似ている部分もあるが、ピッチ関係では異なる点も多い。船の場合は一般にはスクリューと呼ばれるが、業界用語としてはプロペラである。同じ形状でも送風、排気などの目的の場合はファンと呼ばれることが多いが厳密な区分はない。プロペラの回転数を上げることで推力も上げることができるが後述のように空気中でも水中でも限界がある。
目次
1 理論
1.1 ねじり下げ
2 飛行機のプロペラ
2.1 歴史
2.2 種類
2.3 ブレード
2.3.1 材料
2.3.2 形状
2.3.3 枚数
2.3.4 防氷・除氷
2.4 ハブ
3 船のプロペラ
4 関連項目
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地上で静止しているときは、プロペラが感じる速度は回転速度だけである。しかし飛行中には、回転速度と飛行速度とをベクトル的に合成したものになる。
回転中のブレードの流れに対する相対速度は、先端ほど大きい。揚力を効率よく発生させるために、先端に行くほど各翼素の回転中の迎え角が小さくなるよう、ねじり下げがつけられている。
レシプロエンジン(ピストンエンジン)かターボプロップエンジンに取りつけて使用される(プロップ (prop) はプロペラ (propeller) のこと)。
歴史第二次世界大戦中の1942年11月9日にフェロー諸島で墜落した、イギリス空軍所属機のプロペラ。
ジェットエンジン登場以前、飛行機の推進装置はレシプロエンジンとプロペラの組み合わせが一般的だった。2度の世界大戦を経て航空技術が大きく発展し機体の速度が大きくなると、飛行速度と回転速度の合成であるプロペラの対気速度、特に先端での速度が音速に近づき始めた(遷音速領域)。ブレードの一部が音速を超えると衝撃波が発生し、効率が大きく低下する。そこで、プロペラ先端での合成速度が遷音速になるような飛行速度以上での飛行には、プロペラでなくジェットエンジンを使うのが一般的となっている。ジェットエンジンは空気取り入れ口でいったん気流の速さを音速以下に下げるため、ファンやコンプレッサブレード先端(の合成速度)が超音速となって効率が悪化することはない。第一次世界大戦時の戦闘機 フォッカーDr.Iのプロペラ。木製でハブとブレードが一体となった固定ピッチ。エンジンの出力が小さく、ブレードは2枚しかなかった。日本が戦後唯一製作した旅客機のYS-11のプロペラ。材質には零戦で使用したものと同じものが使用されているという。運動性や安定性を考慮し、ターボプロップ双発型の旅客機としては当時としてもかなり大きめのプロペラを採用している。
大きくピッチが固定のものとピッチを変えられるもの(可変ピッチプロペラ)とに分けられる。可変ピッチのものでも、ピッチの切り替えを手動で行うものと、状態に合わせて自動的にピッチ調節がなされるものとがある。
固定ピッチプロペラ
ブレードのピッチが固定されたもの。木製や初期のアルミ合金製のものなど。
選択ピッチプロペラ
離陸時(低ピッチ)と巡航時(高ピッチ)の2段階や、多段階にピッチを切り替えられるようなもの。
定速プロペラ
ピッチでなく回転数を選択するもの。ピッチの調節は、回転数を保持するように自動的に行われる(プロペラガバナ(調速機)による)。選択した回転数(回転速度)を一定に保つので「定速」と呼ばれる。
可変ピッチプロペラの中には次のような機能を備えたものもある。
リバースピッチ
負の迎え角にすることで逆向きの揚力(つまり後ろ向きの推力)を発生させる機能。着陸直後にピッチをリバースにすることで着陸滑走距離を短縮できる。ジェットエンジンにおけるスラストリバーサと同様の機能。接地よりも地上数十メートル手前でリバースピッチにして急減速する操縦テクニックもある。
フェザリング
フルフェザーとも。エンジンが故障で停止したときや地上係留中など、プロペラが回転しない状態での空気抵抗を最小にするために、風とブレード面をほぼ平行に(迎え角がゼロ揚力角となるように)して固定する状態。
初期の固定ピッチプロペラでは中実の木製だった。その後アルミニウム合金を鍛造したもの(中実)が主流となり、一部には鋼製の中空ブレードも存在した。複合材料の発展にともなって繊維強化プラスチックなどが使用されてきている。第二次世界大戦時の戦闘機 スピットファイアMk. IX(マーク9)のプロペラ。