ハーレムとは、一人の男性に対して複数の女性が取り巻く場所、環境、状態のことを指す語である。生物学ではゾウアザラシやアシカなどのつくる、1匹のオスと多数のメスからなる繁殖のための群れをハーレムという。
詳細はハレムを参照
ハーレムという語は、英語のharem が日本語に取り入られた語である。harem は、ヨーロッパの諸言語へはトルコ語のharem が伝わった。トルコ語のハレムは、アラビア語でハレムに相当する空間をいうハリームと同じ語根(HRM、「守られた」「禁じられた」という意味)をもつ単語「ハラム(haram)」のトルコ語化した形である。英語には、17世紀の前半には取り入れられている。
語源であるアラビア語のハリーム(har?m)及びそれとほぼ同義のトルコ語のハレム(harem)は、西アジアの伝統的な社会生活習慣において、家庭に設けられる女性の居住するための空間をいう。西アジア社会におけるハリーム・ハレムを日本語でハーレムということも多いが、歴史学ではトルコ語の発音をそのまま音写し「ハレム」とすることが一般的である。「ハレム」の表記は歴史学以外にも学術的に定着しつつあり、ゾウアザラシのつくるハーレムもハレムと書かれることは少なくない。
この言葉は一夫一婦制を原則とするヨーロッパにおいて、イスラム教の認める一夫多妻制のイメージと結び付けられ、西アジアに限らず、ひとりの夫に対して多数の妻あるいは妾が仕える制度のことをいうようになった。
イスラム教は、一人の男性が四人まで妻を持つことができる一夫多妻制を容認している。さらに非ムスリム女性を妾としていても使用人として扱い妻に数えないため、四人以上の大勢の女性を囲うことができる。実際には、産油国の王族や宗教指導者など経済的に余裕のある男性でないと一夫多妻を維持することは難しく、一般のムスリムは必然的に一夫一婦とならざるを得ない。
また、現代ではハーレムという言葉が、一人の男性が複数の異性と交際関係あるいは婚姻関係を結ぶ状況を指して用いられる局面も多い。こうした意味でのハーレムは、一夫一婦制が定着した社会では倫理的にネガティブなイメージを伴いやすく、しばしば一人対複数からなる男女関係をスキャンダラスに取り上げる際に用いられる。
さらに、現代の日本ではより軽いニュアンスとして、女性ばかりが数多くいる空間、とくにそのような空間に少数の男性が存在するような状況を指して「ハーレム」ということがある。こうしたハーレムの語義は「ハーレムアニメ」というような日本発の言葉として海外に逆輸出すらされている。
関連項目
ハレム
一夫多妻制
一夫一妻制
カテゴリ: 性の文化 | イスラームにおける性の文化
更新日時:2008年6月27日(金)12:14
取得日時:2008/08/31 13:43