トルエン トルエン (toluene) は芳香族炭化水素に属する有機化合物の一つである。ベンゼンの水素原子の一つをメチル基で置換した構造を持つ。メチルベンゼン、フェニルメタンと呼ばれることがある。無色透明の液体で、水には極めて難溶。アルコール類、油類などをよく溶かし、溶媒として広く用いられる。常温で揮発性があり、引火性を有するため、取扱い時には火気に厳重に注意する必要がある。 消防法による危険物(第四類 引火性液体、第一石油類)に指定されており、一定量以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。 人体に対しては高濃度の存在下では麻酔作用がある他、毒性が強く、日本では毒劇法により劇物に指定されている。 トルエンの名は、南アメリカに分布するMyroxylon balsamumという木から得られたトルオール(toluol)とよばれる樹脂(トルーバルサム(tolu balsam)とも)から初めて単離されたことに由来する。イェンス・ベルセリウスが名付け親である。 トルエンは通常の芳香族炭化水素と同様に求電子芳香族置換反応の基質となる。メチル基の存在により、ベンゼンの約25倍の反応性を持っている。 トルエンは穏やかなスルホン化によりp-トルエンスルホン酸を生成する。また酸化鉄(III)の存在下、塩素により塩素化反応を起こし、オルト・パラアイソマーのクロロトルエン
IUPAC名Toluene
別名メチルベンゼン
フェニルメタン
分子式C7H8
分子量92.14 g/mol
CAS登録番号[108-88-3]
形状無色透明の液体
密度と相0.8669 g/cm3,
融点-93 °C
沸点110.6 °C
SMILESCc1ccccc1
出典 ⇒ICSC
目次
1 歴史
2 化学的性質
3 製造
4 使用
5 毒性と代謝
6 参照資料
7 関連項目
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トルエンのメチル基も他の反応試剤により酸化反応が進行する。トルエンは酸化により反応中間体であるベンジルカチオンを生じさせ、続く水との反応によりベンジルアルコールを生成することができる。生じたベンジルアルコールはさらに酸化されベンズアルデヒドさらには安息香酸となる。またトルエンは過マンガン酸カリウムにより安息香酸を生成するが、その一方でクロム酸化によりベンズアルデヒドを生成する。
トルエンの触媒的水素化はその芳香族性のため進行しにくいが、高圧の水素添加によりメチルシクロヘキサンを生成する。
トルエンは原油中にも少量存在するが、通常はガソリンの接触改質、石炭からのコークス製造などで生成するエチレンのクラッキングにより製造する。最終的な精製は、BTXプラントで行われる。
純トルエンの2005年度日本国内生産量は1,676,091t、工業消費量は813,822tである。
実験的には、塩化アルミニウムを触媒に用い、ベンゼンを塩化メチルと反応させることにより得られる。
トルエンは溶媒として一般的に用いられ、ペンキ、塗料用シンナー、多くの化学物質、ゴム、印刷用インク、接着剤、マニキュア、皮なめし、殺菌剤等、様々なものを溶解することができる。フラーレンの指示薬としても用いることが可能である。ポリウレタンの原料であるトルエンジイソシアナートをはじめ、フェノール、トリニトロトルエン等の有機化合物の原料である。また内燃ガソリンエンジンのオクタン価向上剤としても用いることができる。