ハードロック(hard rock)は、ロックの一形態。ブルーズを基調とする激しいロックを指す。歪んだ音のエレクトリック・ギターを強調したサウンド形態が特徴。起源は曖昧であるが、1960年代後期にはほぼ確立したジャンルと言える。「ディープ・パープル」や「AC/DC」などが典型的なスタイルとされる。なお、「ヘヴィメタル」との境界については、明確な定義がなく曖昧である。
目次
1 概観
2 歴史
3 偶然が生んだサウンド
4 主要ミュージシャン
5 参考文献
6 関連項目
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ハードロックの定義は人によって微妙に異なるが、概ね以下の特徴などが挙げられる。
大音量での演奏
主にギター音をディストーション等で歪ませた荒々しい(または猛々しい)サウンド
裏拍にアクセントを置き、かつそれを執拗に強調する直線的なタテノリ
低音を強調したサウンド作り
これらの事(3だけが音楽形式)から明らかのように、音楽形式としての分類と言うよりは「サウンド形式」での分類であると考えた方が良い。
ベース&ドラムが、時にギター、キーボードも同じ符割(フレーズも同一の場合も多い)を演奏するスタイル(ユニゾンと云う)を好んで採用する点を取り上げれば、演奏形式での特徴も存在すると言えるが、これは前記サウンド特徴を作り出す為の必然(従の位置付け)であると考えるのが妥当であろう。
上述のようなサウンド特徴を演出するに主役の座に着きやすいのはエレクトリック・ギターである。その為エレクトリック・ギター中心のバンド構成になりがちな傾向がある。
ハードロックに限らずロック全て、だけに留まらずポピュラー音楽の発展はブルースとの関連抜きには語れない。ブルースは広く知られている通り、そもそもは奴隷状態下に置かれたアメリカの黒人の労働歌、鎮魂歌、子守唄、習俗を唄ったもの等に起源しており、これ故「簡素でわかりやすい形式」(I→IV →Vを基本形とする単純なドミナント進行)であり、またその境遇故に唄われる内容は少なからずプロテストな色彩であった。ジャズもブルース起源であるが、こちらはブルースのもう一つの顔である「辛辣、痛烈な批判を物語り調にしたり、暗喩にして、ユーモアのオブラートで包みソフィスティケイトする」手法(奴隷であった彼らは白人への不満を直接的に口に出来なかったからである)の流れの方を強く汲んでおり、その後の発展に伴って随分と違う毛色になっている。またアメリカに於いては先にジャズが発展した影響からか、黒人のお膝元であったからか、ロックというストレートなものにはならずに、ロックンロール、ロカビリーという黒人音楽っぽさを色濃く残すかたちで発展した。1950年代はフィフティーズ文化でも想像が付く通り、文化的にはアメリカが世界各国の若者の心を鷲掴みにしていた時代である。
より直接的な感情の発露の道具としてブルースの方が最適であった事から、ブルースを基調とする質実剛健でソリッドな音楽をやり出す者が次々表われ、イギリスではちょっとした「ブルース・ブーム」になった。これがハードロックを含むロックの原点である。ブルースから発展したロックンロール 、ロカビリーが既に存在していたアメリカ社会にとればブルースは「もう既によく知っている」「古い」音楽であり、しかも(この当時は今より曝ら様に黒人差別があったので)黒人音楽であるが故の偏見も手伝って原点であるブルース回帰する流れは一部のミュージシャンなどアンダーグラウンド的なものに留まった。
ロックはブルースから「簡素でわかりやすい形式」と「プロテスト的な色彩」とをストレートに受け継ではいるが、これを黒人文化には直接的に影響を受けていないイギリス人が再解釈したものであるので、アメリカのロックンロール 、 ロカビリーが半ば必然的に持っていた「跳ねるリズム感覚」(俗に「黒っぽさ」とも言われる)は希薄である。リズムが跳ねた感じになるのは表拍にアクセントが置かれるからで、クラシック音楽もロックと同様「表拍にアクセントがある」のを基本としており、イギリスはそもそもクラシック音楽文化圏であるからロックも跳ねないリズムが基本になったのであると考えられる。
「ハードロック」の起源とされるのは、1963年にデビューしたヤードバーズや1966年にデビューしたクリーム、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが挙げられる。彼らはブルーズとロックを融合し新しいスタイルを呈示してみせた。
共通するのは歪んだギター、ベースのサウンド(ディストーション・サウンド)と「直情的な音表現」である(サウンドに関しては後述「偶然が生んだサウンド」を参照)。後者をより具体的に表現するならチョーキング、アーミングの使用である。誤解を避けるために更に補記すると、チョーキング、アーミングを使い出したのは何もハードロックが最初ではない。ただ、例えばチャック・ベリーなどが用いたチョーキング、ベンチャーズが多用したアーミング、何れも「ユーモラスな」または「コミカルな」音ニュアンスを表現するもので、「肉感的」または「叫び声のよう」と評される事の多いロック系のそれとは明らかに趣を異にする。
1968年にはジェフ・ベック・グループ(第一期)、レッド・ツェッペリンがデビューし世界に衝撃を与える。1970年には後にヘヴィメタルの教祖的存在となるブラック・サバスがデビュー。ディープ・パープルがハードロックに転向。