トロイの木馬(トロイのもくば、Trojan horse)は、コンピュータの安全上の脅威となるソフトウェアの一つである。ギリシア神話に登場するトロイの木馬になぞらえて名前がつけられた。なお、トロイの木馬は、自己増殖機能がない事からコンピュータウイルスとは区別されている。しかし、目的が悪意のあるものがほとんどなため、一般的にはウイルスとして認知されている。毎年いくつかの新種と、膨大な数の亜種が作り出されている。そのうちのいくつかは、例えばProRatや、NetDevilのように無料でインターネット上で配布されている。
目次
1 概要
2 トロイの種類
2.1 バックドア
2.2 パスワード窃盗型・トロイ
2.3 トロイのクリッカー
2.4 トロイのダウンローダ
2.5 トロイのドロッパー
2.6 トロイのプロキシ
3 感染経路
4 対策
5 外部リンク
6 関連項目
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トロイの木馬は、様々な経路を通じて被害者がダウンロードしたプログラム実行形式のファイル(Windowsであれば.exeにあたる)を実行することから悪意ある動作を開始する場合がほとんどである。また、種類にも寄るが、大半のトロイは、大きく分けて二つのファイルを必要とする。ひとつはサーバ、そしてもう一方は、クライアントと呼ばれている。被害者が実行するのはサーバのほうである。これを実行することにより、被害者のパソコンは、ファイル名が暗示するように、一種のサーバと化す。一度サーバ化に成功すると、クライアントを使えば、いつでも、どこからでも、攻撃者の好きな時に被害者のパソコンに秘密裏に接続することが可能となる。トロイの木馬は、その果たす役割からいくつかの種類に分別されているものの、多くのトロイは意外なほどファイルサイズが小さい。ひとたび実行されると、被害者の同意を一切得ずに、秘密裏にハードディスク内、もしくはメモリ内に自身を複製、インストールする。また、Windowsに感染するほとんどのトロイはレジストリを被害者の同意を得ずに、秘密裏に改変、削除、追加を行う。トロイは、被害者のネット接続設定やファイアウォールの設定を変更し、攻撃者任意のポートを開放し、外部からの接続を許可する。これにより攻撃者は被害者のパソコンを乗っ取って様々な被害をもたらす。例としてはキーロギング、プログラムの追加/削除、ファイルの追加/削除、アンチウイルスソフトの無効化、被害者のデスクトップ画面の撮影、パスワードの奪取、ウェブからの悪意あるプログラムのダウンロードなどがある。
2005年、日本国内でも、不正ソフトウェアを仕込んだCD-ROMを、送り主を銀行と偽りインターネットバンキングサービスのユーザに送りつけ、不正送金を実行させた事件が発生した。なお、一部マスメディアではスパイウェアだとして報道されているが、不正ソフトウェアの分類的にはトロイの木馬が正しい。
また2005年11月、ソニー・アメリカの関連会社Sony BMGが、コピーコントロールCDに悪質なマルウェア(rootkit型)を仕込んだとして問題になった。
これらの対策については、OSの設定で、CD挿入時の自動再生を無効にする必要がある。
一見、普通のプログラムのように見えるため、無害だと思って実行するとデータを削除したり、最悪の場合はシステムが壊れたりする。
最近では、BADTRANSワームがトロイの木馬型ウイルスとして猛威をふるった。 なお厳密には、ウイルスが、ある特定のファイル(プログラム=実行ファイル)に埋め込まれたプログラムであるのに対して、トロイの木馬は独立のプログラムで、侵入者が直接起動したり、時間指定やほかのプログラムの実行などをトリガにして起動したりする点で、別ものとされているが、広義にはウイルスとして扱われることも多い。
トロイの木馬は、以下のような種類に分類されている。
バックドアは被害者の認識を経ずにインストールされ、実行される遠隔操作のためのプログラムである。バックドアは最も危険なトロイの一種とされている。クラッカーやハッカーの間ではしばしば"RAT"(Remote Administration Toolの略)と呼ばれている。OSの管理者権限を持っているかのように振る舞うため、他のトロイに比べ、比較的検知率が低い。公正な遠隔操作プログラムと異なるのは、被害者に無断かつ秘密裏にインストール、実行されるという点がほとんどであり、プログラムの機能自体は、公正なそれと大した差はない。代表的なバックドアは以下のような機能を持つ。
外部からのあらゆるシェルコマンドの実行
被害者のスクリーンの撮影
プログラム、データファイルの実行、停止、削除
被害者のハードディスクへのファイル、プログラムのアップロード/ダウンロード