トルコ石
分類リン酸塩鉱物
組成CuAl6(PO4)4(OH)8?4H2O
晶系三斜晶系
色青から緑
条痕白、薄い青色
光沢ガラス光沢、ロウ光沢
蛍光なし
硬度5.5-6
比重2.6-2.9
劈開不明瞭
断口貝殻状
ウィキプロジェクト 鉱物
表・話・編・歴
トルコ石(トルコいし、turquoise、ターコイズ)は青から緑の色を持つ不透明な鉱物である。化学的には水酸化銅アルミニウム燐酸塩であり、化学式では CuAl6(PO4)4(OH)8?5H2O と表される。良質のものは貴重であり、宝石とみなされる。12月の誕生石でもある。
その色合いのために、数千年の昔から装飾品とされてきた。近年では他の多くの不透明の宝石と同様に、表面処理されたものや模造品・合成品が市場に出回っていて問題となっている。専門家でもその鑑定は難しい。
英語では turquoise (ターコイズ)という。この語の語源は古くはっきりしないが、フランス語の pierre turquoise (トルコの石)に由来するといわれている。これは幾分かの誤解を含んでおり、トルコでトルコ石が産出されたわけではなく、アトラス山脈周辺の砂漠で産出されたものが貿易でトルコを経由してヨーロッパへ広がったのちになじみの深い宝石になり、「トルコ石」と呼ばれるようになったとされている。
目次
1 特徴
2 性質
3 生成
4 産出
4.1 イラン
4.2 シナイ半島
4.3 米国
4.4 その他の産地
5 歴史
6 模造品
7 人工処理
8 価値付けと手入れ
9 関連項目
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特徴
質の良いものは鮮やかな青色だが、不純物に鉄を含むと緑色になる。
銅やアルミニウムを含むリン酸塩の岩石に水の作用が働いたときにできる。鉱床は、乾燥地帯で発見されることが多い。
熱と日光に弱いため屋外に放置しない。
トルコ石は良質のものでもやや脆い。モース硬度では6以下。トルコ石は単結晶を作ることがほとんど無い隠微晶質鉱物なので、性質は変異に富む。X線回折によると、結晶系は三斜晶系である。硬度と同様に比重も低く、2.60?2.90である。また多孔質である(これらの性質は結晶の粒度に左右される)。トルコ石の光沢は、通常はろう光沢〜準ガラス光沢である。通常は不透明であるが、薄いものでは半透明性を示すことがある。色も変化に富んでいて、白〜淡青色〜空色、または青緑色〜黄緑色の範囲に変化する。青色は銅による発色であり、緑は不純物の鉄によるものか、または脱水によるものである。
トルコ石の屈折率は約1.61?1.62である(589.3nmのナトリウム光による計測)。この値は宝石用屈折計で得られた単一の値の中間値であるが、トルコ石がほとんどの場合多晶質であることが影響を与えている。希な単結晶標本から、1.61-1.65(0.040の差は複屈折によるもの)という屈折率が得られている。小型の分光計で吸収スペクトルを見ることができ、432nmの鋭い吸収と460nm付近の弱い吸収帯を示す(これは強い反射光で見るのがよい)。長波長の紫外線を当てると、トルコ石はときに蛍光を発することがあり、緑、黄色、明るい青などに光る。短波長紫外線やX線には反応しない。
トルコ石は一般に不溶性だが、熱した塩酸には溶ける。条痕は薄く青みがかった白。断口は貝殻状で、ろう光沢が残る。トルコ石は宝石の中では比較的柔らかいが、よい磨き粉になる。トルコ石の表面に黄鉄鉱が斑点状に分布していたり、暗い色の褐鉄鉱の筋が網目状に入っていることがある。
トルコ石は二次鉱物の一種であるため、先に存在する鉱物が風化、酸化する過程で、酸性の水溶液が浸透する作用によって生成する。例えば、銅は、黄銅鉱のような一次の硫化銅、もしくはクジャク石または藍銅鉱のような二次の炭酸塩から来ている。アルミニウムは長石に由来する。またリンは燐灰石に由来する。
トルコ石がしばしば高度に変成された火山岩中の穴および裂け目を埋めるか覆うような形で、褐鉄鉱や他の酸化鉄とともに乾燥地帯で見つけられることから、気候要因は、重要な役割を果たすようである。アメリカの南西部では、トルコ石は、ほとんど常に斑岩の貫入を受けたカリウム長石の中もしくは周辺にあり、硫化銅の鉱床の風化生成物を伴っている。明礬石(カリウム・アルミニウム硫酸塩)が顕著な二次鉱物である場合もある。基本的に、トルコ石の鉱物化は20メートル未満の比較的浅い深度に限られるが、二次溶液がより大きな浸透を起こしている場合は20メートルより深い裂け目に沿っても起こる。
トルコ石の持つ特徴は、二次鉱物か、溶解物による富化により生成する起源と矛盾無く説明できるが、一部には深成起源としている文献もある。深成起源仮説は、水溶液が熱水作用によりかなりの深さで発生するとする説である。最初に、これらの溶液は、先に存在した鉱物と相互作用し必須元素をろ過しながら、高温で表層に向かって上方へ上昇する。