アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞は、1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年のためノーベル協会に働きかけ、ノーベルを偲んで設立された賞である。一般にはノーベル経済学賞と呼ばれている。
目次
1 概要
2 選考基準
3 批判
4 選考方法
5 ノーベル経済学賞受賞者
5.1 1960年代
5.2 1970年代
5.3 1980年代
5.4 1990年代
5.5 2000年代
6 関連項目
7 外部リンク
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アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞は、アルフレッド・ノーベル自身が設置、遺贈したものではなく正確にはノーベル賞ではない。そのため、他の賞と違ってノーベルの遺産から賞金は支出されていないが、選考方法や賞金額、授賞式などの諸行事はノーベル賞に準じて定められ、実施されている。受賞は1969年より開始された。ノーベル財団とスウェーデン王立科学アカデミーにより選考・認定され、選考はスウェーデン王立科学アカデミーによって行われている。他の部門と同じく、1回に受賞可能な人数は3人が上限であり、共同受賞の場合は同じ受賞理由が適用される。
経済学者のなかでは選考基準が曖昧なことでも有名であり、議論が分かれている。真に優秀な経済学者および経済学に大きな影響を与えた研究者に授与されていることも確かであるが、当確・確定と言われている大物が逃していたり、最先端の研究者に与えたかと思えば大昔の研究者に賞を与えたり、以前に受賞した同じような研究に遡って与えたりしている。1974年のハイエクへの受賞、1976年のフリードマンの受賞は、それぞれオーストリア学派およびマネタリズムへの関心を一気に高める結果となった。また新古典派価格理論と市場主義的自由主義をその特色とするシカゴ学派に関係した人々の受賞が多いが、これはシカゴ大学が経済学研究において世界トップレベルの大学の一つであることも意味しているとの評価もある。
1995年の2月には、経済学賞を社会科学と再定義することが決定された。これによってより政治学、心理学、社会学などの経済学と接する分野の学者にも賞が与えられる可能性が大きくなった。同時に以前は全員経済学者であった5人の審査員のうち2人は非経済学者とすることが規定された。これ以前からも制約合理性のハーバート・サイモンや心理学者ダニエル・カーネマンや数学者ジョン・ナッシュのような経済学者ではない他分野の受賞者もよくみられる。またノーベル賞に数学賞は存在しない(これについては有名な噂ないし勘ぐりがある)が、高度な数学をもちいる経済学は数学者が受賞出来る可能性の高い分野の一つであり、実際に数学者のレオニート・カントロヴィチなどが受賞しているし、日本人では伊藤清が有力な候補とされる。完全な理系分野である生物学のジョン・メイナード=スミスでさえ有力な候補とも言われていた。このようにノーベル経済学賞は心理学・政治学・数学・物理学・生物学・計算機科学・経営学・統計学・哲学・社会学など幅広い分野の人間が受賞する可能性が存在する。
ノーベル経済学賞の設置自体が間違いであったと考える者も多い。1997年にはノーベル文学賞の選考機関であるスウェーデン・アカデミーが経済学賞の廃止を要請した。
ノーベル家の一部の人達はこの賞をノーベル賞として認めていないだけではなく、ノーベルの名の使用にも抗議している。2001年にはノーベルの兄弟の曾孫にあたるスウェーデン人の弁護士ら4人が地元紙ダーグブラデットに寄稿。経済学賞は「全人類に多大な貢献をした人物の顕彰」というノーベルの遺言の趣旨にそぐわないと批判した。
ノーベル経済学賞の選考は、物理学賞、化学賞と同様にスウェーデン王立科学アカデミーによって行われる(生理学・医学賞はカロリンスカ研究所、平和賞はノルウェー国会、文学賞はスウェーデン・アカデミーによって行われる)。選考にはおよそ1年の期間が費やされ、その過程は秘密とされている。
選考に際しては、毎年9月に王立科学アカデミー内に設置された経済学賞の委員会が翌年の候補者の推薦依頼状を推薦権所持者に送付し、候補者を集める。推薦権を所持するのは、王立科学アカデミーの会員と委員会の構成員、過去の受賞者、北欧諸国の大学の経済学の教授、世界から選ばれた大学の経済学部門の長、特別に選ばれた個人などであり、締切りは1月の末である。