ネガフィルムとは、被写体の明暗や色が反転した画像がつくられる写真フィルムである。カラーフィルムの場合、色は被写体の色の補色(陰画)が現れる。プリント時に再反転されることで普通に見られる画像(陽画)となる。
なお、ここでは主にカラーフィルムについて解説される。モノクロフィルムについてはモノクロフィルムの項を参照のこと。
目次
1 写真用・映画用
1.1 概要
1.2 現像
1.3 プリント(焼き付け)
1.4 主な種類
1.4.1 富士フイルム
1.4.2 コダック
1.4.3 DNPフォトマーケティング
1.4.4 コニカミノルタ
1.4.5 アグフア・ゲバルト
1.5 主にネガフィルムで作品を撮っている著名写真家
2 印刷専用
3 デジタルカメラの影響
4 脚注
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写真専用のフィルムとしては、カラー、モノクロ共に最も多く使用されており、感度や色調など多様な種類が販売されている。ただ今日ではネガフィルムと言えばほとんどの場合カラーネガフィルムを指す[1]。日本では、富士フイルム、コダックなどによって製造または販売されている。
写真用としてはプロ・ハイアマはリバーサルフィルムを志向することが多かった(印刷用途に向いた透過原稿を得られること、発色の特性、撮影時に写真としての結果が確定することなどから。プリントを得るためにはネガフィルムが最適とされ、用途の違いによって志向対象が異なっている。)。映画用としては逆に、一部のアマチュア向け規格以外ではネガフィルムを使うのが普通であるという逆転現象が見られた。
プリントすることを前提とした写真フィルムである。一般にラチチュードは広く、プリント時に色の補正がしやすい特性となっている。カラーフィルムでは色補正をしやすいようにフィルムベースはオレンジ色に着色されている。これらのことから扱いやすく、またリバーサルフィルムよりも階調のなめらかさに優れることから、プロ、アマチュアを問わず広く使われている。
プリント時に補正ができることは利点ではあるが、逆に自分の意向が反映されにくいという側面もある。写真店での補正一つで全く印象の異なる写真に仕上がる場合も多く、思い通りの色を再現するには写真屋に指示を出して、補正してもらわなければならない(以下のプリントの項を参照)。
また、使用される感光剤の関係で、ネガフィルムの方が現像や焼き付けの処理が簡素であることも広く普及した理由の一つである。高感度と高画質を両立する開発競争が進み、現在ではISO800、1600といった高感度フィルムでもざらつきの少ない高画質なものになってきている。
35mmフィルムやAPSフィルムであれば、一般の写真店で現像やプリントの処理ができ、1時間程度で処理してもらうことができる。
カラーネガフィルム用の現像液を使い、規定のプロセスで現像する。カラーネガ現像プロセスの元々の規格はコダックのC-41であり、フジフイルムはCN-16。少々の差はありこだわる向きはラボがどのメーカーの処理を行っているかを意識した方が良いが、通常は完全互換と考えて良い。
C-41(及びその類似の)プロセスは1. 発色現像、2. 漂白、3. 水洗、4. 定着、5. 水洗、6. 安定、7. 乾燥の順に処理される。このC-41は機械によって自動的に処理することを念頭において設計された処理であり、比較的高温の液で比較的短時間に処理するようになっている。各工程のうち、1. 発色現像の際の液温管理が比較的厳密であることが求められ、これがカラーフィルムの自家処理が難しいとされる主な理由である。もっとも、難しいのはここだけであるとして自家処理している者もいる。カラーフィルムは各色の感色層によって成り、それらが重なることで天然色を表現している。発色現像液はフィルム表面から浸透し、より表面の側の層と反応し微妙に液が変化しながらより中の層を反応させていく。薬液の温度と組成、カラーフィルムの各層のバランスはこの微妙な液の変化を織り込んでカラーバランスが適切になるように設計されており、許容誤差範囲外で処理されれば得られるネガは適切ではなくなってしまう。これがモノクロフィルムのように現像を工夫して思いどおりのネガを得るテクニックが実用にならず、増減感といった例外を除いては、基本的に規定のプロセスでのみカラーフィルムが処理される理由である。言い換えれば多少の不安定さを許容すれば厳密なC-41でなくとも現像そのものはできるのである。この発色現像の後の過程はいずれも十分に行うことが必要なだけの処理なので発色現像ほどの厳密さは求められていない。
C-41とほぼ同様の結果を得られる一方で、現像時間を短くしたり水洗を省略するなどして処理を迅速化したC-41BやC-41RA(フジフイルムではCN-16Sなどと呼ぶ。)などが存在する。非常な短時間[2]で処理するミニラボではこれらの処理が行われていることがほとんどである。迅速化された処理の方が粒状性、色再現、保存性などで少々劣るとされるが、迅速化の要求は非常に強いためにこのような処理が多用されている。
またスピード現像機、シネ現像機、吊り現像機など現像機の種類により現像液の温度、発色具合が異なる点からその仕上がり具合が異なり、後のプリントへ影響することもある。
フィルムは撮影後から現像するまで潜像退行と呼ばれる撮影の逆反応が起き、像が劣化していく。感度低下が主な症状だが、さらにカラーフィルムでは各感色層で一様に進むわけではないためカラーバランスの崩れの原因となりうる。撮影済みフィルムをなるべく早く現像することが推奨されるのはこのためである。現在販売されているフィルムなら少々の期間なら問題は起こらないものばかりだが、早めに現像するにこしたことはない。この反応は高温高湿であるほど早く進むため、撮影後しばらく現像できない時はなるべく低温低湿の場所で保管することが望ましい。