プリン塩基(プリンえんき、purine base)とは、プリン(環を基本骨格とする生体物質で核酸あるいはアルカロイドの塩基性物質であるものの総称である。プリン体(プリンたい)とも総称される。
核酸塩基であるアデニン(図1.2)、グアニン(図1.2)などヌクレオシド/ヌクレオチド以外にもNADやFADの成分として、あるいはプリンアルカロイドのカフェイン(図1.7)、テオブロミン(図1.6)などが知られている。
目次
1 プリン代謝
1.1 生合成
1.2 尿酸合成
2 プリンヌクレオシド / プリンヌクレオチド
3 関連項目
4 出典
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プリン代謝は核酸塩基の同化作用という意味合いの他、特に陸棲の動物においては、尿素を生成するオルニチン回路と共に体内の過剰な窒素の排泄作用においても重要である。したがってプリン代謝は核酸の新生経路(de novo pathway)および核酸のサルヴェージ経路(サルヴェージ経路、salvage pathway)の他に尿酸合成を介して尿素(図1.8)を生成する経路が知られている。
プリン塩基の生合成は新生経路(デノボ経路、de novo pathway)とサルヴェージ経路の二系統のプリン塩基合成経路が存在する。
新生経路は5-ホスホ-α-D-リボシル二リン酸を出発物質として、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸からリボースリン酸上にプリン(骨格を構築し、中間体のイノシン酸を生成する。
イノシン酸からは、酵素によりアスパラギン酸由来のアミノ基が導入されて、アデニル酸(AMP)が、グルタミン由来のアミノ基が導入されて、グアニル酸(GMP)が生成する。
一方、アデニン‐リボースリン酸転移酵素(EC2.4.2.7)やヒポキサンチン‐リボースリン酸転移酸素により、分解されたプリン塩基からヌクレオチドを再生するサルヴェージ経路からも生合成される。
イノシン酸よりヒポキサンチン‐リボースリン酸転移酸素により生成するヒポキサンチン(図1.4)はサルヴェージ経路で再生される一方、キサンチンオキシダーゼにより尿酸(図1.8)が生成される。尿素排泄型の動物においては尿酸は尿酸酸化酵素によりアラントインを経由して尿素にまで分解される。
プリン塩基を持つ代表的なプリンヌクレオシドおよびプリンヌクレオチドの一覧を次に示す。
塩基略号構造式DNA
or
RNAヌクレオシドリボヌクレオチドデオキシリボヌクレオチド
アデニンADNA
and
RNAアデノシンアデノシン一リン酸 (AMP)
アデノシン二リン酸 (ADP)
アデノシン三リン酸 (ATP)デオキシアデノシン一リン酸 (dAMP)
デオキシアデノシン二リン酸 (dADP)
デオキシアデノシン三リン酸 (dATP)
グアニンGグアノシングアノシン一リン酸 (GMP)
グアノシン二リン酸 (GDP)
グアノシン三リン酸 (GTP)デオキシグアノシン一リン酸 (dGMP)
デオキシグアノシン二リン酸 (dGDP)
デオキシグアノシン三リン酸 (dGTP)
出典
長倉三郎 ほか(編)「プリン塩基」『岩波理化学辞典』第5版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。
八杉龍一 ほか(編)「プリン塩基」「プリン生合成」「プリン代謝」『岩波生物学辞典』第4版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。
柳田充弘「プリン塩基」『世界大百科辞典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
核酸塩基
ヌクレオシド | ヌクレオチド | ピリミジン塩基 - シトシン - チミン - ウラシル | プリン塩基 - アデニン - グアニン
表・話・編・歴代謝
解糖系 - 糖新生 - グリオキシル酸回路 - クエン酸回路 - 電子伝達系 - 脂質代謝 - メバロン酸経路 - アラキドン酸代謝 - アミノ酸代謝 - 尿素回路 - プリンの合成と分解 - ピリミジンの合成と分解 - ヘムの合成と分解 - 葉酸 - ペントースリン酸経路