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キログラム(kilogram)

国際キログラム原器のイメージ
記号kg,s
国際単位系(基本単位)
質量
定義国際キログラム原器の質量
 ・話・編・歴 

キログラム(瓩、記号:kg,s)は、国際単位系 (SI) における質量基本単位である。国際キログラムともいう。

グラムはキログラムの1000分の1として定義される。またメートル系トンはキログラムの1000倍(1メガグラム)に等しいと定義される。
目次

1 定義

1.1 当初の定義

1.2 現在の定義

1.3 普遍的な物理量による定義へ


2 グラムとキログラム

3 重量との関係

4 分量・倍量単位

5 表記

6 関連項目

7 注釈、出典

8 外部リンク

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定義

1キログラムの現在の定義は、「国際キログラム原器の質量」である。SIにおいて、今なお普遍的な物理量ではなく人工物に基づいて値が定義されているのはキログラムだけである。また、基本単位に接頭辞がついているのもキログラムだけである。


当初の定義

1キログラムの当初の定義は「1リットル質量」である。当初案の定義では、「大気圧下で氷の溶けつつある温度(すなわち0度)における水について」となっていたが、その後、水の体積は温度依存することが分かり、結果として定義は、1790年に「最大密度(=液温摂氏4度)における蒸留水1立方デシメートル(1リットル)の質量」と定義された。しかし、水の密度は気圧と温度に影響され、気圧にはその因子に質量が含まれている。すなわちこのキログラムの定義には循環依存が含まれていることになる。


現在の定義

この問題を避けるため、キログラムは特定の温度・気圧における蒸留水の質量として再定義された。1889年、キログラムは「国際キログラム原器の質量」と定義された。国際キログラム原器は1キログラムの質量を示すものとして1870年代に作成されたものであるが、これがキログラムの定義に使用されることとなった。

国際キログラム原器はプラチナ(白金)90%、イリジウム10%からなる合金でできており、直径・高さともに39mm円柱である。

フランスパリ郊外セーヴル国際度量衡局に、二重の気密容器で真空中に保護された状態で保管されている(世界のすべての質量計測の基準であるので、万一にもなどにより質量が変化しては困るのである)。国際キログラム原器の質量は "Le Grand Kilo" と呼ばれる。

国際キログラム原器を元に40個の複製が作られて各国に配布・保管されており、約10年ごとに特殊な天秤を用いて国際キログラム原器と比較されることになっている。日本には1889年に複製のうちの1つ (No.6) が配布され(日本到着は翌1890年)、日本国内ではこれをキログラムの基準に使用している。この日本国キログラム原器は現在、茨城県つくば市独立行政法人産業技術総合研究所に、国際キログラム原器と同様の容器内に保管されている。日本国キログラム原器は国際キログラム原器に比べて0.170mg重いことが分かっている。

国際キログラム原器の質量は、表面吸着などの影響により年々増加しており、その量は年に0.1μg程度と見られている。1980年代に42年ぶりに国際キログラム原器の洗浄が行われたが、これにより国際キログラム原器の質量は約60μg減少した。これは1キログラムの6×10-8倍に当たるので、現行の国際キログラム原器による定義の精度は8桁程度ということになる。

2007年9月、国際キログラム原器が50μg軽くなっている事が判明した。“50μg”とは指紋が付いた分に相当するという。同時に作られた複製品には異常がなく、また厳重保管されているのに、なぜこのような状態になったかは未だに不明。


普遍的な物理量による定義へ

他のSI基本単位は普遍的な物理量に基づく定義に改められているのに対し、キログラムだけが人工物に依存する単位として残ってしまった。人工物による定義では、経年変化により値が変化し、また、焼損や紛失のおそれもある。1970年代から、普遍的な物理量によるキログラムの定義が検討されてきた。

現在の定義に変わる新しい定義の候補として、アボガドロ定数プランク定数などを用いた各種の提案がある。

その中で最も有力なのが、一定個数のケイ素 (Si) 原子の質量をキログラムとするという原子質量標準である。アボガドロ定数の値をより正確に求めることができれば、そこからケイ素1キログラムに含まれるケイ素原子の数を決定することができる。ケイ素が採用されたのは、ケイ素が不純物を含まない単結晶を作りやすいからである。現在、国際度量衡委員会 (CIPM) が中心となって、各国の研究機関でケイ素を用いてアボガドロ定数の不確かさを少しでも小さくするための研究が行われている。

現在のアボガドロ定数の値 NA = 6.022 141 5(10)×1023 mol-1(CODATA2002年推奨値。括弧内は標準不確かさ)には、7桁目に不確かさがある。現行の定義による精度は8桁なので、あと1桁精度を上げることができれば、キログラムの定義を原子質量標準に置き換えることができる。なお、アボガドロ定数のCODATA2002年推奨値は、日本の産業技術総合研究所(産総研)とドイツの物理工学研究所 (PTB) によって報告されたもので、各研究機関からの報告の中で最も信頼性が高いとして2002年の推奨値に反映されたものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki